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8 心理状況変化編~終わりに

家での一コマ「仏壇」

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 話は変わって自宅の仏壇について。
 さて、子どもたちも巣立ち、送迎や休日の付き合いが無くなると自分の時間が大幅に増えた。さらに病気になって孤独を感じることが多くなった。そんな状況で朝に神様の水を取り替え仏壇に線香を1本上げる。これまで生きてきて、ただ繰り返してきたその行動に最近意味が出来た。

 そう、これまでも時々やってはいたことなのだが、最近、仏壇の向こうにいるご先祖や父親に話しかけるようになったのである。まあ、大した事は話をしていない。「今日は仕事をうまく終えたい」や「娘や息子からこんな連絡があった」とか「こんな治療をしているため副作用が酷い」など、短くて他愛のないものである。まあ、当然遺影からの返事は無いし別に表情が変わるわけも無し。結局のところ自分が記憶している父親の行動や言動を思い浮かべながら「こんなこというのだろう」と勝手に返事を想像しているわけであるが。

 ただ、仏壇の下にある父親の日記を斜め読みしたあとは、より父親像が明確になり話が弾む(?)ようになった。日記は事務的な記録が多いが、私が高校生の時に入院が必要な病気したときなどの記載があったりすると「生存中は口に出さなかったものの大切に思ってくれていたんだなあ。」などという思いを感じた。
 ここで直前に話したことを否定する訳では無いが、父親の日記を見たことにより遺影から帰ってくる話が増えたり、たまに遺影の表情が増えたりした(気がする)。まあ、日記の内容は事務的なことがほとんどだったので、多分見られても恥ずかしがってはいないと思う。私が思うだけだけど。
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