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王の花 7
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軽く合わせた唇が、アルファムに後頭部を寄せられて深くなる。激しく舌を絡ませて吸われ、久しぶりの熱い刺激に、俺は目を潤ませて口端から飲み込めなかった唾液をたらす。
「ふぁ…、んっ、んぅ…」
どれくらいの時間そうしていたのか、ようやくアルファムの顔が離れた時には、俺の唇は熱をもって痺れていた。
「ん…っ、はぁ。…アル、激しい…」
「ん、カナが可愛いから仕方がない。が、まだまだ足りない。おまえが大丈夫なら、今夜、抱いていいか?」
俺の頬を指の背で撫でながら、アルファムがそう囁く。
俺がこの世界に来た頃なんて、俺の意見を聞かないで何でも進めてたのに…、と胸がキュンと鳴った。
「うん、して…。俺も、アルが足りない」
「やはりおまえは、堪らなく可愛いな。では夜の為に少し眠れ。宴まではまだ時間がある。あ、その前に、傷痕を見せてくれ」
俺は頷くと、Tシャツの裾を持ち上げた。
「ほら、治ってるだろ?」
アルファムが無言で、お腹の傷痕を指でなぞる。その直後に、ヒリヒリとした熱さを感じて、思わず声を上げた。
「あっ!…な、に?」
顔を上げてアルファムに触れられているお腹を見ると、縫った痕が残っていた傷痕が、綺麗に消えていた。
「カナ…、これは、かなり痛かっただろう?よく耐えたな。俺は、腹の傷痕は治せても腹の中までは治せない。ちゃんと、治ってるのか?」
「うん、治ってるよ。医者の先生が言ってた。止血がしてあったから、助かったんだって。だから、アルのおかげで俺は助かったんだよ。アル、ありがとう」
心配そうに俺を覗き込むアルファムの頬に手を当てて、俺はニコリと笑う。
でも、アルファムは渋い顔のまま、今度は俺の右手を握りしめた。
「カナに礼を言われる資格はない。あの時、おまえを守ってやれなかったのだからな…。それどころか、おまえに辛い思いをさせてしまった。絶対に守ると誓っていたのに…。カナ、すまない。俺を怒っていいぞ?だが、今度こそ、何があっても絶対にカナを守る」
「アル…。怒られるなら俺の方だよ。あの時、勝手なことをしてごめん。でも、アルと、アルがいるこの世界が大好きだったから、どうしても守りたかったんだ。あいつの思い通りにはさせたくなかったんだ」
「…そうか」
「うん。でも、もう無茶はしない。アルと離れるのは嫌だもん」
「そうだな、そうしてくれ。俺も、もう二度とあんな辛い思いはしたくない。この手も、痛かっただろ?元通り、白く綺麗な手に治してやるぞ」
アルファムが、俺の右手を持ち上げて唇をつける。そして、両手で俺の右手を包むと、綺麗な緑色の目で俺を見た。
その瞬間、包まれた右手が熱くなり、俺は唇を噛んで耐える。
「カナ」と呼ばれて顔を上げると、噛んだ唇をペロリと舐められた。
チュッチュと啄まれている間に、熱さが引いてアルファムの手が離れる。
「カナ、治ったぞ」
お互いの鼻先を触れさせながら囁かれて、右手を持ち上げて見ると、赤く引きつった痕が綺麗に消えていた。
前よりも綺麗になったんじゃないかと思う程の白い手に、俺は感嘆の声を上げた。
「ふぁ…、んっ、んぅ…」
どれくらいの時間そうしていたのか、ようやくアルファムの顔が離れた時には、俺の唇は熱をもって痺れていた。
「ん…っ、はぁ。…アル、激しい…」
「ん、カナが可愛いから仕方がない。が、まだまだ足りない。おまえが大丈夫なら、今夜、抱いていいか?」
俺の頬を指の背で撫でながら、アルファムがそう囁く。
俺がこの世界に来た頃なんて、俺の意見を聞かないで何でも進めてたのに…、と胸がキュンと鳴った。
「うん、して…。俺も、アルが足りない」
「やはりおまえは、堪らなく可愛いな。では夜の為に少し眠れ。宴まではまだ時間がある。あ、その前に、傷痕を見せてくれ」
俺は頷くと、Tシャツの裾を持ち上げた。
「ほら、治ってるだろ?」
アルファムが無言で、お腹の傷痕を指でなぞる。その直後に、ヒリヒリとした熱さを感じて、思わず声を上げた。
「あっ!…な、に?」
顔を上げてアルファムに触れられているお腹を見ると、縫った痕が残っていた傷痕が、綺麗に消えていた。
「カナ…、これは、かなり痛かっただろう?よく耐えたな。俺は、腹の傷痕は治せても腹の中までは治せない。ちゃんと、治ってるのか?」
「うん、治ってるよ。医者の先生が言ってた。止血がしてあったから、助かったんだって。だから、アルのおかげで俺は助かったんだよ。アル、ありがとう」
心配そうに俺を覗き込むアルファムの頬に手を当てて、俺はニコリと笑う。
でも、アルファムは渋い顔のまま、今度は俺の右手を握りしめた。
「カナに礼を言われる資格はない。あの時、おまえを守ってやれなかったのだからな…。それどころか、おまえに辛い思いをさせてしまった。絶対に守ると誓っていたのに…。カナ、すまない。俺を怒っていいぞ?だが、今度こそ、何があっても絶対にカナを守る」
「アル…。怒られるなら俺の方だよ。あの時、勝手なことをしてごめん。でも、アルと、アルがいるこの世界が大好きだったから、どうしても守りたかったんだ。あいつの思い通りにはさせたくなかったんだ」
「…そうか」
「うん。でも、もう無茶はしない。アルと離れるのは嫌だもん」
「そうだな、そうしてくれ。俺も、もう二度とあんな辛い思いはしたくない。この手も、痛かっただろ?元通り、白く綺麗な手に治してやるぞ」
アルファムが、俺の右手を持ち上げて唇をつける。そして、両手で俺の右手を包むと、綺麗な緑色の目で俺を見た。
その瞬間、包まれた右手が熱くなり、俺は唇を噛んで耐える。
「カナ」と呼ばれて顔を上げると、噛んだ唇をペロリと舐められた。
チュッチュと啄まれている間に、熱さが引いてアルファムの手が離れる。
「カナ、治ったぞ」
お互いの鼻先を触れさせながら囁かれて、右手を持ち上げて見ると、赤く引きつった痕が綺麗に消えていた。
前よりも綺麗になったんじゃないかと思う程の白い手に、俺は感嘆の声を上げた。
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