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後悔先に立たず(Side:ユージーン)
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(Side:ユージーン)
王都から馬を飛ばして、アナに再会したあの日。
子供たちと無邪気に遊んでいるアナの姿が私には輝いて見えた。
確かに、実際光っている何かも無数に飛んではいたが、そのせいではないと思う。……多分。
というか、アナと離れて過ごしたこの数週間。
そして、馬で必死に走ったこの2日間。
その間考えて、考えて、流石に気が付いた。
どうやら私はアナスタシアの事を、その、多分、憎からず思っている。うん。
アナに馬車に押し込められる様にして戻った私を、邸の使用人達はそれは喜んで迎えてくれた。
私が婚姻を結んでから初めての帰省だったので、皆こぞって結婚の祝いの言葉を口にするのだ。
みんなが心から祝福してくれている所を見ると、ここでもアナは使用人達から慕われているのだろう。
何とかドレスの仕立てを引き受けてくれる業者が見つかった時の事だ。
私は『予算に糸目は付けないから、出来る限り素晴らしいドレスにして欲しい』と頼んだ。
あまりにも時間がない事を不思議がっていた業者に、妻を意図的に辱めたいと思っている人間が王都にいる事をつい話してしまったのだが、それは結果的により彼らを奮い立たせる事に繋がったようだ。
そもそも、アナは伯爵夫人として馬車で熱心に領地のあちこちを視察している時から、その姿を見かけた領民から『金色の女神』と呼ばれ慕われていたらしい。
本人が聞いたら『ひいぃぃー』と変な声を上げそうだが、私はそれを含めて密かにこの呼び名が気に入っている。
しかしアナはどうも他の貴族女性と違う様で、新しいドレスを仕立てるというのにそこまで喜んでいない様にも見えた。
婚姻を結んで初めて贈るドレスなのだ。出来るだけアナが喜ぶ物を贈りたかったのだが、本人は何をどう解釈したのか、まるで仕事を引き受けた敏腕侍女の様な反応だった。
「安心して下さい、旦那様。私はドレスには詳しくありませんので直接仕立てに関わる事は出来ませんが、しっかりと伯爵夫人に相応しいドレスを仕立てて頂き、バッチリ着こなして見せますわ!」
違う。そうじゃない。
終いには何かプルプルしてたし。何で?
夜、最近は1人での食事が多かったので、久し振りのアナとの食事は楽しかった。
……そう、楽しかったのだ。
「アナ、少し話がしたいのだが……いいか?」
食事が終わった後、部屋の前まで一緒に戻って来たアナに思い切ってそう切り出した。
色々聞きたい事もあるけれど、それ以上に伝えたい事がある。
アナから了承を得られた私は、30分後と言われたにも関わらず、自室に入るとそのままその部屋を素通りする様にして続きの間に入った。
まず、例の光の事を聞こう。それから……そうだ、ペンダントについても聞いて、それで、それから……
それから、夫としてアナの力になりたいと伝えよう。
以前、初夜の暴言について謝罪はしたが、あの時でさえ私はまだ何も分かっていなかった。
気付く事は出来たはずた。
公爵家でアナが良い扱いを受けていなかったであろう事は分かっていたのだから。
実際に痩せ過ぎているアナを見ていたのだから。
婚姻までに気付けていれば。
私がちゃんと考えていさえすれば。
初夜の日にあんな暴言ではなく、「もう大丈夫だ」と言えたのに。
はぁー、と深い溜息を吐いてソファーに深く腰かけると、丁度大きなベッドが目に入る。
「…………」
あの日あんな馬鹿な真似をしなければ、アナと2人仲睦まじくこの部屋て過ごす未来もあったのだろうか。
……駄目だ、なんか泣きそう。
後悔先に立たずとはまさにこの事である。
とりあえず、この上アナに情けない顔を見せる訳にはいかないので、私は両手で頬をパンパンと叩いて気合いを入れると立ち上がった。
大丈夫、まだ間に合う……はず。
というか頼む! 間に合ってくれ……。
そろそろ30分が経つのにまだ来ないアナを祈る様な気持ちで待ちながら、ふと私はアナの部屋から声が聞こえて来る事に気が付いた。
慌ててアナの部屋側の扉に近づくと、やはりアナの話し声がする。
誰だ!? マリーかダリアか? まさかマーカスがアナの部屋にまで来るなんて事はないよな。
焦った私は、つい急かす様に扉をトントンとノックしてしまった。慌てた様子のアナが扉を開けてヒョッコリ顔を出す。
「すみません! 旦那様、お待たせしましたよね?」
「いや。そんな事より……誰かいるのか?」
「え? いえ、誰もいませんけれど」
誰もいない? 話し声がしたのに? ま、まさか私に知られたくない相手がいるとか無いよな!?
思わずアナの部屋を覗き込もうとすると、すかさずアナにブロックされる。
「ストップ! 旦那様、いくら建前上は夫婦とはいえ、私達はビジネスパートナーです。乙女の部屋を覗いてはいけません」
ビ、ビジネスパートナー……建前上の夫婦……。
アナの言葉が容赦なく私にグサグサ刺さる。
ぐぐっ、しかしこれは言われて当然の言葉なのだ。こんな事位でめげている場合ではない。
言え! 言うんだユージーン!!
何とか自分を奮い立たせて言葉を発しようとしたその時——
『『『呼ばれてないけどジャジャジャジャーン』』』
私とアナの間に突然例の光が飛び出して来て——喋った。
王都から馬を飛ばして、アナに再会したあの日。
子供たちと無邪気に遊んでいるアナの姿が私には輝いて見えた。
確かに、実際光っている何かも無数に飛んではいたが、そのせいではないと思う。……多分。
というか、アナと離れて過ごしたこの数週間。
そして、馬で必死に走ったこの2日間。
その間考えて、考えて、流石に気が付いた。
どうやら私はアナスタシアの事を、その、多分、憎からず思っている。うん。
アナに馬車に押し込められる様にして戻った私を、邸の使用人達はそれは喜んで迎えてくれた。
私が婚姻を結んでから初めての帰省だったので、皆こぞって結婚の祝いの言葉を口にするのだ。
みんなが心から祝福してくれている所を見ると、ここでもアナは使用人達から慕われているのだろう。
何とかドレスの仕立てを引き受けてくれる業者が見つかった時の事だ。
私は『予算に糸目は付けないから、出来る限り素晴らしいドレスにして欲しい』と頼んだ。
あまりにも時間がない事を不思議がっていた業者に、妻を意図的に辱めたいと思っている人間が王都にいる事をつい話してしまったのだが、それは結果的により彼らを奮い立たせる事に繋がったようだ。
そもそも、アナは伯爵夫人として馬車で熱心に領地のあちこちを視察している時から、その姿を見かけた領民から『金色の女神』と呼ばれ慕われていたらしい。
本人が聞いたら『ひいぃぃー』と変な声を上げそうだが、私はそれを含めて密かにこの呼び名が気に入っている。
しかしアナはどうも他の貴族女性と違う様で、新しいドレスを仕立てるというのにそこまで喜んでいない様にも見えた。
婚姻を結んで初めて贈るドレスなのだ。出来るだけアナが喜ぶ物を贈りたかったのだが、本人は何をどう解釈したのか、まるで仕事を引き受けた敏腕侍女の様な反応だった。
「安心して下さい、旦那様。私はドレスには詳しくありませんので直接仕立てに関わる事は出来ませんが、しっかりと伯爵夫人に相応しいドレスを仕立てて頂き、バッチリ着こなして見せますわ!」
違う。そうじゃない。
終いには何かプルプルしてたし。何で?
夜、最近は1人での食事が多かったので、久し振りのアナとの食事は楽しかった。
……そう、楽しかったのだ。
「アナ、少し話がしたいのだが……いいか?」
食事が終わった後、部屋の前まで一緒に戻って来たアナに思い切ってそう切り出した。
色々聞きたい事もあるけれど、それ以上に伝えたい事がある。
アナから了承を得られた私は、30分後と言われたにも関わらず、自室に入るとそのままその部屋を素通りする様にして続きの間に入った。
まず、例の光の事を聞こう。それから……そうだ、ペンダントについても聞いて、それで、それから……
それから、夫としてアナの力になりたいと伝えよう。
以前、初夜の暴言について謝罪はしたが、あの時でさえ私はまだ何も分かっていなかった。
気付く事は出来たはずた。
公爵家でアナが良い扱いを受けていなかったであろう事は分かっていたのだから。
実際に痩せ過ぎているアナを見ていたのだから。
婚姻までに気付けていれば。
私がちゃんと考えていさえすれば。
初夜の日にあんな暴言ではなく、「もう大丈夫だ」と言えたのに。
はぁー、と深い溜息を吐いてソファーに深く腰かけると、丁度大きなベッドが目に入る。
「…………」
あの日あんな馬鹿な真似をしなければ、アナと2人仲睦まじくこの部屋て過ごす未来もあったのだろうか。
……駄目だ、なんか泣きそう。
後悔先に立たずとはまさにこの事である。
とりあえず、この上アナに情けない顔を見せる訳にはいかないので、私は両手で頬をパンパンと叩いて気合いを入れると立ち上がった。
大丈夫、まだ間に合う……はず。
というか頼む! 間に合ってくれ……。
そろそろ30分が経つのにまだ来ないアナを祈る様な気持ちで待ちながら、ふと私はアナの部屋から声が聞こえて来る事に気が付いた。
慌ててアナの部屋側の扉に近づくと、やはりアナの話し声がする。
誰だ!? マリーかダリアか? まさかマーカスがアナの部屋にまで来るなんて事はないよな。
焦った私は、つい急かす様に扉をトントンとノックしてしまった。慌てた様子のアナが扉を開けてヒョッコリ顔を出す。
「すみません! 旦那様、お待たせしましたよね?」
「いや。そんな事より……誰かいるのか?」
「え? いえ、誰もいませんけれど」
誰もいない? 話し声がしたのに? ま、まさか私に知られたくない相手がいるとか無いよな!?
思わずアナの部屋を覗き込もうとすると、すかさずアナにブロックされる。
「ストップ! 旦那様、いくら建前上は夫婦とはいえ、私達はビジネスパートナーです。乙女の部屋を覗いてはいけません」
ビ、ビジネスパートナー……建前上の夫婦……。
アナの言葉が容赦なく私にグサグサ刺さる。
ぐぐっ、しかしこれは言われて当然の言葉なのだ。こんな事位でめげている場合ではない。
言え! 言うんだユージーン!!
何とか自分を奮い立たせて言葉を発しようとしたその時——
『『『呼ばれてないけどジャジャジャジャーン』』』
私とアナの間に突然例の光が飛び出して来て——喋った。
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