68 / 101
第二部 再開と再会の、秋
2
しおりを挟む
「………ティア、ちょっと良いか?」
メゾン・プレザンの裏口の扉を開けようとした途端、ティアは馴染みのある男の声で呼び止められた。
───トクン。ティアの心臓が大きく跳ねた。
頭で考えるより、身体の方が先に振り返っていた。
けれど、ティアに声を掛けたその人は、深緑色の髪ではなかった。
「……え、ロムさん、どうされましたか?」
『……』の間に、落胆した気持ちを胸の奥に押し込んで、ティアは2ヶ月前よりバトラー姿が板についてきたロムに問いかけた。
けれど、ロムはもじもじとするだけ。なかなか口を開こうとしない。
残念ながらティアにとってロムは、メゾン・プレザンで働く仲間の一人でしかない。
そしてロムの容姿は、茶褐色の髪と瞳。中肉中背で、強いて言えばそばかすが彼の唯一の特徴。どう頑張っても、普通という枠からはみ出すこともない。
そんなわけでロムのはっきりしない態度は、ティアを苛つかせるだけ。
それに仕事上の相談相手として自分を選ぶのは、正直言ってお門違い。あと、さすがにここは裏口だ。よもや迷子になったわけではないだろう。
淡々と頭の中で考えた結果、ティアはこれ以上ここに留まる理由を見つけることができなかった。
「あの、ロムさ───」
「大事な話があるんだ」
「……はぁ」
申し訳ないが、ロムが大事に思うことは、多分、自分にとって些末な内容に違いない。
そんな冷たいことをティアは考える。……けれどその予測は、外れた。
「ティア、僕と結婚してくれっ」
「……っ」
予想だにしなかったロムのいきなりの求婚に、ティアはものの見事に固まった。
ちなみにティアは2ヶ月前、王女を嫁ぎ先の隣国まで送り届ける任務のため、問答無用でロハン邸に連行された。
その時、ロムが今にも泣きそうな顔でティアを見送っていたことなど、綺麗さっぱり忘れてしまっている。
反対にロムはメゾン・プレザンで共に過ごした経験から、ティアが無表情でいることにも慣れ切っている。
しかも拒絶されなかったことに、これ幸いにと、どんどん言葉を続けていく。
「僕、ここで働き出してから、ずっとティアのこと好きだったんだ。あんな顔だけしか取り柄のないような鼻持ちならない騎士野郎の元から戻ってきてくれて、すっごく嬉しいよ」
熱で浮かされたようなロムの表情を見て、知らず知らずのうちにティアの眉間に皺が寄る。
まるでティアがここに戻ってきたきたのは、ロムが居たから。そんなふうに聞こえてしまう。
───いや待て。戻ってきたのはお前の為じゃない。
ティアはそんなふうに悪態を付くと共に、心底呆れた様子で溜息を吐く。
だが、しょっちゅうメゾン・プレザンの館内で迷子になったり、新人あるあるの失態ばかりを繰り返していた過去を持つロムは、ティアの溜息には耐性があった。
だから都合よく気付かない特技すら、身に付けてしまっていた。
そういうわけでロムは引き続き、想いの丈のティアにぶつける。
「ティア、こんなところ一刻も早く出ようっ。君だってメゾン・プレザンなんかに好き好んでいるわけじゃないんだろ?うん。僕もそう思っている。ティアはここにいるような人間なんかじゃないっ。一緒に、故郷に戻ろう。な?良いだろ」
キラキラと目を輝かせて、ロムはティアに詰め寄る。
対してティアは、大変怒り心頭であった。
───は?こんなところ?メゾン・プレザンなんかに?
明らかに無意識に口にしたであろうロムの言葉は、良い感じにティアの逆鱗に触れた。
ティアにとって、メゾン・プレザンはかけがえのない大切な場所。
そして、唯一無二の居場所───と、ティアが決めたところ。
なのにロムは、それを全力で否定した。
しかもあろうことか、ティアも同じ気持ちでいると勝手に決めつけたのだ。
ティアからすれば、これは大変な屈辱だった。
そして間の悪いことに、また大切なことに気付いてしまう。
グレンシスはティアに間違ったことを正してはくれたけれど、ただの一度だって、大切にしているものを否定することも侮辱することもなかった。
横柄でガミガミと口やかましくて、時に強引なところもあったけれど、一生懸命、ティアのことを理解しようとしてくれていたのだ。
まったく、なんで今、そんなことに気付かせてくれるんだっ。
ティアは地団駄を踏みたい衝動に駆られた。
つまりロムは求婚の返事を貰えるどころか、二重の意味でティアの怒りを買ってましまったことになる。
まぁ、ティアの怒りの後半は、ほぼほぼ八つ当たりだけれども、トリガーを引いたのは間違いなくロムなので、多少は責任がある。
とはいえティアは、感情をむき出しにするのが苦手だった。
頭の中ではロムの胸倉を掴んで罵倒するなり、片腕に掛けたままの籠を勢いよく投げつけるなり、大声で泣いたりと、不快なことを示すための色々な手段が浮かんでは消える。
けれど、想像することはできても、実行に移すことがどれもできなかった。
【なにも自己主張をできない人間になってしまえば、肝心なときに何も言えなくなってしまうものだ】
不意にティアの脳裏に、ロハン邸の庭で贈られたグレンシスの言葉が蘇る。
───よりにもよってこんな時に、グレンシスの忠告が必要になるなんてっ。
ティアはとても複雑な心境になった。
そしてメゾンプレザンに戻ってから、訓練をさぼり続けていたことをものすごく後悔した。
だが、反省し後悔したところで、現実は何も変わらない。ロムの暴走は加熱していく。
「結婚式は、僕の生まれ育った町でやろうね。マダムローズもきっと僕たちを祝福してくれるさ。さっ、そうと決まったら、早速、マダムローズに報告に行こう」
ティアが無言でいるのを都合良く是と解釈したロムの瞳は、バラ色の未来を描いている。
対してティアは、ロムを毛虫を見るような目で見ている。……が、残念ながら当人にはその視線は届いていない。
さあさあとティアに手を伸ばそうとするロムに、嫌だ絶対にとジリジリと後退するティア。
ちなみにメゾンプレザンは、開館前でてんてこ舞い。皆、自分のことで手一杯。
裏庭まで足を伸ばして、ティアを探してくれる者はいない。
つまりこれはいわゆる、窮地。という状態であった。
メゾン・プレザンの裏口の扉を開けようとした途端、ティアは馴染みのある男の声で呼び止められた。
───トクン。ティアの心臓が大きく跳ねた。
頭で考えるより、身体の方が先に振り返っていた。
けれど、ティアに声を掛けたその人は、深緑色の髪ではなかった。
「……え、ロムさん、どうされましたか?」
『……』の間に、落胆した気持ちを胸の奥に押し込んで、ティアは2ヶ月前よりバトラー姿が板についてきたロムに問いかけた。
けれど、ロムはもじもじとするだけ。なかなか口を開こうとしない。
残念ながらティアにとってロムは、メゾン・プレザンで働く仲間の一人でしかない。
そしてロムの容姿は、茶褐色の髪と瞳。中肉中背で、強いて言えばそばかすが彼の唯一の特徴。どう頑張っても、普通という枠からはみ出すこともない。
そんなわけでロムのはっきりしない態度は、ティアを苛つかせるだけ。
それに仕事上の相談相手として自分を選ぶのは、正直言ってお門違い。あと、さすがにここは裏口だ。よもや迷子になったわけではないだろう。
淡々と頭の中で考えた結果、ティアはこれ以上ここに留まる理由を見つけることができなかった。
「あの、ロムさ───」
「大事な話があるんだ」
「……はぁ」
申し訳ないが、ロムが大事に思うことは、多分、自分にとって些末な内容に違いない。
そんな冷たいことをティアは考える。……けれどその予測は、外れた。
「ティア、僕と結婚してくれっ」
「……っ」
予想だにしなかったロムのいきなりの求婚に、ティアはものの見事に固まった。
ちなみにティアは2ヶ月前、王女を嫁ぎ先の隣国まで送り届ける任務のため、問答無用でロハン邸に連行された。
その時、ロムが今にも泣きそうな顔でティアを見送っていたことなど、綺麗さっぱり忘れてしまっている。
反対にロムはメゾン・プレザンで共に過ごした経験から、ティアが無表情でいることにも慣れ切っている。
しかも拒絶されなかったことに、これ幸いにと、どんどん言葉を続けていく。
「僕、ここで働き出してから、ずっとティアのこと好きだったんだ。あんな顔だけしか取り柄のないような鼻持ちならない騎士野郎の元から戻ってきてくれて、すっごく嬉しいよ」
熱で浮かされたようなロムの表情を見て、知らず知らずのうちにティアの眉間に皺が寄る。
まるでティアがここに戻ってきたきたのは、ロムが居たから。そんなふうに聞こえてしまう。
───いや待て。戻ってきたのはお前の為じゃない。
ティアはそんなふうに悪態を付くと共に、心底呆れた様子で溜息を吐く。
だが、しょっちゅうメゾン・プレザンの館内で迷子になったり、新人あるあるの失態ばかりを繰り返していた過去を持つロムは、ティアの溜息には耐性があった。
だから都合よく気付かない特技すら、身に付けてしまっていた。
そういうわけでロムは引き続き、想いの丈のティアにぶつける。
「ティア、こんなところ一刻も早く出ようっ。君だってメゾン・プレザンなんかに好き好んでいるわけじゃないんだろ?うん。僕もそう思っている。ティアはここにいるような人間なんかじゃないっ。一緒に、故郷に戻ろう。な?良いだろ」
キラキラと目を輝かせて、ロムはティアに詰め寄る。
対してティアは、大変怒り心頭であった。
───は?こんなところ?メゾン・プレザンなんかに?
明らかに無意識に口にしたであろうロムの言葉は、良い感じにティアの逆鱗に触れた。
ティアにとって、メゾン・プレザンはかけがえのない大切な場所。
そして、唯一無二の居場所───と、ティアが決めたところ。
なのにロムは、それを全力で否定した。
しかもあろうことか、ティアも同じ気持ちでいると勝手に決めつけたのだ。
ティアからすれば、これは大変な屈辱だった。
そして間の悪いことに、また大切なことに気付いてしまう。
グレンシスはティアに間違ったことを正してはくれたけれど、ただの一度だって、大切にしているものを否定することも侮辱することもなかった。
横柄でガミガミと口やかましくて、時に強引なところもあったけれど、一生懸命、ティアのことを理解しようとしてくれていたのだ。
まったく、なんで今、そんなことに気付かせてくれるんだっ。
ティアは地団駄を踏みたい衝動に駆られた。
つまりロムは求婚の返事を貰えるどころか、二重の意味でティアの怒りを買ってましまったことになる。
まぁ、ティアの怒りの後半は、ほぼほぼ八つ当たりだけれども、トリガーを引いたのは間違いなくロムなので、多少は責任がある。
とはいえティアは、感情をむき出しにするのが苦手だった。
頭の中ではロムの胸倉を掴んで罵倒するなり、片腕に掛けたままの籠を勢いよく投げつけるなり、大声で泣いたりと、不快なことを示すための色々な手段が浮かんでは消える。
けれど、想像することはできても、実行に移すことがどれもできなかった。
【なにも自己主張をできない人間になってしまえば、肝心なときに何も言えなくなってしまうものだ】
不意にティアの脳裏に、ロハン邸の庭で贈られたグレンシスの言葉が蘇る。
───よりにもよってこんな時に、グレンシスの忠告が必要になるなんてっ。
ティアはとても複雑な心境になった。
そしてメゾンプレザンに戻ってから、訓練をさぼり続けていたことをものすごく後悔した。
だが、反省し後悔したところで、現実は何も変わらない。ロムの暴走は加熱していく。
「結婚式は、僕の生まれ育った町でやろうね。マダムローズもきっと僕たちを祝福してくれるさ。さっ、そうと決まったら、早速、マダムローズに報告に行こう」
ティアが無言でいるのを都合良く是と解釈したロムの瞳は、バラ色の未来を描いている。
対してティアは、ロムを毛虫を見るような目で見ている。……が、残念ながら当人にはその視線は届いていない。
さあさあとティアに手を伸ばそうとするロムに、嫌だ絶対にとジリジリと後退するティア。
ちなみにメゾンプレザンは、開館前でてんてこ舞い。皆、自分のことで手一杯。
裏庭まで足を伸ばして、ティアを探してくれる者はいない。
つまりこれはいわゆる、窮地。という状態であった。
0
お気に入りに追加
3,044
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
結婚式当日に花婿に逃げられたら、何故だか強面軍人の溺愛が待っていました。
当麻月菜
恋愛
平民だけれど裕福な家庭で育ったシャンディアナ・フォルト(通称シャンティ)は、あり得ないことに結婚式当日に花婿に逃げられてしまった。
それだけでも青天の霹靂なのだが、今度はイケメン軍人(ギルフォード・ディラス)に連れ去られ……偽装夫婦を演じる羽目になってしまったのだ。
信じられないことに、彼もまた結婚式当日に花嫁に逃げられてしまったということで。
少しの同情と、かなりの脅迫から始まったこの偽装結婚の日々は、思っていたような淡々とした日々ではなく、ドタバタとドキドキの連続。
そしてシャンティの心の中にはある想いが芽生えて……。
※★があるお話は主人公以外の視点でのお話となります。
※他のサイトにも重複投稿しています。
【外伝・完結】神獣の花嫁〜さだめられし出逢い〜
一茅苑呼
恋愛
『神獣の花嫁シリーズ』第二作目です。
前作『〜かの者に捧ぐ〜』をお読みいただかなくとも楽しんでいただけるかと思いますが、お読みいただければさらに面白い! はずです。
☆☆☆☆☆
❖美穂(みほ)
赤い神獣の花嫁として召喚された女子高校生。
両親を早くに亡くし、現在は叔母の家に居候している。
短気で飽きっぽい。群れるのが嫌いなので、クラスの中でも浮いた存在だった。
❖赤虎(せきこ)・茜(あかね)
下総(しもうさ)ノ国の赤い神獣。通称『セキ』。
女装いと女の口調で話すが、視野が広く博識。
黙っていれば、文句なしの美青年(美穂の第一印象)。
※表紙絵は前作の主人公・咲耶とハクです。
黒冴様https://estar.jp/users/106303235に描いていただきました。
───あらすじ───
生きているんだ、あたし──。
陽ノ元という世界に、神獣の花嫁として召喚された美穂。
積極的に「死にたい」とは思わなかったが、消極的に「死んでもいい」と考えていた。
両親と祖父母を亡くし、引き取られた先の叔母夫婦の家も──学校も。
美穂の居場所では、なかった。
「アタシ? アタシは……んー、【アンタ次第で生きるオトコ】、よ」
───居場所のなかった少女が、新たに生きる世界とは。
隣国の貢ぎ物にされた出来損ない令嬢は、北の最果てで大公様と甘美な夢を見る
当麻月菜
恋愛
【煮ようが、焼こうが、妻にしようが、妾にしようが、使用人として使おうが、どうぞお好きに】
リンヒニア国の侯爵家令嬢ユリシアは、ダンス一つ満足に踊れない出来損ない令嬢。そんな彼女は雑な書簡と共に、隣国の大公グレーゲルの貢物ものにされることになった。
マルグルス国の国王陛下の甥であるグレーゲルの二つ名は”血濡れの大公”───気分次第で首をすっぱり切り落とす残忍非道なヤバイ奴。付け加えると、どうも一途に愛する女性がいるようで。
というなんか色々問題がありそうなグレーゲル大公閣下の支配下で生き抜く為には、存在を消して大人しく過ごすのみ。
しかし、ある日グレーゲルに呼ばれこう告げられる。
「君を正妻として迎えることに決めた」
「……はぁ?」
政略結婚でも恋をして、愛し愛されることを望む大公様と、なぜか自分がお飾り妻だと思い込む侯爵令嬢の、北の最果てで繰り広げられるすったもんだの恋物語。
※以前書いたものを改タイトル、加筆修正して投稿しています。
※他のサイトにも重複投稿しています。
アクセサリー
真麻一花
恋愛
キスは挨拶、セックスは遊び……。
そんな男の行動一つに、泣いて浮かれて、バカみたい。
実咲は付き合っている彼の浮気を見てしまった。
もう別れるしかない、そう覚悟を決めるが、雅貴を好きな気持ちが実咲の決心を揺るがせる。
こんな男に振り回されたくない。
別れを切り出した実咲に、雅貴の返した反応は、意外な物だった。
小説家になろうにも投稿してあります。
紡織師アネモネは、恋する騎士の心に留まれない
当麻月菜
恋愛
人が持つ記憶や、叶えられなかった願いや祈りをそっくりそのまま他人の心に伝えることができる不思議な術を使うアネモネは、一人立ちしてまだ1年とちょっとの新米紡織師。
今回のお仕事は、とある事情でややこしい家庭で生まれ育った侯爵家当主であるアニスに、お祖父様の記憶を届けること。
けれどアニスはそれを拒み、遠路はるばるやって来たアネモネを屋敷から摘み出す始末。
途方に暮れるアネモネだけれど、ひょんなことからアニスの護衛騎士ソレールに拾われ、これまた成り行きで彼の家に居候させてもらうことに。
同じ時間を共有する二人は、ごく自然に惹かれていく。けれど互いに伝えることができない秘密を抱えているせいで、あと一歩が踏み出せなくて……。
これは新米紡織師のアネモネが、お仕事を通してちょっとだけ落ち込んだり、成長したりするお話。
あるいは期間限定の泡沫のような恋のおはなし。
※小説家になろう様にも、重複投稿しています。
あなたに忘れられない人がいても――公爵家のご令息と契約結婚する運びとなりました!――
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※1/1アメリアとシャーロックの長女ルイーズの恋物語「【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者」が完結しましたので、ルイーズ誕生のエピソードを追加しています。
※R18版はムーンライトノベルス様にございます。本作品は、同名作品からR18箇所をR15表現に抑え、加筆修正したものになります。R15に※、ムーンライト様にはR18後日談2話あり。
元は令嬢だったが、現在はお針子として働くアメリア。彼女はある日突然、公爵家の三男シャーロックに求婚される。ナイトの称号を持つ元軍人の彼は、社交界で浮名を流す有名な人物だ。
破産寸前だった父は、彼の申し出を二つ返事で受け入れてしまい、アメリアはシャーロックと婚約することに。
だが、シャーロック本人からは、愛があって求婚したわけではないと言われてしまう。とは言え、なんだかんだで優しくて溺愛してくる彼に、だんだんと心惹かれていくアメリア。
初夜以外では手をつけられずに悩んでいたある時、自分とよく似た女性マーガレットとシャーロックが仲睦まじく映る写真を見つけてしまい――?
「私は彼女の代わりなの――? それとも――」
昔失くした恋人を忘れられない青年と、元気と健康が取り柄の元令嬢が、契約結婚を通して愛を育んでいく物語。
※全13話(1話を2〜4分割して投稿)
親友に裏切られた侯爵令嬢は、兄の護衛騎士から愛を押し付けられる
当麻月菜
恋愛
侯爵令嬢のマリアンヌには二人の親友がいる。
一人は男爵令嬢のエリーゼ。もう一人は伯爵令息のレイドリック。
身分差はあれど、3人は互いに愛称で呼び合い、まるで兄弟のように仲良く過ごしていた。
そしてマリアンヌは、16歳となったある日、レイドリックから正式な求婚を受ける。
二つ返事で承諾したマリアンヌだったけれど、婚約者となったレイドリックは次第に本性を現してきて……。
戸惑う日々を過ごすマリアンヌに、兄の護衛騎士であるクリスは婚約破棄をやたら強く進めてくる。
もともと苦手だったクリスに対し、マリアンヌは更に苦手意識を持ってしまう。
でも、強く拒むことができない。
それはその冷たい態度の中に、自分に向ける優しさがあることを知ってしまったから。
※タイトル模索中なので、仮に変更しました。
※2020/05/22 タイトル決まりました。
※小説家になろう様にも重複投稿しています。(タイトルがちょっと違います。そのうち統一します)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる