18 / 185
第1章
第18話 ぶくぶくぶく………………
しおりを挟む
「ふぅ……いい気持ち……」
ティスリは湯船に浸かると、思わず吐息をついていました。
春の夜はまだ肌寒いので、露天風呂を楽しむにはちょうどいいのですけれど、一糸まとわぬ姿で屋外に出るというのはやはり抵抗がありますね……
アルデの言う通り、東の国の人達は衣服をよく脱ぐのでしょうか? この旅館で用意されている浴衣という部屋着も、すぐ脱げるような構造ですし……
なのでわたしは、バスタオルを体にぴっちり巻いて湯船に浸かっています。本当はマナー違反なのですが、この露天風呂はわたしたちしか使いませんし、アルデがこっそり覗いている可能性も捨てきれませんからね。あれだけ念を押したから大丈夫だとは思いますが……
さらに、この露天風呂を取り囲むように警報魔法を展開していて、ちょっとでもアルデが温泉に近づこうものなら、警報がわたしの聴覚だけに届くようになっています。だから如何にこっそり侵入しようともお見通しというわけです。
っていうか……よくよく考えてみれば……
「アルデと同じ部屋になる必要、なかったんじゃないかしら……?」
わたしはふとつぶやいていました。
部屋を分けるとかフロアを分けるとか、あるいは宿屋そのものを分けるとかしてもよかったと、今さらながらに気づきます。
守護の指輪があるとはいえ、殺気を消せるほどの戦士や刺客であれば、手足を拘束したり、魔法で眠らせるくらいは可能です。
まぁ、あの単細胞なアルデに、そんな芸当ができるとも思えませんが……とはいえ下心的な感情は感知しませんし……
もちろん、攻勢魔法や弓矢を放たれるなどされれば話は別ですし、あとは異性が許可なく衣服を脱がしたらボンッとなるのは本当なのですが、そもそも今のわたしは衣服を着てませんし……
そんなことを考えていると、ただでさえ、屋外で裸体を晒すという心許なさなのに、ますます不安になってきました。
わたしは素肌を少しでも隠したくて、口元まで湯に浸かり、息で湯船を泡立てます。
ぶくぶく……
ぶくぶくぶく………………
ぶくぶくぶくぶく…………………………
警報のなる気配はありません、微塵も。
あ、あの男……!
わたしほどの超絶美少女が、すぐ隣で裸体を晒しているというのに、下心が一つもないとはどういう了見なのでしょうか……!?
い、いえ……きっと、違いますよね?
違うに決まってます……!
どうせ今頃は、リビングのタタミで七転八倒しているに違いありません……!
わたしはアルデに散々脅しを掛けておきましたから、わたしの裸を見たい下心と、コロされる恐怖との板挟みで苦しんでいることでしょう!
ふふっ……可哀想なアルデ。
魔動車運転の練習で絡んできたことは一生忘れませんからね? いい気味です。
そうなると、アルデが苦しんでいる様子をぜひとも見てみたいものですね……さりとて露天風呂はもうちょっと楽しみたいですし……
となると、あの手しかありませんか。
わたしが開発した中でも、一二を争うほどに危険な魔法を使うしか。
これを開発したことが公になったなら、王女だったわたしとて、王侯貴族はもとより臣民にまで後ろ指をさされ、その汚点は歴史に刻まれるであろうほどの禁忌魔法。
だからわたしは、生命の危機や国家存亡に関わる事態でもなければ、絶対に使わないと誓ったのですが……
まぁ……アルデになら別に構いませんね。
なにしろアルデですし?
そうしてわたしは、わざと長くした呪文を淡々と唱え始めました。
っていうかのぼせてきたので、湯船からは出て、岩をくり抜いて作られたベンチに腰掛けながら呪文を詠唱し続けます。
そうしてついに、禁忌の呪文は完成しました……!
「監視!」
するとわたしの視界だけに、脱衣所の様子が映し出されました!
禁忌の魔法とは監視魔法──わたしを中心にして、半径数百キロに及ぶ範囲に視界を広げる魔法なのです……!
しかも建物の中であろうが、地下であろうがお構いなしに見ることが可能!
わたしが『見たい』と思った場所へと視点が飛んでいき、どんな場所でもわずか数秒で映し出してくれるという非常識極まる魔法なのです。
もしわたしがこんな魔法を開発して、しかもいつでも発現できるなどと他人に知れ渡ったなら、例え使っていなくてもプライバシー侵害で訴えられまくること請け合いです。今のわたしは王女ではないのですからなおさらでしょう。
もちろんわたしだって、他人の秘密を覗き見たくて開発したのではありません。国家が危機に瀕したときの、敵情視察のために開発したのです。
ですが超天才であるわたしの外交手腕により、この魔法を使う出番はなかったわけですが。まさか、アルデなどという平民のプライバシーを覗き見るために使うことになろうとは……
まぁいいですよね、アルデですし?
