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尾崎 龍夏津

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6班

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今日のLHRは、とても憂鬱だ。
なぜか………。
それは、最終の木曜日に行われる恒例行事らしい遠足の班決めがあるからだ。
遠足と言っても、行き場所は、遊園地。班は、名簿席で先生が適当に決めるらしいが、人と接することが苦手になった私は、このような行事が好きではない。

ついにやってきたLHR……
嫌な予感はしていたけど、やっぱり、谷町くん、高野くん、浜岡さんと4人の班になった。浜岡さんは、仲良くしている人となれなくてとてもショックそうな顔をしている……
「平坂、よろしくな!!」
と、谷町くんが声をかけてきた。
「………よろしく」
と、返すと、
「返事はしてくれんのな」
と、満面の笑みで私を見てきた。
この笑顔で他の女の子は、虜にされちゃうんだなと思いながら、
「私が、返事しちゃダメなの?」
と聞くと、
「なんで? いいじゃん!  」
意味がわからない………返事はするんだと、驚いたくせに……と思っていると、「楽しい思い出にしような!!」
と言って、前を向いて高野くんと話し始めた。
やっぱり、変な人だ………。

気がつくと、同じ班のメンバーの3人が仲良く喋っていた。

………私にも、あんな笑顔のみんなと喋ってたことあったなぁ~……

「…かさん? 平坂さん!」
「は、はい?」
浜岡さんが話しかけてきた。
何考えてんだろ……
もう、あんな時のことは忘れるって決めたのに……
「絶叫系とか、乗れる??」
と、浜岡さんが聞いてきた。
「た、たぶん……」
「たぶん??」
「乗ったことあるんだろうけど、覚えてなくて……」
「「マジで!?」」
高野くんと谷町くんが大きな声を揃えて言った。
「高野、谷町、少し声のボリューム考えて話し合え~」
と、浅野先生が言った。
それで、みんなが笑う。
いつものことなんだろう。
この人達がいることでこんなに周りが明るくなれるんだ。
「んじゃ、絶対、楽しもうな!!」
と、谷町くんが私に向かって言った。
「私のことは、気にしてくれなくていいです。もし、乗れなくても3人で乗ってくれたらいいよ。」
「「えっ? なんで、そんなこと言うんだよ!」」
「えっ? なんでそんな事言うの?」
と、今度は3人が声を合わせて言った。
「お前ら、6班は、やかましいなぁ~」
と先生が言うのを聞いて、私は、
「すみません。」
と言うと、浜岡さんが、
「みんなで楽しもうよ。出来れば、万桜ちゃんと仲良くなりたいって思ってるし…」
「そーだよ!」「お前が楽しくないと、俺らも楽しめないしな!」
と、言った。


どうしたらいいのか分からずに、戸惑いながら、この人達なら……とどこかで思っている私がいたのを心の中の奥底にしまった。
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