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15. 私は、欲しいものは必ず手に入れます。
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目的地を訊いても教えてくれないので、柚姫はチトセの手に引かれるまま歩いた。
それにしても、何処を見ても人の山。
お店から聞こえてくる大音量の音楽や、客引きの声。車の走る音。
夕方と言ってもまだ明るいのに、電飾をぴかぴかさせた建物が並んでいて、この雰囲気はあまり好きになれないな、と思う。
きょろきょろと辺りを見まわす柚姫を見て、チトセが控えめに笑う。
「都会の喧騒は嫌いですか?」
「そうですね……。ちょっと苦手です」
「私もです。いつから、こんなに煩くなったのでしょうね?」
そう言って、心底、煩わしそうに眉根を寄せたチトセは、ふしぎと外見以上の長い年月を感じさせた。
「どうかしましたか?」
「あっ、いえ……」
視線が合い、柚姫は慌てて前を向いた。
それから暫く歩いたのち、チトセはとある建物の前で足を止めた。
周りの建物よりも背が高いというほかは、特に変わった点はない。
チトセがノブに手をかけると、扉は軋みながらもすんなりと開いた。
チトセに促されるまま、柚姫も建物の中へと、おそるおそる足を踏み入れる。
「お邪魔しま~す……」
チトセがくすりと笑う。
「誰もいませんよ。ここは、使われなくなって久しいですから」
「あっ、そうなんですか……」
そういえば、おもてに字が削れて読めなくなった看板がかかっていた。昔は事務所か何かが入っていたのだろう。
何でこんな処に……。
そう思っていると、エレベーターは止まっているようなので、奥にある非常階段へと案内された。
十数階ほど登り、ようやく屋上へ続く階段が姿を現す。
その先にある錆びついた鉄の扉を開けて、二人は屋上へでた。
「……っ」
夏の空を近くに感じ、柚姫は目を眇めた。
四方を鉄の柵に囲まれた屋上は、思ったよりも広く、開放的だ。
昼間よりも幾分か夏の暑さが引き始め、街中の圧迫した空気は微塵も感じられず、ときおり吹いてくる風が心地いい。
鉄柵から身を乗り出すと、行き交う人々や車が小さく見え、地上の喧騒が遠くに感じられる。
「ここは、この辺りでは一番高い場所です」
いつの間にか、柚姫のすぐ隣にチトセが立っていた。鉄柵に手をつき、同じように街を見下ろしている。
「こうして眺めていると、全てのしがらみから、解放されたような気になりませんか?」
チトセがすっと顔を寄せてきたので、柚姫は慌てて距離を取り、指差した。
「あ、あの建物、今日行った映画館ですよね!? 映画、すごく楽しかったです!」
言ってから、柚姫はしまったと思う。
映画談議ならもうとっくに済ませたというのに、今更映画の話題はない……。
きっと、チトセは柚姫の心中などお見とおしだ。気を悪くされても仕方ない。
それなのに、
「最後は、彼女も吸血鬼になってしまいましたね」
チトセは、柚姫の話題に快く乗ってくれた。その気遣いに感謝し、柚姫はすぐに話を繋いだ。
「それは、ちょっと意外でした」
「意外?」
映画の内容は、冷酷な吸血鬼に見初められたヒロインが若い神父に助けを求めるが、吸血鬼の深い孤独に触れているうちにやがてその吸血鬼と恋に落ちる……というものだった。
最後は吸血鬼に血を捧げたヒロインも同じ夜を生きる吸血鬼となり、永遠の愛を手にするのだ。
「私は、マチルダは神父と結ばれると思ってました」
なるほど、とチトセは言う。
「たしかに、ミカエルもマチルダのことが好きでしたね。けれど、彼女が選んだのは人間ではなく、吸血鬼であるナイトレイだった」
「はい。でも、まさか彼女が吸血鬼になるなんて思いませんでした」
「どうして?」
チトセは興味を引かれたように訊いた。
「えっと……私が前に見た吸血鬼映画では、人間のまま吸血鬼と結ばれてましたし、吸血鬼になって一緒になる……という展開は初めて見ました」
くす、とチトセが小さく笑う。
「吸血鬼と一緒になるために片方が吸血鬼になる……という展開の作品はほかにもありますよ」
「えっ、そうなんですか? チトセさん、吸血鬼映画に詳しいんですか?」
「そうですね。ほとんどすべての作品を視聴しました」
柚姫は目を丸くした。
「す、すごいですね……」
「暇を持てあましていただけです。それに、好きなんです。吸血鬼がどういう風に描かれるのかを見るのが」
「はぁ……」
ふしぎなもの言いに、返事に困ってしまう。
「柚姫は人間が吸血鬼になることについて、どう思いますか?」
「どう?」
突飛な質問に、柚姫は首を傾げた。
「そう……例えば、自分に置き換えたらいかがですか?」
「それは、私が吸血鬼になったら……ってことですか?」
「はい」
チトセは鉄柵に頬杖をついたまま、顔だけ柚姫へとむけた。
……私が吸血鬼に? そんなこと、考えたこともないけど……。
――吸われただけでは吸血鬼になることはない。
そういえば、以前、トワはそんなことを言っていた。
あのときは深く考えなかったけれど、あれは人間を吸血鬼にする方法もあるという意味だろうか?
今日観た映画では、血を吸われただけで吸血鬼になっていたけれど……。
ぐるぐる考えていると、横からくすくすと笑い声が聞こえてきた。
「すみません。どうやら、少々困らせてしまったようですね」
「えっ? あっ……」
柚姫は長い間、黙考していたことに気づく。
「ご、ごめんなさい! ずっと黙っちゃって……」
「いえ、それだけ私の質問を真剣に考えてくれた……ということですよね? むしろ嬉しいです」
柚姫は瞬いた。
気を遣ってくれてるんだ……。
「チトセさんは、優しいですね」
ときおり感じた冷たい気配。あれは気のせいだったのかもしれない。
優しい笑みを見て、柚姫はそう口にしたが、
「優しい、ですか」
チトセは静かに微笑むと、瞳の色を濃くした。
「それは下心があるからですよ」
「えっ」
下心?
紳士的な外見からは想像もつかない言葉の登場に、一瞬聞き間違いかと思う。
しかし、チトセは追い打ちをかけるようにつけ足した。
「冗談ではありませんよ。言葉のとおりです」
「えっ、あの。チトセ……さん?」
戸惑う柚姫を見て、チトセは口元に手を当てて、くすくすと笑う。
「失礼。どうやら、また私はあなたを困らせているようですね」
何と答えていいのか分からずおろおろする柚姫に、チトセは悪びれるどころか少し楽しそうに言う。
「そうそう、あれはお口に合いましたか?」
急に話題を変えられ、一瞬何のことか分からずにぽかんとするが、すぐに思い当たる。
チトセからもらった菓子折……ニンニク味の煎餅は結局、柚姫が一人で平らげた。
「あ、その節はありがとうございました」
堅苦しいもの言いに、チトセは軽く吹き出す。
「そんなに、あらたまらないでください。あれは、ほんの挨拶です。あなたを独り占めしている彼への……ね」
「彼?」
チトセはただ意味深な笑みを浮かべただけで、柚姫の問いには答えなかった。
「最近はどこも騒々しくて、なかなか心を落ち着かせる場所がないのですが、ここは数少ない落ち着くことのできる場所です。誰かを連れて来たのは初めてですが」
静かに街を見つめる横顔は、少し淋しそうに見えた。
「そんな大切な場所に私なんかが来ちゃって……」
「いいですよ」
チトセは柚姫の言葉を遮ると、優しく微笑んだ。
「私が連れて来たいと思ったんです」
「あ……ありがとうございます」
素直な反応に、チトセは満足そうにする。
「夜はもっと綺麗ですよ。今は煩わしいとさえ感じる電飾の光が、失われた星々の輝きのように、夜の闇の中ではきらきらと瞬いて」
柚姫は、ここから見える夜景を想像した。
闇の中で明滅する光。
「きっと綺麗なんでしょうね」
言ってから、柚姫ははっとなる。
チトセの顔をおそるおそる見上げた。……目が合う。
「そのうち、夜にお連れしますよ」
このまま夜まで一緒にいませんか、と言われるのではないかと不安に思ったから、その言葉は意外に思えた。
「どうしました?」
「あっ。いえ」
柚姫は平静を装うが、チトセを誤魔化すことはできなかった。
「ふふ。このまま夜まで一緒にいたいですか?」
「ち、違います!」
柚姫の反応を予想していたらしいチトセは、苦笑する。
「……そんなにはっきり否定されると、少し傷つきますが。でも、そうですね。まだ駄目です。夜は、ね」
柚姫は目を瞬かせる。
駄目? 夜が……?
言われた意味を考えていると、チトセは少しだけ目を細めて、静かに微笑んだ。
「何でもありません。ですが、先ほど言ったことは本当です」
「えっ? あ――」
戸惑う間もなく、チトセは柚姫の顎に手を添えると、自分を見るように上向かせた。
「あなたのことが気に入った、と言ってるんです」
「チトセさ……」
「あなたのことが好きです」
柚姫は身をよじるが、思いのほか強い力で阻まれ、視線を逸らすことができない。
まるで、逆らうことは許さないとでも言うように、チトセの瞳は妖艶さを増していく。
「これだけは覚えておいてください。私は、欲しいものは必ず手に入れます」
柚姫の顎から手を離すと、チトセは背をむけて扉へと歩き出す。
そして屋上の中ほどで足を止めた。
「そろそろ、戻りましょうか?」
振り返りざまに見せた顔は、穏やかに笑っていた。
それにしても、何処を見ても人の山。
お店から聞こえてくる大音量の音楽や、客引きの声。車の走る音。
夕方と言ってもまだ明るいのに、電飾をぴかぴかさせた建物が並んでいて、この雰囲気はあまり好きになれないな、と思う。
きょろきょろと辺りを見まわす柚姫を見て、チトセが控えめに笑う。
「都会の喧騒は嫌いですか?」
「そうですね……。ちょっと苦手です」
「私もです。いつから、こんなに煩くなったのでしょうね?」
そう言って、心底、煩わしそうに眉根を寄せたチトセは、ふしぎと外見以上の長い年月を感じさせた。
「どうかしましたか?」
「あっ、いえ……」
視線が合い、柚姫は慌てて前を向いた。
それから暫く歩いたのち、チトセはとある建物の前で足を止めた。
周りの建物よりも背が高いというほかは、特に変わった点はない。
チトセがノブに手をかけると、扉は軋みながらもすんなりと開いた。
チトセに促されるまま、柚姫も建物の中へと、おそるおそる足を踏み入れる。
「お邪魔しま~す……」
チトセがくすりと笑う。
「誰もいませんよ。ここは、使われなくなって久しいですから」
「あっ、そうなんですか……」
そういえば、おもてに字が削れて読めなくなった看板がかかっていた。昔は事務所か何かが入っていたのだろう。
何でこんな処に……。
そう思っていると、エレベーターは止まっているようなので、奥にある非常階段へと案内された。
十数階ほど登り、ようやく屋上へ続く階段が姿を現す。
その先にある錆びついた鉄の扉を開けて、二人は屋上へでた。
「……っ」
夏の空を近くに感じ、柚姫は目を眇めた。
四方を鉄の柵に囲まれた屋上は、思ったよりも広く、開放的だ。
昼間よりも幾分か夏の暑さが引き始め、街中の圧迫した空気は微塵も感じられず、ときおり吹いてくる風が心地いい。
鉄柵から身を乗り出すと、行き交う人々や車が小さく見え、地上の喧騒が遠くに感じられる。
「ここは、この辺りでは一番高い場所です」
いつの間にか、柚姫のすぐ隣にチトセが立っていた。鉄柵に手をつき、同じように街を見下ろしている。
「こうして眺めていると、全てのしがらみから、解放されたような気になりませんか?」
チトセがすっと顔を寄せてきたので、柚姫は慌てて距離を取り、指差した。
「あ、あの建物、今日行った映画館ですよね!? 映画、すごく楽しかったです!」
言ってから、柚姫はしまったと思う。
映画談議ならもうとっくに済ませたというのに、今更映画の話題はない……。
きっと、チトセは柚姫の心中などお見とおしだ。気を悪くされても仕方ない。
それなのに、
「最後は、彼女も吸血鬼になってしまいましたね」
チトセは、柚姫の話題に快く乗ってくれた。その気遣いに感謝し、柚姫はすぐに話を繋いだ。
「それは、ちょっと意外でした」
「意外?」
映画の内容は、冷酷な吸血鬼に見初められたヒロインが若い神父に助けを求めるが、吸血鬼の深い孤独に触れているうちにやがてその吸血鬼と恋に落ちる……というものだった。
最後は吸血鬼に血を捧げたヒロインも同じ夜を生きる吸血鬼となり、永遠の愛を手にするのだ。
「私は、マチルダは神父と結ばれると思ってました」
なるほど、とチトセは言う。
「たしかに、ミカエルもマチルダのことが好きでしたね。けれど、彼女が選んだのは人間ではなく、吸血鬼であるナイトレイだった」
「はい。でも、まさか彼女が吸血鬼になるなんて思いませんでした」
「どうして?」
チトセは興味を引かれたように訊いた。
「えっと……私が前に見た吸血鬼映画では、人間のまま吸血鬼と結ばれてましたし、吸血鬼になって一緒になる……という展開は初めて見ました」
くす、とチトセが小さく笑う。
「吸血鬼と一緒になるために片方が吸血鬼になる……という展開の作品はほかにもありますよ」
「えっ、そうなんですか? チトセさん、吸血鬼映画に詳しいんですか?」
「そうですね。ほとんどすべての作品を視聴しました」
柚姫は目を丸くした。
「す、すごいですね……」
「暇を持てあましていただけです。それに、好きなんです。吸血鬼がどういう風に描かれるのかを見るのが」
「はぁ……」
ふしぎなもの言いに、返事に困ってしまう。
「柚姫は人間が吸血鬼になることについて、どう思いますか?」
「どう?」
突飛な質問に、柚姫は首を傾げた。
「そう……例えば、自分に置き換えたらいかがですか?」
「それは、私が吸血鬼になったら……ってことですか?」
「はい」
チトセは鉄柵に頬杖をついたまま、顔だけ柚姫へとむけた。
……私が吸血鬼に? そんなこと、考えたこともないけど……。
――吸われただけでは吸血鬼になることはない。
そういえば、以前、トワはそんなことを言っていた。
あのときは深く考えなかったけれど、あれは人間を吸血鬼にする方法もあるという意味だろうか?
今日観た映画では、血を吸われただけで吸血鬼になっていたけれど……。
ぐるぐる考えていると、横からくすくすと笑い声が聞こえてきた。
「すみません。どうやら、少々困らせてしまったようですね」
「えっ? あっ……」
柚姫は長い間、黙考していたことに気づく。
「ご、ごめんなさい! ずっと黙っちゃって……」
「いえ、それだけ私の質問を真剣に考えてくれた……ということですよね? むしろ嬉しいです」
柚姫は瞬いた。
気を遣ってくれてるんだ……。
「チトセさんは、優しいですね」
ときおり感じた冷たい気配。あれは気のせいだったのかもしれない。
優しい笑みを見て、柚姫はそう口にしたが、
「優しい、ですか」
チトセは静かに微笑むと、瞳の色を濃くした。
「それは下心があるからですよ」
「えっ」
下心?
紳士的な外見からは想像もつかない言葉の登場に、一瞬聞き間違いかと思う。
しかし、チトセは追い打ちをかけるようにつけ足した。
「冗談ではありませんよ。言葉のとおりです」
「えっ、あの。チトセ……さん?」
戸惑う柚姫を見て、チトセは口元に手を当てて、くすくすと笑う。
「失礼。どうやら、また私はあなたを困らせているようですね」
何と答えていいのか分からずおろおろする柚姫に、チトセは悪びれるどころか少し楽しそうに言う。
「そうそう、あれはお口に合いましたか?」
急に話題を変えられ、一瞬何のことか分からずにぽかんとするが、すぐに思い当たる。
チトセからもらった菓子折……ニンニク味の煎餅は結局、柚姫が一人で平らげた。
「あ、その節はありがとうございました」
堅苦しいもの言いに、チトセは軽く吹き出す。
「そんなに、あらたまらないでください。あれは、ほんの挨拶です。あなたを独り占めしている彼への……ね」
「彼?」
チトセはただ意味深な笑みを浮かべただけで、柚姫の問いには答えなかった。
「最近はどこも騒々しくて、なかなか心を落ち着かせる場所がないのですが、ここは数少ない落ち着くことのできる場所です。誰かを連れて来たのは初めてですが」
静かに街を見つめる横顔は、少し淋しそうに見えた。
「そんな大切な場所に私なんかが来ちゃって……」
「いいですよ」
チトセは柚姫の言葉を遮ると、優しく微笑んだ。
「私が連れて来たいと思ったんです」
「あ……ありがとうございます」
素直な反応に、チトセは満足そうにする。
「夜はもっと綺麗ですよ。今は煩わしいとさえ感じる電飾の光が、失われた星々の輝きのように、夜の闇の中ではきらきらと瞬いて」
柚姫は、ここから見える夜景を想像した。
闇の中で明滅する光。
「きっと綺麗なんでしょうね」
言ってから、柚姫ははっとなる。
チトセの顔をおそるおそる見上げた。……目が合う。
「そのうち、夜にお連れしますよ」
このまま夜まで一緒にいませんか、と言われるのではないかと不安に思ったから、その言葉は意外に思えた。
「どうしました?」
「あっ。いえ」
柚姫は平静を装うが、チトセを誤魔化すことはできなかった。
「ふふ。このまま夜まで一緒にいたいですか?」
「ち、違います!」
柚姫の反応を予想していたらしいチトセは、苦笑する。
「……そんなにはっきり否定されると、少し傷つきますが。でも、そうですね。まだ駄目です。夜は、ね」
柚姫は目を瞬かせる。
駄目? 夜が……?
言われた意味を考えていると、チトセは少しだけ目を細めて、静かに微笑んだ。
「何でもありません。ですが、先ほど言ったことは本当です」
「えっ? あ――」
戸惑う間もなく、チトセは柚姫の顎に手を添えると、自分を見るように上向かせた。
「あなたのことが気に入った、と言ってるんです」
「チトセさ……」
「あなたのことが好きです」
柚姫は身をよじるが、思いのほか強い力で阻まれ、視線を逸らすことができない。
まるで、逆らうことは許さないとでも言うように、チトセの瞳は妖艶さを増していく。
「これだけは覚えておいてください。私は、欲しいものは必ず手に入れます」
柚姫の顎から手を離すと、チトセは背をむけて扉へと歩き出す。
そして屋上の中ほどで足を止めた。
「そろそろ、戻りましょうか?」
振り返りざまに見せた顔は、穏やかに笑っていた。
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