それに一緒の部屋にいるわけですから、別にプライバシーというほどの事でもないでしょうし。
そうしてわたしは、いよいよ『視点』をリビングに移しました。
すると──
「……!?」
──わたしは思わず瞠目します。
アルデは、タタミの上でのた打ち回り、苦悶の表情を浮かべて獣が威嚇するかのように唸っている──のではなく。
庭側のソファに腰掛けて、暢気に茶などすすっていました。
それはもう、至福と言わんばかりの表情を浮かべて、うっとりと、大変にリラックスした感じで。
余生を過ごすおじいちゃんにでもなったかのように、いっぷくしていました。
「あ、あの男……!」
アタマ、どうにかなってるんじゃないですかね!?
これほどの美少女が、壁わずか数枚を隔ててお風呂に入っているんですよ!?
覗かないまでもちょっとはドキドキして、顔を茹でタコのようにするのがお約束というものでしょう!?
少なくともわたしが読んだ書物にはそう記されていました!
だというのに、あの男ときたら……!
まるで悟りでも開いたかのような顔つきで呆けるばかり……!!
「な……なるほど……分かりました……分かりましたよ……?」
わたしは監視魔法を切ると、引きつる口元をなんとか抑えてつぶやきます。
「あの男は……精力というものが、もうないのですね……」
とある侍女に聞いた話によると、若い男性は精力というものを持て余していて、隙あらば女性を獣のように襲ってくる、だから気をつけるようにとのことでしたが、あの男は例外のようです。
「で、であるならば……わたしの裸に関心ないのも納得です……」
あるいは別の侍女から聞いた話では、男性を好きな男性もいるそうですから、だったらなおさら、超絶美少女のわたしに興味が持てないのも頷けるというものです。
それにアルデが枯れていたり同性愛者であるならば、わたしの貞操は絶対安全ですから好都合というものです!
「どちらにしろ、わたしには関係ありませんしね!」
そう結論付けるとわたしは手早く汗を流して浴衣に着替え、帯をキュッと締めるとリビングへと戻りました。
すると、監視魔法で確認した状態のままでアルデが声を掛けてきました。
「よぉ。意外と早かったがもういいのか?」
「ええ、いい湯加減でした!」
「そうか。ってかまた妙な民族衣装を着ているなぁ」
「これも東の国の服で部屋着だそうです!」
「へぇ、そうなのか。このフォーマル服と違ってラクでよさげだな」
「そうですね!!」
「…………な、なぁ……なんでそんなに怒ってんの?」
「別に怒ってなどいませんが!?」
「さ、さいですか……ところで、オレも風呂入っていいか?」
「どうぞご勝手に!!」
なぜかアルデは肩をすくめて、そそくさと露天風呂へ行きました。
まったく……このわたしが怒っているだなんて、アルデも妙なことをいいますね。
きっとアレです、のぼせてしまったのでちょっとアタマに血が回っているだけです。その興奮が怒りに見えたのでしょう。
まったくアルデは人の感情というものが分かっていませんね!
などと考えていたら、唐突に、わたしの耳元に警報が鳴り響きました。
「……えっ!?」
さきほどバスルームに仕掛けた警報魔法です。
解除するのを忘れていましたが、どうして今ごろ警報が……!?
わたしは脱衣所に走ると、その扉を叩きました。
「アルデ? アルデ……! 中で何が起こっているのですか!?」
しかしアルデは返事をしてきません。
「開けますよ? いいですね!」
そうしてわたしは扉を開けますが、脱衣所にアルデの姿はありません。
わたしは胸騒ぎを感じて、脱衣所も駆け抜けると露天風呂の扉を勢いよく開けました。
「アルデ! いるのですか!?」
「え?」
すると……
アルデは……
振り返ったのですがその場所は……
露天風呂の手すりの上に立っていたのです、なぜか。
しかも、その……全裸で。
「お、おまっ……!?」
一糸まとわぬ姿のアルデは、自分の腰あたりを両手で隠しました。
「マッパでアレを風に当てながら、貴族街を見下ろすのも乙なものだと思っていたのに気分台無しじゃねーか!?」
「気分台無しなのはわたしのほうですよ!?!?」
当然わたしは目を伏せて、無詠唱で気塊魔法をアルデに放ちます!
「げふぅ!」というアルデの呻き声を聞きながら……わたしは理解しました。
警報がなったのは……わたしが設定した範囲からアルデが出たからだったと。手すりに登ったことによって。
「まったく……なんなのですかあなたは……!」
「…覗いたのは……お前だろ……なんでオレが……」
「知りませんよまったく!!」
そう言ってから、わたしは露天風呂の扉をピシャリと締めたのでした……
ティスリは湯船に浸かると、思わず吐息をついていました。
春の夜はまだ肌寒いので、露天風呂を楽しむにはちょうどいいのですけれど、一糸まとわぬ姿で屋外に出るというのはやはり抵抗がありますね……
アルデの言う通り、東の国の人達は衣服をよく脱ぐのでしょうか? この旅館で用意されている浴衣という部屋着も、すぐ脱げるような構造ですし……
なのでわたしは、バスタオルを体にぴっちり巻いて湯船に浸かっています。本当はマナー違反なのですが、この露天風呂はわたしたちしか使いませんし、アルデがこっそり覗いている可能性も捨てきれませんからね。あれだけ念を押したから大丈夫だとは思いますが……
さらに、この露天風呂を取り囲むように警報魔法を展開していて、ちょっとでもアルデが温泉に近づこうものなら、警報がわたしの聴覚だけに届くようになっています。だから如何にこっそり侵入しようともお見通しというわけです。
っていうか……よくよく考えてみれば……
「アルデと同じ部屋になる必要、なかったんじゃないかしら……?」
わたしはふとつぶやいていました。
部屋を分けるとかフロアを分けるとか、あるいは宿屋そのものを分けるとかしてもよかったと、今さらながらに気づきます。
守護の指輪があるとはいえ、殺気を消せるほどの戦士や刺客であれば、手足を拘束したり、魔法で眠らせるくらいは可能です。
まぁ、あの単細胞なアルデに、そんな芸当ができるとも思えませんが……とはいえ下心的な感情は感知しませんし……
もちろん、攻勢魔法や弓矢を放たれるなどされれば話は別ですし、あとは異性が許可なく衣服を脱がしたらボンッとなるのは本当なのですが、そもそも今のわたしは衣服を着てませんし……
そんなことを考えていると、ただでさえ、屋外で裸体を晒すという心許なさなのに、ますます不安になってきました。
わたしは素肌を少しでも隠したくて、口元まで湯に浸かり、息で湯船を泡立てます。
ぶくぶく……
ぶくぶくぶく………………
ぶくぶくぶくぶく…………………………
警報のなる気配はありません、微塵も。
あ、あの男……!
わたしほどの超絶美少女が、すぐ隣で裸体を晒しているというのに、下心が一つもないとはどういう了見なのでしょうか……!?
い、いえ……きっと、違いますよね?
違うに決まってます……!
どうせ今頃は、リビングのタタミで七転八倒しているに違いありません……!
わたしはアルデに散々脅しを掛けておきましたから、わたしの裸を見たい下心と、コロされる恐怖との板挟みで苦しんでいることでしょう!
ふふっ……可哀想なアルデ。
魔動車運転の練習で絡んできたことは一生忘れませんからね? いい気味です。
そうなると、アルデが苦しんでいる様子をぜひとも見てみたいものですね……さりとて露天風呂はもうちょっと楽しみたいですし……
となると、あの手しかありませんか。
わたしが開発した中でも、一二を争うほどに危険な魔法を使うしか。
これを開発したことが公になったなら、王女だったわたしとて、王侯貴族はもとより臣民にまで後ろ指をさされ、その汚点は歴史に刻まれるであろうほどの禁忌魔法。
だからわたしは、生命の危機や国家存亡に関わる事態でもなければ、絶対に使わないと誓ったのですが……
まぁ……アルデになら別に構いませんね。
なにしろアルデですし?
そうしてわたしは、わざと長くした呪文を淡々と唱え始めました。
っていうかのぼせてきたので、湯船からは出て、岩をくり抜いて作られたベンチに腰掛けながら呪文を詠唱し続けます。
そうしてついに、禁忌の呪文は完成しました……!
「監視!」
するとわたしの視界だけに、脱衣所の様子が映し出されました!
禁忌の魔法とは監視魔法──わたしを中心にして、半径数百キロに及ぶ範囲に視界を広げる魔法なのです……!
しかも建物の中であろうが、地下であろうがお構いなしに見ることが可能!
わたしが『見たい』と思った場所へと視点が飛んでいき、どんな場所でもわずか数秒で映し出してくれるという非常識極まる魔法なのです。
もしわたしがこんな魔法を開発して、しかもいつでも発現できるなどと他人に知れ渡ったなら、例え使っていなくてもプライバシー侵害で訴えられまくること請け合いです。今のわたしは王女ではないのですからなおさらでしょう。
もちろんわたしだって、他人の秘密を覗き見たくて開発したのではありません。国家が危機に瀕したときの、敵情視察のために開発したのです。
ですが超天才であるわたしの外交手腕により、この魔法を使う出番はなかったわけですが。まさか、アルデなどという平民のプライバシーを覗き見るために使うことになろうとは……
まぁいいですよね、アルデですし?
それに一緒の部屋にいるわけですから、別にプライバシーというほどの事でもないでしょうし。
そうしてわたしは、いよいよ『視点』をリビングに移しました。
すると──
「……!?」
──わたしは思わず瞠目します。
アルデは、タタミの上でのた打ち回り、苦悶の表情を浮かべて獣が威嚇するかのように唸っている──のではなく。
庭側のソファに腰掛けて、暢気に茶などすすっていました。
それはもう、至福と言わんばかりの表情を浮かべて、うっとりと、大変にリラックスした感じで。
余生を過ごすおじいちゃんにでもなったかのように、いっぷくしていました。
「あ、あの男……!」
アタマ、どうにかなってるんじゃないですかね!?
これほどの美少女が、壁わずか数枚を隔ててお風呂に入っているんですよ!?
覗かないまでもちょっとはドキドキして、顔を茹でタコのようにするのがお約束というものでしょう!?
少なくともわたしが読んだ書物にはそう記されていました!
だというのに、あの男ときたら……!
まるで悟りでも開いたかのような顔つきで呆けるばかり……!!
「な……なるほど……分かりました……分かりましたよ……?」
わたしは監視魔法を切ると、引きつる口元をなんとか抑えてつぶやきます。
「あの男は……精力というものが、もうないのですね……」
とある侍女に聞いた話によると、若い男性は精力というものを持て余していて、隙あらば女性を獣のように襲ってくる、だから気をつけるようにとのことでしたが、あの男は例外のようです。
「で、であるならば……わたしの裸に関心ないのも納得です……」
あるいは別の侍女から聞いた話では、男性を好きな男性もいるそうですから、だったらなおさら、超絶美少女のわたしに興味が持てないのも頷けるというものです。
それにアルデが枯れていたり同性愛者であるならば、わたしの貞操は絶対安全ですから好都合というものです!
「どちらにしろ、わたしには関係ありませんしね!」
そう結論付けるとわたしは手早く汗を流して浴衣に着替え、帯をキュッと締めるとリビングへと戻りました。
すると、監視魔法で確認した状態のままでアルデが声を掛けてきました。
「よぉ。意外と早かったがもういいのか?」
「ええ、いい湯加減でした!」
「そうか。ってかまた妙な民族衣装を着ているなぁ」
「これも東の国の服で部屋着だそうです!」
「へぇ、そうなのか。このフォーマル服と違ってラクでよさげだな」
「そうですね!!」
「…………な、なぁ……なんでそんなに怒ってんの?」
「別に怒ってなどいませんが!?」
「さ、さいですか……ところで、オレも風呂入っていいか?」
「どうぞご勝手に!!」
なぜかアルデは肩をすくめて、そそくさと露天風呂へ行きました。
まったく……このわたしが怒っているだなんて、アルデも妙なことをいいますね。
きっとアレです、のぼせてしまったのでちょっとアタマに血が回っているだけです。その興奮が怒りに見えたのでしょう。
まったくアルデは人の感情というものが分かっていませんね!
などと考えていたら、唐突に、わたしの耳元に警報が鳴り響きました。
「……えっ!?」
さきほどバスルームに仕掛けた警報魔法です。
解除するのを忘れていましたが、どうして今ごろ警報が……!?
わたしは脱衣所に走ると、その扉を叩きました。
「アルデ? アルデ……! 中で何が起こっているのですか!?」
しかしアルデは返事をしてきません。
「開けますよ? いいですね!」
そうしてわたしは扉を開けますが、脱衣所にアルデの姿はありません。
わたしは胸騒ぎを感じて、脱衣所も駆け抜けると露天風呂の扉を勢いよく開けました。
「アルデ! いるのですか!?」
「え?」
すると……
アルデは……
振り返ったのですがその場所は……
露天風呂の手すりの上に立っていたのです、なぜか。
しかも、その……全裸で。
「お、おまっ……!?」
一糸まとわぬ姿のアルデは、自分の腰あたりを両手で隠しました。
「マッパでアレを風に当てながら、貴族街を見下ろすのも乙なものだと思っていたのに気分台無しじゃねーか!?」
「気分台無しなのはわたしのほうですよ!?!?」
当然わたしは目を伏せて、無詠唱で気塊魔法をアルデに放ちます!
「げふぅ!」というアルデの呻き声を聞きながら……わたしは理解しました。
警報がなったのは……わたしが設定した範囲からアルデが出たからだったと。手すりに登ったことによって。
「まったく……なんなのですかあなたは……!」
「…覗いたのは……お前だろ……なんでオレが……」
「知りませんよまったく!!」
そう言ってから、わたしは露天風呂の扉をピシャリと締めたのでした……
1
お気に入りに追加
372
あなたにおすすめの小説
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる