34 / 131
第2章:ダンジョン攻略編(孤高ダンジョン)
第34話 5人の勇者と堕ちた帝国(1)
しおりを挟む
蓮がダンジョン崩落に巻き込まれる数日前の事。
女神ダンジョンを上位シーカー達で攻略するプロジェクトが立ち上げられた。そして、S級シーカー達が、破格の待遇で招集されたのだ。
アメリカの自由の象徴である女神像の入口が、ダンジョンに乗っ取られた形になったのだ。その為、一般人が近寄れなくなってしまった。これは由々しき問題であり、自由は決して奪われてはいけないものなのだ。アメリカにとって、それは明白な天命であるからだ。
現在、世界に公表されているS級シーカーは、たったの5人だ。その5人全員が呼ばれたのだ。
そしてその5人でチームを組んでの、攻略が計画された。だが、彼ら5人は、1人を除いて、ソロでダンジョン攻略を行っている者たちで、強者ではあるが、かなりの曲者なのだ。
S級シーカーの基準と言えば、国や世界ダンジョン協会への貢献度、もしくはドラゴン級の魔物をソロで討伐したかで決まってくる。
現在、公表されているS級ダンジョンシーカーは、以下の5人だ。
・アラン・アンダーソン(アメリカ)
・アーヴィン・エバンズ(イギリス)
・フランソワ・モロー(フランス)
・本城《ほんじょう》 尊《たける》(日本)
・モーリッツ・ミュラー(ドイツ)
まず最初に認定されたのは、アメリカ人で、アラン・アンダーソン。
アランは、元グリーンベレーで、性格はかなりの豪傑肌の熱血漢、体術と銃器を得意とする戦闘狂である。
その事から、周りとのレベル差がありすぎた事や、周囲を危険に晒すという困った癖もあり、その為、ソロシーカーになったようだ。対人戦闘にて彼に敵う者はいないと言われている。
二人目は、イギリスのアーヴィン・エバンズ。
イギリスのアーヴィンは、元秘密情報部(MI6)の諜報員だった。冷静沈着な策士で、かなりの切れ者だ。双剣使いの盗賊スキル持ちで、罠解除を得意とした。スピード特化で、どんな魔物にも、速さで負けることはない強者なのだ。
三人目は、女性として初めてS級に認定された、フランソワ・モロー。貢献度最上級のシーカーだ。
フランス人であるフランソワは、回復魔法の使い手で、また弓を使っての共鳴による状態異常の結界を張るスキル持ちである。
物腰の柔らかい、穏やかそうに見える外見から想像できないほど、いざとなれば適格な判断を咄嗟に行う事が出来る芯の通った女性である。軍攻略チーム、また有名クランやチーム等のスケットでの参加が主で、ソロシーカーというわけではないが、貢献度として最上級の評価を得ていた。
そして、四人目は、日本人だ。彼の名は本城 尊(ほんじょうたける)
日本の本城は、元イケメン俳優で、ドラマでシーカー役を務めた際、シーカーの魅力に取りつかれてしまい、転職したと言う変わり種である。人一倍の正義感を持った男で、相当のナルシストで自信家ではあるが、言動に見合う活躍をする人物だ。
魔法剣士のスキルを持ち、自身にバフをかけ、武器に魔法を付与し戦う、孤高の探索者として、評価がどんどん上がって行き、あっと言う間にS級まで上りつめた。
そして最新での5人目にS級と認定されたシーカーは、ドイツのモーリッツ・ミュラーである。
元メカニカルエンジニアでロボットや各種機器の設計から開発を行う仕事をしていた。堅物の職人気質で簡単に妥協せず、とことんやり遂げる、岩のような男である。
休日にダンジョン探索を趣味にしていたが、『召喚使いスキル』を手に入れた事で、ゴーレム使いのプロシーカーとなった。
全員が、かなりの曲者であり、一筋縄では行かない人物である。そんな彼らが、上手く合わせられるのか、まともに機能するのか、計画当初は、心配されていたのだが、いざ、合わせてみると、流石というべきか、ウソのようにマッチしたのだ。
周りより、当の本人達が一番驚いていたようだ。何故なら、実力は均衡しているのだ。何を求めているかが分かる上、相手に遠慮する事をしなくて済むというのが一番大きかったようだ。
この女神ダンジョンは、上位のアンデット系の魔物が徘徊する超危険なダンジョンで、階層へ移動するには魔法陣を利用する、塔形態の転移型ダンジョンだった。1階層からゾンビやスケルトンどもが、そこかしこと徘徊しており、少しも気が抜けない場所だったのだ。
その為、発見以後は、危険が大きかったことで、しばらくは放置されていたのだ。ある時、ダンジョンから聖なるアーチファクトが発見された。そのアーチファクトは、四隅に置くことで、不浄な魂を寄せ付けない結界を作る事ができるという優れものだったのだ。
そのアーチファクトのお陰で、ダンジョン内での休憩や野営が出来るようになった事で、この計画が進行した。
そして、サポートのA級シーカーチームが数チームと、複数の荷物持ちの計30人ほどを引き連れての、攻略となった。S級達は先頭に立ち、次々と魔物を殲滅していく。
順調に攻略が進むかと思われた、そんな時、ダンジョン崩落が起き、先頭に居た彼ら5人が巻き込まれてしまった。
サポート達も、彼らがアンデットではない何かと戦っていた事は見ていたのだが、それが何かまでは確認は出来なかった。金色の直径が2メートルほどの巨大な物体であったという話である。
女神ダンジョンを上位シーカー達で攻略するプロジェクトが立ち上げられた。そして、S級シーカー達が、破格の待遇で招集されたのだ。
アメリカの自由の象徴である女神像の入口が、ダンジョンに乗っ取られた形になったのだ。その為、一般人が近寄れなくなってしまった。これは由々しき問題であり、自由は決して奪われてはいけないものなのだ。アメリカにとって、それは明白な天命であるからだ。
現在、世界に公表されているS級シーカーは、たったの5人だ。その5人全員が呼ばれたのだ。
そしてその5人でチームを組んでの、攻略が計画された。だが、彼ら5人は、1人を除いて、ソロでダンジョン攻略を行っている者たちで、強者ではあるが、かなりの曲者なのだ。
S級シーカーの基準と言えば、国や世界ダンジョン協会への貢献度、もしくはドラゴン級の魔物をソロで討伐したかで決まってくる。
現在、公表されているS級ダンジョンシーカーは、以下の5人だ。
・アラン・アンダーソン(アメリカ)
・アーヴィン・エバンズ(イギリス)
・フランソワ・モロー(フランス)
・本城《ほんじょう》 尊《たける》(日本)
・モーリッツ・ミュラー(ドイツ)
まず最初に認定されたのは、アメリカ人で、アラン・アンダーソン。
アランは、元グリーンベレーで、性格はかなりの豪傑肌の熱血漢、体術と銃器を得意とする戦闘狂である。
その事から、周りとのレベル差がありすぎた事や、周囲を危険に晒すという困った癖もあり、その為、ソロシーカーになったようだ。対人戦闘にて彼に敵う者はいないと言われている。
二人目は、イギリスのアーヴィン・エバンズ。
イギリスのアーヴィンは、元秘密情報部(MI6)の諜報員だった。冷静沈着な策士で、かなりの切れ者だ。双剣使いの盗賊スキル持ちで、罠解除を得意とした。スピード特化で、どんな魔物にも、速さで負けることはない強者なのだ。
三人目は、女性として初めてS級に認定された、フランソワ・モロー。貢献度最上級のシーカーだ。
フランス人であるフランソワは、回復魔法の使い手で、また弓を使っての共鳴による状態異常の結界を張るスキル持ちである。
物腰の柔らかい、穏やかそうに見える外見から想像できないほど、いざとなれば適格な判断を咄嗟に行う事が出来る芯の通った女性である。軍攻略チーム、また有名クランやチーム等のスケットでの参加が主で、ソロシーカーというわけではないが、貢献度として最上級の評価を得ていた。
そして、四人目は、日本人だ。彼の名は本城 尊(ほんじょうたける)
日本の本城は、元イケメン俳優で、ドラマでシーカー役を務めた際、シーカーの魅力に取りつかれてしまい、転職したと言う変わり種である。人一倍の正義感を持った男で、相当のナルシストで自信家ではあるが、言動に見合う活躍をする人物だ。
魔法剣士のスキルを持ち、自身にバフをかけ、武器に魔法を付与し戦う、孤高の探索者として、評価がどんどん上がって行き、あっと言う間にS級まで上りつめた。
そして最新での5人目にS級と認定されたシーカーは、ドイツのモーリッツ・ミュラーである。
元メカニカルエンジニアでロボットや各種機器の設計から開発を行う仕事をしていた。堅物の職人気質で簡単に妥協せず、とことんやり遂げる、岩のような男である。
休日にダンジョン探索を趣味にしていたが、『召喚使いスキル』を手に入れた事で、ゴーレム使いのプロシーカーとなった。
全員が、かなりの曲者であり、一筋縄では行かない人物である。そんな彼らが、上手く合わせられるのか、まともに機能するのか、計画当初は、心配されていたのだが、いざ、合わせてみると、流石というべきか、ウソのようにマッチしたのだ。
周りより、当の本人達が一番驚いていたようだ。何故なら、実力は均衡しているのだ。何を求めているかが分かる上、相手に遠慮する事をしなくて済むというのが一番大きかったようだ。
この女神ダンジョンは、上位のアンデット系の魔物が徘徊する超危険なダンジョンで、階層へ移動するには魔法陣を利用する、塔形態の転移型ダンジョンだった。1階層からゾンビやスケルトンどもが、そこかしこと徘徊しており、少しも気が抜けない場所だったのだ。
その為、発見以後は、危険が大きかったことで、しばらくは放置されていたのだ。ある時、ダンジョンから聖なるアーチファクトが発見された。そのアーチファクトは、四隅に置くことで、不浄な魂を寄せ付けない結界を作る事ができるという優れものだったのだ。
そのアーチファクトのお陰で、ダンジョン内での休憩や野営が出来るようになった事で、この計画が進行した。
そして、サポートのA級シーカーチームが数チームと、複数の荷物持ちの計30人ほどを引き連れての、攻略となった。S級達は先頭に立ち、次々と魔物を殲滅していく。
順調に攻略が進むかと思われた、そんな時、ダンジョン崩落が起き、先頭に居た彼ら5人が巻き込まれてしまった。
サポート達も、彼らがアンデットではない何かと戦っていた事は見ていたのだが、それが何かまでは確認は出来なかった。金色の直径が2メートルほどの巨大な物体であったという話である。
0
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説
人類最強は農家だ。異世界へ行って嫁さんを見つけよう。
久遠 れんり
ファンタジー
気がつけば10万ポイント。ありがとうございます。
ゴブリン?そんなもの草と一緒に刈っちまえ。
世の中では、ダンジョンができたと騒いでいる。
見つけたら警察に通報?
やってもいいなら、草刈りついでだ。
狩っておくよ。
そして、ダンジョンの奥へと潜り異世界へ。
強力無比な力をもつ、俺たちを見て村人は望む。
魔王を倒してください? そんな事、知らん。
俺は、いや俺達は嫁さんを見つける。それが至上の目的だ。
そう。この物語は、何の因果か繋がった異世界で、嫁さんをゲットする物語。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
人の身にして精霊王
山外大河
ファンタジー
正しいと思ったことを見境なく行動に移してしまう高校生、瀬戸栄治は、その行動の最中に謎の少女の襲撃によって異世界へと飛ばされる。その世界は精霊と呼ばれる人間の女性と同じ形状を持つ存在が当たり前のように資源として扱われていて、それが常識となってしまっている歪んだ価値観を持つ世界だった。そんな価値観が間違っていると思った栄治は、出会った精霊を助けるために世界中を敵に回して奮闘を始める。
主人公最強系です。
厳しめでもいいので、感想お待ちしてます。
小説家になろう。カクヨムにも掲載しています。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる