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銀ちゃんの言葉に、俺は嬉しくなった。銀ちゃんはいつも清忠をこき使うけど、それは愛情からで、やっぱり大事に思ってくれていたんだと笑顔で清忠を振り返る。
清忠は目に涙を溜めて、ふるふると震えていた。
「い、一ノ瀬さんっ、俺のこと心配してくれるんですか…っ。感激ですっ。凛ちゃんっ。凛ちゃんの旦那様はほんとにかっこいいよ!俺っ、これからもずっと、一ノ瀬さんについて行きます!」
俺も清忠と一緒になって頷いて銀ちゃんを見上げる。そして、複雑な表情になって、もう一度清忠を見た。
ずっと黙って様子を見ていた宗忠さんが、呆れたように小さく息を吐いて言った。
「清忠、おまえは妖狐一族だろうが。なぜ天狗一族に服従を誓ってるんだ。おまえは将来、我が一族の上位に着く身だ。いつまでもそこの天狗に付き従うな」
「そうだよ。清だって充分強くてかっこいいんだから、しっかりしなよ。それと銀ちゃん…、あんまり清をいじめちゃダメだよっ」
「え?え?」
戸惑う清忠に、俺は深く頷いてみせる。
俺は見たんだ。清忠が銀ちゃんに忠誠を誓ってる間、にやりと意地悪く笑みを浮かべる銀ちゃんを。
清忠のことを心配したのも本当だろうけど、銀ちゃんはとことん清忠をからかうのが好きみたいだ。
未だ意味がわからなくて首をひねる清忠を放置して、銀ちゃんが俺を抱いて立ち上がる。
「すぐに倉橋の神社に行きたいところだが、一旦帰って凛を休ませる。凛は一日、監禁状態にあって疲れている。休むように言ったんだが、清忠が心配だからと無理をして会いに来たんだ」
「えっ!そうだったのっ?」
清忠がガバリと起き上がり、布団を俺に指し示した。
「俺はもう全然元気だから、凛ちゃん、ここで寝る?」
「はあ?凛をおまえの匂いが付いた布団に寝かせれるわけないだろ。凛は俺の匂いが一番落ち着くんだ。倉橋、明日に神社へ行かせてもらう。世話になるぞ」
倉橋も立ち上がると、ポケットからお札を取り出して俺の手に持たせてくれる。
「どうぞ、お待ちしてます。椹木、家に帰ったらこれを玄関に貼っとき。椹木の匂いが隠せるねん。久世先生が来ても、椹木がいることに気付かへんで」
「へぇ…っ、すごい。ありがとう、倉橋。じゃあ、明日からよろしくね。清忠も、まだゆっくり休んでるんだよ」
あの時のひどい傷が嘘みたいに、元気な清忠の姿に安堵する。俺は、清忠と倉橋に手を振ると、そっと銀ちゃんの胸に頭を寄せた。
清忠は目に涙を溜めて、ふるふると震えていた。
「い、一ノ瀬さんっ、俺のこと心配してくれるんですか…っ。感激ですっ。凛ちゃんっ。凛ちゃんの旦那様はほんとにかっこいいよ!俺っ、これからもずっと、一ノ瀬さんについて行きます!」
俺も清忠と一緒になって頷いて銀ちゃんを見上げる。そして、複雑な表情になって、もう一度清忠を見た。
ずっと黙って様子を見ていた宗忠さんが、呆れたように小さく息を吐いて言った。
「清忠、おまえは妖狐一族だろうが。なぜ天狗一族に服従を誓ってるんだ。おまえは将来、我が一族の上位に着く身だ。いつまでもそこの天狗に付き従うな」
「そうだよ。清だって充分強くてかっこいいんだから、しっかりしなよ。それと銀ちゃん…、あんまり清をいじめちゃダメだよっ」
「え?え?」
戸惑う清忠に、俺は深く頷いてみせる。
俺は見たんだ。清忠が銀ちゃんに忠誠を誓ってる間、にやりと意地悪く笑みを浮かべる銀ちゃんを。
清忠のことを心配したのも本当だろうけど、銀ちゃんはとことん清忠をからかうのが好きみたいだ。
未だ意味がわからなくて首をひねる清忠を放置して、銀ちゃんが俺を抱いて立ち上がる。
「すぐに倉橋の神社に行きたいところだが、一旦帰って凛を休ませる。凛は一日、監禁状態にあって疲れている。休むように言ったんだが、清忠が心配だからと無理をして会いに来たんだ」
「えっ!そうだったのっ?」
清忠がガバリと起き上がり、布団を俺に指し示した。
「俺はもう全然元気だから、凛ちゃん、ここで寝る?」
「はあ?凛をおまえの匂いが付いた布団に寝かせれるわけないだろ。凛は俺の匂いが一番落ち着くんだ。倉橋、明日に神社へ行かせてもらう。世話になるぞ」
倉橋も立ち上がると、ポケットからお札を取り出して俺の手に持たせてくれる。
「どうぞ、お待ちしてます。椹木、家に帰ったらこれを玄関に貼っとき。椹木の匂いが隠せるねん。久世先生が来ても、椹木がいることに気付かへんで」
「へぇ…っ、すごい。ありがとう、倉橋。じゃあ、明日からよろしくね。清忠も、まだゆっくり休んでるんだよ」
あの時のひどい傷が嘘みたいに、元気な清忠の姿に安堵する。俺は、清忠と倉橋に手を振ると、そっと銀ちゃんの胸に頭を寄せた。
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