14 / 20
復活の時
四面楚歌
しおりを挟む
その日、全国へ向けて一通の文が送られた。
備中高松城外 羽柴秀吉本陣
「秀吉様、京より文が。」
「何?京からだと?まさか明智から来たのか?」
秀吉が文を開け中身を一読する。すると読み進めていくうちに秀吉の顔がみるみる青くなっていった。
「秀吉様、どうなされたのですか?」
「か、官兵衛…これを見てみよ…」
「こ、これは…」
その文にはこう書かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
御内書
旧織田家臣に告ぐ
今すぐ家臣内の戦闘を取りやめよ
その後の対応は追って書状を出す
室町幕府第15代将軍 足利義昭
明智光秀
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くそ!してやられた!毛利はいつの間に義昭を京へ送っていたのだ!」
「これに我らが従わなければ朝敵となり全ての大名と戦うことになりますな。」
「あぁ、明智から来たのは気に食わぬが致し方ないか。」
「えぇ、それにこれを送ってきたということは毛利との講話を仲介してくれるでしょう。」
「今はこれに従うのが良いか…ただ、今はな…」
そしてこの文は北陸にいる柴田勝家の元にも送られていた。
北ノ庄城
「くそっ!あの明智めが~~!」
「勝家様!落ち着いてください!」
「利家!落ち着いていられるか!我らは明智討伐の大義名分を失ったのだぞ!」
「ですが!流石に城内で刀を振り回すのはおやめくださ、うわっ!危ないですぞ!」
利家はやっと暴れ馬のような勝家を座らせ、軍議を始めた。
「勝家様、まだ我らが負けと決まったわけではございませんぞ。」
「成政、なぜそう思う。」
「まだ明智は畿内を治めてから数週間。謀反人にはそう簡単に兵は集まりません。おそらく明智も合戦をしたくないからこのような文を送ってきたのでしょう。そして話し合いとなれば我らにも勝機があります。我らにはあの方がいらっしゃるのですから。」
「おぉ、そうであったな。我らにはあの方がいらっしゃる。そうと決まれば早速お呼びするのだ!」
「はっ!」
数日後、京よりまた織田家重臣に向けて文が出された。
「この問題は戦ではなく会議で決めるべきだ。ならば会場はあそこしかあるまい。」
「織田家始まりの地、清洲へ」
─織田信長一行─
「やっと伊賀か、やはり紀州からは遠いな。」
「信長様、お気を付けください。まだ伊賀は安定しておりません。」
「あぁ、蘭丸よ分かって、」
「そこの一行!覚悟っ!」
「なっ!」
備中高松城外 羽柴秀吉本陣
「秀吉様、京より文が。」
「何?京からだと?まさか明智から来たのか?」
秀吉が文を開け中身を一読する。すると読み進めていくうちに秀吉の顔がみるみる青くなっていった。
「秀吉様、どうなされたのですか?」
「か、官兵衛…これを見てみよ…」
「こ、これは…」
その文にはこう書かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
御内書
旧織田家臣に告ぐ
今すぐ家臣内の戦闘を取りやめよ
その後の対応は追って書状を出す
室町幕府第15代将軍 足利義昭
明智光秀
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くそ!してやられた!毛利はいつの間に義昭を京へ送っていたのだ!」
「これに我らが従わなければ朝敵となり全ての大名と戦うことになりますな。」
「あぁ、明智から来たのは気に食わぬが致し方ないか。」
「えぇ、それにこれを送ってきたということは毛利との講話を仲介してくれるでしょう。」
「今はこれに従うのが良いか…ただ、今はな…」
そしてこの文は北陸にいる柴田勝家の元にも送られていた。
北ノ庄城
「くそっ!あの明智めが~~!」
「勝家様!落ち着いてください!」
「利家!落ち着いていられるか!我らは明智討伐の大義名分を失ったのだぞ!」
「ですが!流石に城内で刀を振り回すのはおやめくださ、うわっ!危ないですぞ!」
利家はやっと暴れ馬のような勝家を座らせ、軍議を始めた。
「勝家様、まだ我らが負けと決まったわけではございませんぞ。」
「成政、なぜそう思う。」
「まだ明智は畿内を治めてから数週間。謀反人にはそう簡単に兵は集まりません。おそらく明智も合戦をしたくないからこのような文を送ってきたのでしょう。そして話し合いとなれば我らにも勝機があります。我らにはあの方がいらっしゃるのですから。」
「おぉ、そうであったな。我らにはあの方がいらっしゃる。そうと決まれば早速お呼びするのだ!」
「はっ!」
数日後、京よりまた織田家重臣に向けて文が出された。
「この問題は戦ではなく会議で決めるべきだ。ならば会場はあそこしかあるまい。」
「織田家始まりの地、清洲へ」
─織田信長一行─
「やっと伊賀か、やはり紀州からは遠いな。」
「信長様、お気を付けください。まだ伊賀は安定しておりません。」
「あぁ、蘭丸よ分かって、」
「そこの一行!覚悟っ!」
「なっ!」
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜
雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。
そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。
これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。
主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美
※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。
※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。
※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。
戦争はただ冷酷に
航空戦艦信濃
歴史・時代
1900年代、日露戦争の英雄達によって帝国陸海軍の教育は大きな変革を遂げた。戦術だけでなく戦略的な視点で、すべては偉大なる皇国の為に、徹底的に敵を叩き潰すための教育が行われた。その為なら、武士道を捨てることだって厭わない…
1931年、満州の荒野からこの教育の成果が世界に示される。
日は沈まず
ミリタリー好きの人
歴史・時代
1929年世界恐慌により大日本帝國も含め世界は大恐慌に陥る。これに対し大日本帝國は満州事変で満州を勢力圏に置き、積極的に工場や造船所などを建造し、経済再建と大幅な軍備拡張に成功する。そして1937年大日本帝國は志那事変をきっかけに戦争の道に走っていくことになる。当初、帝國軍は順調に進撃していたが、英米の援蔣ルートによる援助と和平の断念により戦争は泥沼化していくことになった。さらに1941年には英米とも戦争は避けられなくなっていた・・・あくまでも趣味の範囲での制作です。なので文章がおかしい場合もあります。
また参考資料も乏しいので設定がおかしい場合がありますがご了承ください。また、おかしな部分を次々に直していくので最初見た時から内容がかなり変わっている場合がありますので何か前の話と一致していないところがあった場合前の話を見直して見てください。おかしなところがあったら感想でお伝えしてもらえると幸いです。表紙は自作です。
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
ブラックスペア
高雄摩耶
歴史・時代
1939年。日本海軍では新型高性能潜水艦の建造計画が持ち上がる。技術担当の酒井中佐はその高すぎる要求に頭を抱えてしまう。そんな中、発明家の有岡安治郎から、新型機関の提案が送られてくる。半信半疑でその見学に向かった酒井中佐を待っていたのは…太古の魔女を自称する一人の少女だったのだ!
冗談かと笑う中佐であったが、少女は彼の目の前で例の新型機関、通称「チャンツエンジン」を魔法力で動かし始め、素晴らしい性能を発揮したのである。彼はその性能に驚愕するが、この機関には大きな制約があった。それは”機関を扱えるのは十代の女性のみ”というものであった。
1941年夏、女学校に通う女学生、下田アリサはある募集の張り紙を見かける。それは「事務作業のため十代の女性を募集する」という海軍が作成したものだった。学費に困っていた彼女は夏休みの間だけでもやってみようと海軍を訪れる。そこではなぜか体力試験や視力、聴力の検査、そして謎の装置による調査が行われる。その結果、彼女は他の応募者を差し置いて合格することができたのだ。しかし彼女を待っていたのは、新型潜水艦「イ-99」への乗組命令だった。
地獄の太平洋戦線を舞台に、「ブラックスペア」と恐れられた少女の潜水艦は、果たして生き残ることができるのか!?彼女たちの戦いが、いま始まる!
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
【武田家躍進】おしゃべり好きな始祖様が出てきて・・・
宮本晶永(くってん)
歴史・時代
戦国時代の武田家は指折りの有力大名と言われていますが、実際には信玄の代になって甲斐・信濃と駿河の部分的な地域までしか支配地域を伸ばすことができませんでした。
武田家が中央へ進出する事について色々考えてみましたが、織田信長が尾張を制圧してしまってからでは、それができる要素がほぼありません。
不安定だった各大名の境界線が安定してしまうからです。
そこで、甲斐から出られる機会を探したら、三国同盟の前の時期しかありませんでした。
とは言っても、その頃の信玄では若すぎて家中の影響力が今一つ足りませんし、信虎は武将としては強くても、統治する才能が甲斐だけで手一杯な感じです。
何とか進出できる要素を探していたところ、幼くして亡くなっていた信玄の4歳上の兄である竹松という人を見つけました。
彼と信玄の2歳年下の弟である犬千代を死ななかった事にして、実際にあった出来事をなぞりながら、どこまでいけるか想像をしてみたいと思います。
作中の言葉遣いですが、可能な限り時代に合わせてみますが、ほぼ現代の言葉遣いになると思いますのでお許しください。
作品を出すこと自体が経験ありませんので、生暖かく見守って下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる