5 / 5
5. もうひとつの決戦前夜
しおりを挟む
魔王直々の命により、カインはアヴェイルと共に謁見の間に来ていた。アヴェイルを後ろに控えさせ、自身もその場に跪く。
数段高くなった位置に豪奢なつくりの椅子があり、そこに美しい青年がゆったりと腰かけていた。
漆黒の髪は長く艶やかで、感情の読めない緋色の双眸が、静かに広間を見渡す。
「面を上げよ」
若々しく威厳に満ちた声がし、カインは顔を上げた。
魔族の頂点に立つ魔王は、にこやかな笑みこそ浮かべているが、畏れを抱かずにはいられない厳かな空気を纏っている。
「勇者一行を捕らえた此度の働き、実に見事であった」
「有り難きお言葉、光栄至極に存じます」
「ふ……そんなに畏まるな。立つがよい」
言われるまま、カインは立礼する。
「して、その者が勇者か?」
魔王の視線が、カインの足元に注がれる。
傷の手当をしたあと、目が覚めるまでベッドで休ませるつもりだった。だが、どうしてだか魔王は勇者にのみ興味を示し、意識のないまま広間に連れてくることになってしまった。
「斯様に幼き少女が、なんとまあ勇敢なことよ。しかし……」
魔王は、緋色の目を意味ありげに眇める。
「遠見の水晶で勇者一行のことは見ておったのだが……この娘、どこか見覚えがないか?」
カインの顔に、大きく「は?」という文字が浮かんだ。
「――いや、どうもな。私はこの娘を知っている気がするのだよ」
魔王の言葉に反応したのだろうか。
「う……ん……」
渦中の少女が小さく呻く。
細いまつ毛がゆっくりと持ち上がり、栗色の瞳を覗かせる。ぼんやりとした様子で起き上がった。
カインに見下ろされていることに気づき、
「カイン? 私、どう……」
手枷のはめられた自身の手を見て、ぱちりと瞬く。
「え……なにこれ?」
「――娘よ」
ロカは反射的に顔を上げた。魔王と目が合い、思考が一気に覚醒する。
「ままままま魔王様!?」
勢いよく立ち上がった拍子に、足に繋がれた鉄の玉がごろりと転がる。
魔王は顔をぽかんとさせ、カインは目を瞠った。
脇に控えた他の魔族たちも戸惑いを隠せず、さざ波のようなざわめきが起こる。
「わ、私ったら、名乗りもせず、とんだご無礼を……!」
ロカはあたふたと呼吸を整え、胸に手を当てる。
「わ、私は、魔王軍第三部隊所属、ロカ・シャロンメイアと申します! どうぞお見知りおきください!」
予想だにしなかった名乗りに、魔王は虚をつかれた顔をした。意味を理解するや否や、盛大に吹き出す。
「なんと、そなた、我が軍の者か!? 真であれば、カインハルト、そなたの部下ではないか!!」
魔王が腹を抱えて笑う中、カインはなりふり構わず突っ込んだ。
「いや、まてまてまて!! お前が俺の部下だと!?」
ロカが「へ?」と小首を傾げる。
分かっていない様子のロカに、カインは捲し立てた。
「だから、俺は、魔王軍総指揮、カインハルトなんだよ!」
「カイン……ハル…………。はぁぁぁぁ!? なんで、カインハルト様が呑気に勇者と旅して!?」
「それは俺のセリフだ! なんで魔族のお前が、勇者を名乗って旅してんだよ!?」
「そ、それはー……」
ロカは言い淀み、ちらりと魔王を見る。
視線を感じた魔王が緋色の目をぱちりとさせ、ロカは頬を赤らめた。
「その……魔王様に……認めて……いただきたくて……。勇者を名乗っていれば、人間の中でも優秀な人材が集まってくるかなって。そこをまとめて叩けば、人間の戦力を一気に削げるかなって……思って……」
計画の全容を明らかにしたロカに、魔王は「ほう」と感心の声を洩らす。
ロカが勇者を名乗ったお陰で、魔法使いベルと賢者ミカエルを牢に捕えることができた。彼らは魔族に太刀打ちできる、数少ない人間に違いなかった。
「って、カインハルト様!」
ロカが食らいつくような目で、カインに迫る。
「私を騙してたってことですよね!? 酷くないですか!? 一番魔族の驚異になりそうだったから攻撃したのに、魔族でしかも上司だったなんて! てか、部下の顔くらい把握しておいてください! 私のこと分からなかったなんて、最低な上司ですよね!?」
「お、おま……上司に向かって……」
ロカの怒涛の非難に顔を引きつらせるが、
「いやまてまてまて! お前こそ、上司の顔くらい把握してろよな!?」
「だって!!」
ロカは涙目で言い返す。
