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海辺の城の上空に着き、父さまの姿を探す。
城の裏手の海が臨める場所に、母さまの石碑がある。その石碑の傍に、赤い髪の男が倒れていた。でも他の兵達の姿がない。
訝しく思ったけど、今は父さまを助けることが最優先だ。
「父さま!」
「兄上っ!」
俺とローラントおじさんは、石碑めがけて急降下した。
飛翔馬が着地すると同時に飛び降りて駆け寄る。
父さまの姿を見て、俺の呼吸が一瞬止まった。
あの男の言ってたことは、間違いじゃなかった…。父さまの長かった赤い髪の毛は、無惨にも焼け落ちて短くなっている。
シャツもズボンも焦げて、赤くなった肌が所々見えている。
「父さま…っ」
俺とローラントおじさんは、うつ伏せで倒れている父さまの身体を、そっと仰向けになるように動かした。
父さまの顔も火傷で赤くなっていて、とても痛々しい。
男の言う通り…もしかして父さまはもう…。
俺の胸が、ズキンと痛んだ。
でもすぐにローラントおじさんの言葉を聞いて、少し安堵する。
「あっ!カエン!まだ息があるっ!兄上を早く中へ運ぼう!今すぐ治療すれば助かるっ!」
「えっ!?ほんとにっ?わかった!」
俺とローラントおじさんで、父さまを担いで、医務室に運ぶ。
ベッドにそっと寝かせると、俺はマントと上着を脱いで、シャツの袖をまくった。
「おじさんっ、俺が治癒の魔法をかけるよ。泉の水を持って来てもらってもいい?」
「ああ、頼む。俺は泉の水をすぐに持って来る。それにここにはあらゆる薬が揃っていたはずだ。火傷に効く薬を探してみる!」
「うん、お願い!」
ローラントおじさんと話しながら、手を綺麗に洗う。そして棚にあった布を水に濡らすと、父さまの顔や身体を丁寧に拭き始めた。
ローラントおじさんが、容器を持って走って部屋を出て行く。
泉の水が届くまでに、俺は父さまの破れて皮膚に張り付いたシャツとズボンを、ゆっくりと剥がしていった。
何とか服を剥がし終えた頃に、ローラントおじさんが戻って来た。
布を泉の水に浸し、緩く搾って赤くなった肌に当てていく。何度も何度も繰り返し拭いて、ようやく滲み出ていた血が止まり、赤みが少し引いた。
「ふう…。父さま、もう大丈夫だから…頑張って…」
父さまは、微弱な呼吸はあるみたいだけど、まだ微動だにしない。
俺は、布をベッドの横の棚の上に置くと、両掌を赤くなっている皮膚に当てた。
ゆっくりゆっくり時間をかけて、父さまの顔から身体から手足まで、丁寧に掌を当てていく。
全身に当て終わった時には、俺は汗だくになり、全速力で走ったかのように息が切れて、隣のベッドに倒れ込んだ。
城の裏手の海が臨める場所に、母さまの石碑がある。その石碑の傍に、赤い髪の男が倒れていた。でも他の兵達の姿がない。
訝しく思ったけど、今は父さまを助けることが最優先だ。
「父さま!」
「兄上っ!」
俺とローラントおじさんは、石碑めがけて急降下した。
飛翔馬が着地すると同時に飛び降りて駆け寄る。
父さまの姿を見て、俺の呼吸が一瞬止まった。
あの男の言ってたことは、間違いじゃなかった…。父さまの長かった赤い髪の毛は、無惨にも焼け落ちて短くなっている。
シャツもズボンも焦げて、赤くなった肌が所々見えている。
「父さま…っ」
俺とローラントおじさんは、うつ伏せで倒れている父さまの身体を、そっと仰向けになるように動かした。
父さまの顔も火傷で赤くなっていて、とても痛々しい。
男の言う通り…もしかして父さまはもう…。
俺の胸が、ズキンと痛んだ。
でもすぐにローラントおじさんの言葉を聞いて、少し安堵する。
「あっ!カエン!まだ息があるっ!兄上を早く中へ運ぼう!今すぐ治療すれば助かるっ!」
「えっ!?ほんとにっ?わかった!」
俺とローラントおじさんで、父さまを担いで、医務室に運ぶ。
ベッドにそっと寝かせると、俺はマントと上着を脱いで、シャツの袖をまくった。
「おじさんっ、俺が治癒の魔法をかけるよ。泉の水を持って来てもらってもいい?」
「ああ、頼む。俺は泉の水をすぐに持って来る。それにここにはあらゆる薬が揃っていたはずだ。火傷に効く薬を探してみる!」
「うん、お願い!」
ローラントおじさんと話しながら、手を綺麗に洗う。そして棚にあった布を水に濡らすと、父さまの顔や身体を丁寧に拭き始めた。
ローラントおじさんが、容器を持って走って部屋を出て行く。
泉の水が届くまでに、俺は父さまの破れて皮膚に張り付いたシャツとズボンを、ゆっくりと剥がしていった。
何とか服を剥がし終えた頃に、ローラントおじさんが戻って来た。
布を泉の水に浸し、緩く搾って赤くなった肌に当てていく。何度も何度も繰り返し拭いて、ようやく滲み出ていた血が止まり、赤みが少し引いた。
「ふう…。父さま、もう大丈夫だから…頑張って…」
父さまは、微弱な呼吸はあるみたいだけど、まだ微動だにしない。
俺は、布をベッドの横の棚の上に置くと、両掌を赤くなっている皮膚に当てた。
ゆっくりゆっくり時間をかけて、父さまの顔から身体から手足まで、丁寧に掌を当てていく。
全身に当て終わった時には、俺は汗だくになり、全速力で走ったかのように息が切れて、隣のベッドに倒れ込んだ。
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