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そんなのってアリ?!
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─── ロッタが陛下と夜伽(未遂)をして、3ヶ月が経過した。
ゴーン、ゴーンと教会から祝いの鐘が鳴り響く。
きんとした真冬の空気はとても澄んでいる。そのせいで、とても良く響く。しかも王都中の教会で打ち鳴らしてくれるのだ。
今日も、昨日も、一昨日も。そしてきっと明日も鳴り続けるのだろう。もはやこれは、騒音と言っても過言ではない。
きっと王都中の人間がそう思っているだろう。けれど口に出すことはしない、できない。
なぜなら王妃マルガリータが身籠ったからだ。嫁して8年目でやっと。
だから王都中がお祝いモードになるのは仕方無い。騒音だって、福音として受け止めなければならない。
なのだが、今日も今日とて庭掃除をするロッタの心境は複雑だった。
「いや、まさかねぇー……」
ロッタはゴミなど一つも落ちていない庭園の石畳を、せっせとホウキで掃きながら呟いた。
メイドは、真冬でも勤務中はコートを羽織ることを禁じられている。
だから暖を取る為には、せっせと身体を動かさなければならない。
でも真冬の庭園は閑散としているので、口を動かしても咎められることは無い。
ある意味絶好のサボり場所なのだが、今の季節、好き好んでここの掃除をやりたいと思うメイドはいない。
言わなくても良いかもしれないが、現在もロッタが王宮でメイドをしているということは、彼女を取り巻く環境に変化が無いということ。
純潔は守られた。己の命も守られた。遠方に住む両親も弟も健在だし、幼馴染の首も胴体にちゃんとくっついている。
でも、ロッタは微妙な顔つきのまま、鐘の音に耳を澄ます。
なぜなら、昨年の晩秋。王妃に一泡吹かせたいと意気込んでいたけれど、こんな展開になるとは思ってもみなかったから。
アサギがロッタに与えた策は、なかなかエグイものだった。
毎夜毎夜、愛する夫から自分が嫌がる行為で抱かれるというもの。
しかもそれが雑草と同等だと思っていたメイドの入れ知恵なのだから、歯ぎしりせんばかりだろう。
でもそれを言えないようにしたのだから、きっと王妃は人知れず屈辱感で顔を歪めたはずだ。
とはいえ、結果としてロッタは人助けをしたことになる。
不能だった陛下の男性機能を回復させ、石女王妃の名を返上させることができたのだから。
ただなんでだろう。こんなにもやっとするのは……。
ロッタはホウキを握りながら、うんうんと唸ってみる。
そんなふうに自問自答を繰り返すロッタは、本日もまた背後から忍び寄る陰に気付くことができなかった。
ゴーン、ゴーンと教会から祝いの鐘が鳴り響く。
きんとした真冬の空気はとても澄んでいる。そのせいで、とても良く響く。しかも王都中の教会で打ち鳴らしてくれるのだ。
今日も、昨日も、一昨日も。そしてきっと明日も鳴り続けるのだろう。もはやこれは、騒音と言っても過言ではない。
きっと王都中の人間がそう思っているだろう。けれど口に出すことはしない、できない。
なぜなら王妃マルガリータが身籠ったからだ。嫁して8年目でやっと。
だから王都中がお祝いモードになるのは仕方無い。騒音だって、福音として受け止めなければならない。
なのだが、今日も今日とて庭掃除をするロッタの心境は複雑だった。
「いや、まさかねぇー……」
ロッタはゴミなど一つも落ちていない庭園の石畳を、せっせとホウキで掃きながら呟いた。
メイドは、真冬でも勤務中はコートを羽織ることを禁じられている。
だから暖を取る為には、せっせと身体を動かさなければならない。
でも真冬の庭園は閑散としているので、口を動かしても咎められることは無い。
ある意味絶好のサボり場所なのだが、今の季節、好き好んでここの掃除をやりたいと思うメイドはいない。
言わなくても良いかもしれないが、現在もロッタが王宮でメイドをしているということは、彼女を取り巻く環境に変化が無いということ。
純潔は守られた。己の命も守られた。遠方に住む両親も弟も健在だし、幼馴染の首も胴体にちゃんとくっついている。
でも、ロッタは微妙な顔つきのまま、鐘の音に耳を澄ます。
なぜなら、昨年の晩秋。王妃に一泡吹かせたいと意気込んでいたけれど、こんな展開になるとは思ってもみなかったから。
アサギがロッタに与えた策は、なかなかエグイものだった。
毎夜毎夜、愛する夫から自分が嫌がる行為で抱かれるというもの。
しかもそれが雑草と同等だと思っていたメイドの入れ知恵なのだから、歯ぎしりせんばかりだろう。
でもそれを言えないようにしたのだから、きっと王妃は人知れず屈辱感で顔を歪めたはずだ。
とはいえ、結果としてロッタは人助けをしたことになる。
不能だった陛下の男性機能を回復させ、石女王妃の名を返上させることができたのだから。
ただなんでだろう。こんなにもやっとするのは……。
ロッタはホウキを握りながら、うんうんと唸ってみる。
そんなふうに自問自答を繰り返すロッタは、本日もまた背後から忍び寄る陰に気付くことができなかった。
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