「私みたいな平兵士からしたら、カインハルト様のお顔なんて、いつも遠くにちっちゃくしか見えなかったし!」
「そ……それを言うなら俺だって、お前の顔は豆粒程度にしか見えなかったってことだよな!?」
ぐ……とロカが押し黙ったところで、魔王が頬杖をつきながら、呆れた顔をする。
「そなたらは、ここに何をしに来たのだ? 痴話喧嘩か?」
最後の言葉に、ロカが異様な反応を示した。
「ち、痴話喧嘩だなんてそんな! 私がお慕いしているのは魔王様だけです!」
突然の告白に、魔王が目を丸くした。
カインが「はぁ!?」と牙をむく。
「ロカは、俺を好いてくれているものとばかり!?」
「え、急になんですか……」
ロカは胡散臭そうに上司を見る。
「俺は、全てを明かしたあと言うつもりだったんだ。お前が人間でも構わないから、俺と一緒になってほしいと」
これまた突然の愛の告白に、ロカはきょとんと見返し、みるみる顔を赤くさせた。
「わ、私にとって、カイン……カインハルト様は、頼れるお兄さんみたいな存在で……」
成り行きを静かに見守っていたアヴェイルが、冷静に評する。
「脈なしランキング、一位の返しですね。心中お察し致します、我が君」
「ぬあ!?」
アヴェイルの言葉に、カインは傷ついた。
「そ、それに!」
ロカが続ける。
「私はずっと以前から、魔王様のことを……」
ロカが特徴的な栗色の瞳を潤ませると、魔王は顎に手を添えた。
「ん、そなた……? もしや、私の千五十回目の生誕祭の折、城で迷子になっておった……」
「お、覚えていてくださったのですか!?」
ロカが感極まった声を上げた。
「おお、やはりそうか。どおりで見覚えがあったはずだ」
くすぶっていた謎が解け、魔王は満足そうに笑った。
ロカは今にも泣きそうな顔になる。
今でも鮮明に思い出せる。
両親に連れられて参加した魔王の生誕祭。見るもの全てが珍しくてはしゃいでいると、両親とはぐれてしまった。そこへ……
『どうした、娘。迷子か?』
魔王が通りかかり、泣きじゃくるロカに優しく声をかけてくれた。
「私のこと、覚えていてくださったなんて、何処かの上司様とは大違……」
「まだ言うか」
カインがげっそりした顔をすると、
「おお、そうだ」
魔王は妙案が思いついたとばかりに、声を弾ませた。
「実はな、私の秘書官がひとり辞めてしまってな。代わりを探そうと思っていたところだったのだ。ロカよ、興味はないか? 此度の働きの報酬にと思うのだが――」
「お、俺の秘書官の座も空いているぞ!?」
カインの参謀を務めるアヴェイルが、後ろでため息を落とす。
「空いているというか、私が有能すぎて元々雇っておられないでしょう。私はひとりでも問題な」
「お前は黙ってろ!!」
「……。悪いことは言いません。こんな上司の下でなど働かない方が良いですよ」
「おい」
まるでコントのようなやりとりに、魔王は愉快そうに笑った。
これは久々に楽しめそうだと、口許に妖艶な笑みを浮かべる。
「では、こうしてはどうだ? 戦って勝った者が、ロカを秘書官とする」
カインは身分というしがらみをかなぐり捨て、挑むような目を魔王に向けた。
この想いは、誰であろうが譲れない。
「魔王様、お相手願います」
「よいぞよいぞ。そなたの相手をするのは、何百年ぶりになろうか」
魔王は、カインを魔王軍総指揮に任じた日のことを思い出していた。
おろおろとするロカをおいて、盛大な催しになるであろう、試合の日時が決まる。
今宵はカインにとって、魔王討伐前夜となりそうだった。
勝てれば、の話だが――……
~fin.~
数段高くなった位置に豪奢なつくりの椅子があり、そこに美しい青年がゆったりと腰かけていた。
漆黒の髪は長く艶やかで、感情の読めない緋色の双眸が、静かに広間を見渡す。
「面を上げよ」
若々しく威厳に満ちた声がし、カインは顔を上げた。
魔族の頂点に立つ魔王は、にこやかな笑みこそ浮かべているが、畏れを抱かずにはいられない厳かな空気を纏っている。
「勇者一行を捕らえた此度の働き、実に見事であった」
「有り難きお言葉、光栄至極に存じます」
「ふ……そんなに畏まるな。立つがよい」
言われるまま、カインは立礼する。
「して、その者が勇者か?」
魔王の視線が、カインの足元に注がれる。
傷の手当をしたあと、目が覚めるまでベッドで休ませるつもりだった。だが、どうしてだか魔王は勇者にのみ興味を示し、意識のないまま広間に連れてくることになってしまった。
「斯様に幼き少女が、なんとまあ勇敢なことよ。しかし……」
魔王は、緋色の目を意味ありげに眇める。
「遠見の水晶で勇者一行のことは見ておったのだが……この娘、どこか見覚えがないか?」
カインの顔に、大きく「は?」という文字が浮かんだ。
「――いや、どうもな。私はこの娘を知っている気がするのだよ」
魔王の言葉に反応したのだろうか。
「う……ん……」
渦中の少女が小さく呻く。
細いまつ毛がゆっくりと持ち上がり、栗色の瞳を覗かせる。ぼんやりとした様子で起き上がった。
カインに見下ろされていることに気づき、
「カイン? 私、どう……」
手枷のはめられた自身の手を見て、ぱちりと瞬く。
「え……なにこれ?」
「――娘よ」
ロカは反射的に顔を上げた。魔王と目が合い、思考が一気に覚醒する。
「ままままま魔王様!?」
勢いよく立ち上がった拍子に、足に繋がれた鉄の玉がごろりと転がる。
魔王は顔をぽかんとさせ、カインは目を瞠った。
脇に控えた他の魔族たちも戸惑いを隠せず、さざ波のようなざわめきが起こる。
「わ、私ったら、名乗りもせず、とんだご無礼を……!」
ロカはあたふたと呼吸を整え、胸に手を当てる。
「わ、私は、魔王軍第三部隊所属、ロカ・シャロンメイアと申します! どうぞお見知りおきください!」
予想だにしなかった名乗りに、魔王は虚をつかれた顔をした。意味を理解するや否や、盛大に吹き出す。
「なんと、そなた、我が軍の者か!? 真であれば、カインハルト、そなたの部下ではないか!!」
魔王が腹を抱えて笑う中、カインはなりふり構わず突っ込んだ。
「いや、まてまてまて!! お前が俺の部下だと!?」
ロカが「へ?」と小首を傾げる。
分かっていない様子のロカに、カインは捲し立てた。
「だから、俺は、魔王軍総指揮、カインハルトなんだよ!」
「カイン……ハル…………。はぁぁぁぁ!? なんで、カインハルト様が呑気に勇者と旅して!?」
「それは俺のセリフだ! なんで魔族のお前が、勇者を名乗って旅してんだよ!?」
「そ、それはー……」
ロカは言い淀み、ちらりと魔王を見る。
視線を感じた魔王が緋色の目をぱちりとさせ、ロカは頬を赤らめた。
「その……魔王様に……認めて……いただきたくて……。勇者を名乗っていれば、人間の中でも優秀な人材が集まってくるかなって。そこをまとめて叩けば、人間の戦力を一気に削げるかなって……思って……」
計画の全容を明らかにしたロカに、魔王は「ほう」と感心の声を洩らす。
ロカが勇者を名乗ったお陰で、魔法使いベルと賢者ミカエルを牢に捕えることができた。彼らは魔族に太刀打ちできる、数少ない人間に違いなかった。
「って、カインハルト様!」
ロカが食らいつくような目で、カインに迫る。
「私を騙してたってことですよね!? 酷くないですか!? 一番魔族の驚異になりそうだったから攻撃したのに、魔族でしかも上司だったなんて! てか、部下の顔くらい把握しておいてください! 私のこと分からなかったなんて、最低な上司ですよね!?」
「お、おま……上司に向かって……」
ロカの怒涛の非難に顔を引きつらせるが、
「いやまてまてまて! お前こそ、上司の顔くらい把握してろよな!?」
「だって!!」
ロカは涙目で言い返す。
「私みたいな平兵士からしたら、カインハルト様のお顔なんて、いつも遠くにちっちゃくしか見えなかったし!」
「そ……それを言うなら俺だって、お前の顔は豆粒程度にしか見えなかったってことだよな!?」
ぐ……とロカが押し黙ったところで、魔王が頬杖をつきながら、呆れた顔をする。
「そなたらは、ここに何をしに来たのだ? 痴話喧嘩か?」
最後の言葉に、ロカが異様な反応を示した。
「ち、痴話喧嘩だなんてそんな! 私がお慕いしているのは魔王様だけです!」
突然の告白に、魔王が目を丸くした。
カインが「はぁ!?」と牙をむく。
「ロカは、俺を好いてくれているものとばかり!?」
「え、急になんですか……」
ロカは胡散臭そうに上司を見る。
「俺は、全てを明かしたあと言うつもりだったんだ。お前が人間でも構わないから、俺と一緒になってほしいと」
これまた突然の愛の告白に、ロカはきょとんと見返し、みるみる顔を赤くさせた。
「わ、私にとって、カイン……カインハルト様は、頼れるお兄さんみたいな存在で……」
成り行きを静かに見守っていたアヴェイルが、冷静に評する。
「脈なしランキング、一位の返しですね。心中お察し致します、我が君」
「ぬあ!?」
アヴェイルの言葉に、カインは傷ついた。
「そ、それに!」
ロカが続ける。
「私はずっと以前から、魔王様のことを……」
ロカが特徴的な栗色の瞳を潤ませると、魔王は顎に手を添えた。
「ん、そなた……? もしや、私の千五十回目の生誕祭の折、城で迷子になっておった……」
「お、覚えていてくださったのですか!?」
ロカが感極まった声を上げた。
「おお、やはりそうか。どおりで見覚えがあったはずだ」
くすぶっていた謎が解け、魔王は満足そうに笑った。
ロカは今にも泣きそうな顔になる。
今でも鮮明に思い出せる。
両親に連れられて参加した魔王の生誕祭。見るもの全てが珍しくてはしゃいでいると、両親とはぐれてしまった。そこへ……
『どうした、娘。迷子か?』
魔王が通りかかり、泣きじゃくるロカに優しく声をかけてくれた。
「私のこと、覚えていてくださったなんて、何処かの上司様とは大違……」
「まだ言うか」
カインがげっそりした顔をすると、
「おお、そうだ」
魔王は妙案が思いついたとばかりに、声を弾ませた。
「実はな、私の秘書官がひとり辞めてしまってな。代わりを探そうと思っていたところだったのだ。ロカよ、興味はないか? 此度の働きの報酬にと思うのだが――」
「お、俺の秘書官の座も空いているぞ!?」
カインの参謀を務めるアヴェイルが、後ろでため息を落とす。
「空いているというか、私が有能すぎて元々雇っておられないでしょう。私はひとりでも問題な」
「お前は黙ってろ!!」
「……。悪いことは言いません。こんな上司の下でなど働かない方が良いですよ」
「おい」
まるでコントのようなやりとりに、魔王は愉快そうに笑った。
これは久々に楽しめそうだと、口許に妖艶な笑みを浮かべる。
「では、こうしてはどうだ? 戦って勝った者が、ロカを秘書官とする」
カインは身分というしがらみをかなぐり捨て、挑むような目を魔王に向けた。
この想いは、誰であろうが譲れない。
「魔王様、お相手願います」
「よいぞよいぞ。そなたの相手をするのは、何百年ぶりになろうか」
魔王は、カインを魔王軍総指揮に任じた日のことを思い出していた。
おろおろとするロカをおいて、盛大な催しになるであろう、試合の日時が決まる。
今宵はカインにとって、魔王討伐前夜となりそうだった。
勝てれば、の話だが――……
~fin.~
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
『ラズーン』第六部
segakiyui
ファンタジー
統合府ラズーンの招聘を受けた小国セレドの皇女ユーノは、美貌の付き人アシャに支えられ、ラズーンに辿り着いたが、アシャはラズーンの『第一正統後継者』であり、世界は遥か昔の装置が生み出したものであり、しかも今は『運命(リマイン)』と呼ばれる異形の者達に脅かされていると知る。故国を守るため、引いては姉の想い人と思い込んでいる愛しいアシャを守るため、ぶつかり始めたラズーンと『運命(リマイン)』の決戦に赴くユーノは、アシャが自分を愛していることを知らない。アシャもまた、ユーノを守る誓いのために想いを告げることができない。2人の想いが重なり合うことはあるのか。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
魔術学院の最強剣士 〜初級魔術すら使えない無能と蔑まれましたが、剣を使えば世界最強なので問題ありません。というか既に世界を一つ救っています〜
八又ナガト
ファンタジー
魔術師としての実力で全ての地位が決まる世界で、才能がなく落ちこぼれとして扱われていたルーク。
しかしルークは異世界に召喚されたことをきっかけに、自らに剣士としての才能があることを知り、修練の末に人類最強の力を手に入れる。
魔王討伐後、契約に従い元の世界に帰還したルーク。
そこで彼はAランク魔物を棒切れ一つで両断したり、国内最強のSランク冒険者から師事されたり、騎士団相手に剣一つで無双したりなど、数々の名声を上げていく。
かつて落ちこぼれと蔑まれたルークは、その圧倒的な実力で最下層から成り上がっていく。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる