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幸福 2
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「凛?」
銀ちゃんがとても困った顔をして、後ろから俺を覗き込む。俺は、お腹に回された腕に手を置いて、銀ちゃんに笑って見せた。
「俺さ、銀ちゃんに翼があってもなくても大好きだよ。でも、もし治せるものなら、銀色の翼が元通りになって欲しい。だって、銀ちゃんは『平気だ』って言うけど、今までずっとあった大事なものが無いのは辛いでしょ?俺は、足の傷をすぐ治してもらったけど、銀ちゃんの翼をすぐに治してあげれないし…。そもそも、本当に俺で治せるの?俺に心配させないように言ってくれてるだけじゃないの?」
「凛…、前にも言ったはずだ。俺はおまえさえいれば翼などいらないと。それに、おまえが癒してくれるというのも本当だ。まあ…何年かかるかはわからないけどな」
「でも…っ」
「お互いを思い合って良い事だ。ふむ…承知したぞ、人の子。おまえの望みを叶えてやる」
「えっ!ほんとにっ?」
思わす叫んで神使を見つめる。
「私を何だと思っている?神の使いだぞ。出来ぬことなどない。ならば人の子、しばし外に出ていろ。呼ぶまでは入って来るな」
「は、はい…」
俺は、銀ちゃんの手を強く握って頷くと、言われた通り外に出た。
中の様子が気になって仕方がなかったけど、うろうろとしながら待った。実際は、数分程度だったと思うけど、とても長く感じた。
しばらくしてギイと音を立てて扉が開き、銀ちゃんが出て来た。見た感じでは、何も変わった所はない。
「二人とも、また遊びに来るといい。私が姿を現わすかどうかはわからんがな」
神使の姿は、もうどこにも見えなくて、どこからか声だけが響いてくる。俺は社に向かって「はいっ、ありがとうございました」と言って、頭を下げた。
倉橋の神社から、俺達がいつも会っていた神社に来た。
神社の裏側に回って、俺は少しだけ銀ちゃんから距離をとる。銀ちゃんが目を閉じて大きく息を吐きながら、背中から翼を出した。
その姿に、思わず俺は、感嘆の声をあげる。
バサリと広がった翼は、とても大きく、銀色の羽根がびっしりと生え揃い、陽の光を反射してきらきらと輝いていた。
銀ちゃんがとても困った顔をして、後ろから俺を覗き込む。俺は、お腹に回された腕に手を置いて、銀ちゃんに笑って見せた。
「俺さ、銀ちゃんに翼があってもなくても大好きだよ。でも、もし治せるものなら、銀色の翼が元通りになって欲しい。だって、銀ちゃんは『平気だ』って言うけど、今までずっとあった大事なものが無いのは辛いでしょ?俺は、足の傷をすぐ治してもらったけど、銀ちゃんの翼をすぐに治してあげれないし…。そもそも、本当に俺で治せるの?俺に心配させないように言ってくれてるだけじゃないの?」
「凛…、前にも言ったはずだ。俺はおまえさえいれば翼などいらないと。それに、おまえが癒してくれるというのも本当だ。まあ…何年かかるかはわからないけどな」
「でも…っ」
「お互いを思い合って良い事だ。ふむ…承知したぞ、人の子。おまえの望みを叶えてやる」
「えっ!ほんとにっ?」
思わす叫んで神使を見つめる。
「私を何だと思っている?神の使いだぞ。出来ぬことなどない。ならば人の子、しばし外に出ていろ。呼ぶまでは入って来るな」
「は、はい…」
俺は、銀ちゃんの手を強く握って頷くと、言われた通り外に出た。
中の様子が気になって仕方がなかったけど、うろうろとしながら待った。実際は、数分程度だったと思うけど、とても長く感じた。
しばらくしてギイと音を立てて扉が開き、銀ちゃんが出て来た。見た感じでは、何も変わった所はない。
「二人とも、また遊びに来るといい。私が姿を現わすかどうかはわからんがな」
神使の姿は、もうどこにも見えなくて、どこからか声だけが響いてくる。俺は社に向かって「はいっ、ありがとうございました」と言って、頭を下げた。
倉橋の神社から、俺達がいつも会っていた神社に来た。
神社の裏側に回って、俺は少しだけ銀ちゃんから距離をとる。銀ちゃんが目を閉じて大きく息を吐きながら、背中から翼を出した。
その姿に、思わず俺は、感嘆の声をあげる。
バサリと広がった翼は、とても大きく、銀色の羽根がびっしりと生え揃い、陽の光を反射してきらきらと輝いていた。
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