霊能力者の設定で学校生活送っていたらホンモノの霊能力者が転校してきてもう後に引けなくなった。

 自己紹介でドン引きされ、高校デビューに失敗した八戸小春。

「はじめの頃さ、調子乗ってたよね(笑)」と言われるのが嫌で、彼女はダダ滑りした霊能力者としての設定を持ち続けたまま、ぼっちな高校生活を送っていた。

 しかしその生活は、小春のクラスにミステリアスな雰囲気を醸し出す霊能力少女、出雲秋穂が転校してきたことによって少し変化する。


──クラスの人から教えてもらったの。あなた『も』、霊能力者だって。


 秋穂のことを「私と同類の中二病」だと認識した小春は、自分こそがこの町最強の霊能力者であるとウソをつく。
 小春には霊感なんてものはもちろんなかったが、秋穂のもどうせ「設定」だろうと高を括っていた。


 しかし、秋穂が「ホンモノの霊能力者」であることに気が付くのに時間はかからなかった。


 本物である秋穂に自分の「設定」がバレてしまえば、やっとできた友達からの信用を失うだけではなく、クラス中に真実が広まってしまって「あの陰キャ調子乗ってたよね(笑)」とバカにされてしまう!


 もう後に引けなくなった小春が導き出した答えは、「ウソとハッタリで誤魔化しつつ除霊」をして、設定が嘘だとバレないように学校生活を乗り切る、いばらの道だった──。



 当作品はカクヨム、アルファポリスにて掲載しています。
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