28 / 107
昔の自分、今の自分
しおりを挟む
様々な準備が整い、私が街へお忍びで出掛けられる事になったのはそれから3日後の事だった。
私はあの翌日にでもすぐに出掛けたかったのだが、マーカスの仕事の調整が付かなかったのだ。
ちなみにプロ意識の高い2人からは、奥様にあんなプライベートをお見せしてしまって申し訳ありませんでした、と謝罪された。
こちらとしては『いいもの見せて貰ったぜ!』という感覚なのだが、謝罪はきちんと受け取った。
2人はその後も仕事中は全く変わった様子を見せないのだが、ついチラチラ見てしまうのは許して欲しい。
後日談プリーズ!
「さあっ奥様、こちらに座って下さい。今日は腕によりをかけて最高に可愛い町娘に仕上げちゃいますよ!」
「……マリー、気持ちは嬉しいのだけど、可愛いより目立たない方が有難いわ?」
「ムムッ言われてみれば確かにそうですね。奥様はただでさえ目を見張る程の美貌の持ち主ですからね! 可愛く仕上げてしまっては有象無象が寄って来て、せっかくのお忍びの邪魔になってしまうかもしれません」
マリーはちょっと親バカ……いや、この場合は使用人バカ? の傾向がある。
マリーが程よく仕上げてくれた町娘姿は素朴で可愛かった。
鏡の中に映る茶髪で茶目の町娘姿の自分は、まるで歩む事の無かったもう一つの未来の先にいた自分の姿の様に思えて感慨深い。
ふふっ、懐かしいなぁ、この姿。
ほんの2年と少し前までは、まさにこんな姿で暮らしていたのだ。今でもこっちの方が愛着がある。
何せ金髪翠目の自分と初めて対面したのは、大事なペンダントを無理矢理奪われて叩き壊されたあの時なので、最大級に嫌な思い出とセットになってしまったのだ。
いくら自分の本来の色とはいえ、あまり良い印象が無いのは仕方がないだろう。
鏡に映った町娘姿の自分を見ていると、あの時の事をぼんやりと思い出す。
『やめて! 返して下さい! それは大切なお守りのペンダントなんです!!』
ペンダントを取り返そうと掴みかかった私を突き飛ばし、目の前で踏みつけて魔石を粉々にした公爵家の私設騎士団の騎士達。
奴等一人一人の顔は今でも忘れられない(……というか、絶対忘れてやらないからね! いつか見てろよ!)
私は、何とか元に戻せないかと床に這いつくばって必死に魔石の欠片を集めていたのだが、その時自分の髪がパラリと顔にかかったのだ。
見た事もない、金色の髪が。
ヒュッと喉が鳴った気がした。
自分が何か得体の知れない物に変わってしまった様な恐怖を感じて、慌てて鏡を覗き込むとーー
金色の髪に、翠色の瞳の自分がいた。
あの時の気持ちは、一体なんと表現したらいいのか今でも分からない。
それまでニヤニヤして私を見ていた騎士達の顔色が、変化した私の髪色を見た途端に悪くなった。
『き、金色の……髪…………』
『お、おい! どうする?』
『どうするも何も、とにかく公爵様に連絡だ!』
私が公爵家の血族だからと言って押しかけてきた癖に、この展開は想像していなかったのだろうか?
バカなのかな? 公爵家の私設騎士団の騎士って。
バタバタと逃げる様に去って行く騎士達の背中を見ながら、やるせない気持ちだけが心に残る。
その後はもう大騒ぎだった。
魔石を割られた私は元の姿?に戻る事も出来ず。
当時は高等学舎の寮に入っていた為、寮の中は上を下への大騒動。
私の後見人の『おじ様』がすぐに駆け付けてくれたので何とか事態はおさまったが、私は友達に挨拶する間もなくおじ様の家に連れて帰られた。
結局そのまま公爵家に引き取られたので、学舎時代の友達とはお別れすら言えずじまいだ。
みんな、元気にしてるかなぁ。
ちなみに、『おじ様』は、両親がいなくなる前から私達家族を何かと手助けしてくれていた人だ。お父さんも凄く信頼していた。
国を股にかけて商売をしている大きな商会の会長さんで、以前から『自分達に何かあったらアナを頼む』と言われていたらしい。
『公爵家から正式な遣いが来た。もう誤魔化す事は出来ないだろうが、逃がす事は出来る。アナが望むなら隣国の信頼のおける知人にアナを託そう。
……どうする?』
おじ様はそう言って私の意思を確認してくれた。
あの時隣国へ逃して貰っていれば、こんな風に伯爵夫人として過ごす事もなかったのだろう。
でも、私の気持ちは決まっていた。
『ありがとうございます、おじ様。でも私……フェアファンビル公爵家に行きます』
私は、両親が死んだとはどうしても思えなかった。
両親が姿を消した過程があまりにも不自然だった事と、……誰にも言っていない理由がもう一つある。
あまりにも手際良く死んだ事にされた両親に、何か大きな力を感じた。
公爵家が……、貴族社会が、何か関わっているかもしれない。
これはそれを確かめるチャンスだった。
それと、他にも理由はある。
お父さんはずっと、自分のせいで公爵家が、ひいては公爵領の領民達が不利益を被ってしまった事を気に病んでいた。
自分の駆け落ちのせいで公爵家は醜聞にまみれ、貴族社会での影響力が弱まってしまったと。
公爵家で、唯一自分を可愛がってくれた大好きな兄にも沢山の迷惑をかけてしまったと。
お父さんとそのお兄さんは20歳程も歳が離れていて、ほとんど父親代わりの様な存在だったらしい。
お父さんのお兄さんなので、私にとっては伯父さんだ。
私としては、いくら駆け落ちで醜聞に塗れたとしても、それで領地経営にまで影響を及ぼしてしまうのは公爵家の力不足なのでは? と思うのだが、お父さんはそうは思わなかったらしい。
確かに、領民の生活にまで影響が出てしまったと言うのなら心が痛むけど……
窓から公爵領がある方角を眺める。
ハミルトン伯爵家とフェアファンビル公爵家の領地は隣合っている。遥か遠くに見えるあの山の向こう側は、もうフェアファンビル公爵領だ。
私がフェアファンビル公爵家の一員となるのなら、お父さんの代わりに領民の為に務めを果たそう、と思っていた。
まさか公爵家が、使用人も含めてあそこまで腐っていたとは思わなかったが、それでも領民に罪はない。
私が公爵家に引き取られた時は既に代替わりが済んでいて、前公爵である伯父さんは王都の公爵邸にはいなかった。
現フェアファンビル公爵は伯父さんの息子で、つまり歳は離れているが本来は私の従兄弟という事になる。
今は私の養父になったこの公爵は私の父をひどく憎んでいて、これはどうも、駆け落ちだけが原因では無さそうだった。
お父さんの話から、お父さんはもともと公爵家で冷遇されていたのでは? と思ってはいたのだが、嫌な予想は当たってしまった様だ。
親子2代に渡って迫害されるなんて、何とも因果な物である。
何故お父さんが公爵家で冷遇されていたのかは分からない。
公爵家では、私に肝心な事は何も教えてくれなかったし、何かを探っていると警戒されても困るので、私も何も尋ねなかったから。
ただ、時々耳に挟む情報を合わせると、どうやら位を退いた伯父さんは公爵領のどこかにいるらしい事が分かった。
あれだけ慕っていたお兄さんだ。
お父さんが公爵家を出て行った後も、伯父さんとだけはこっそり連絡をとっていた可能性は十分にある。
もしそうなら、両親の失踪についても何か知っているかもしれない。
伯爵家に嫁いだからには、伯爵領の領民達を守りたい。
お父さんがずっと気にかけていた公爵領の領民達にも、私に出来る事で報いたい。
お父さんとお母さんが姿を消した真相を知りたい。
鏡の中の自分を見つめ、心新たに覚悟を決める。
「さあマリー! 街へ出掛けましょう!」
私はあの翌日にでもすぐに出掛けたかったのだが、マーカスの仕事の調整が付かなかったのだ。
ちなみにプロ意識の高い2人からは、奥様にあんなプライベートをお見せしてしまって申し訳ありませんでした、と謝罪された。
こちらとしては『いいもの見せて貰ったぜ!』という感覚なのだが、謝罪はきちんと受け取った。
2人はその後も仕事中は全く変わった様子を見せないのだが、ついチラチラ見てしまうのは許して欲しい。
後日談プリーズ!
「さあっ奥様、こちらに座って下さい。今日は腕によりをかけて最高に可愛い町娘に仕上げちゃいますよ!」
「……マリー、気持ちは嬉しいのだけど、可愛いより目立たない方が有難いわ?」
「ムムッ言われてみれば確かにそうですね。奥様はただでさえ目を見張る程の美貌の持ち主ですからね! 可愛く仕上げてしまっては有象無象が寄って来て、せっかくのお忍びの邪魔になってしまうかもしれません」
マリーはちょっと親バカ……いや、この場合は使用人バカ? の傾向がある。
マリーが程よく仕上げてくれた町娘姿は素朴で可愛かった。
鏡の中に映る茶髪で茶目の町娘姿の自分は、まるで歩む事の無かったもう一つの未来の先にいた自分の姿の様に思えて感慨深い。
ふふっ、懐かしいなぁ、この姿。
ほんの2年と少し前までは、まさにこんな姿で暮らしていたのだ。今でもこっちの方が愛着がある。
何せ金髪翠目の自分と初めて対面したのは、大事なペンダントを無理矢理奪われて叩き壊されたあの時なので、最大級に嫌な思い出とセットになってしまったのだ。
いくら自分の本来の色とはいえ、あまり良い印象が無いのは仕方がないだろう。
鏡に映った町娘姿の自分を見ていると、あの時の事をぼんやりと思い出す。
『やめて! 返して下さい! それは大切なお守りのペンダントなんです!!』
ペンダントを取り返そうと掴みかかった私を突き飛ばし、目の前で踏みつけて魔石を粉々にした公爵家の私設騎士団の騎士達。
奴等一人一人の顔は今でも忘れられない(……というか、絶対忘れてやらないからね! いつか見てろよ!)
私は、何とか元に戻せないかと床に這いつくばって必死に魔石の欠片を集めていたのだが、その時自分の髪がパラリと顔にかかったのだ。
見た事もない、金色の髪が。
ヒュッと喉が鳴った気がした。
自分が何か得体の知れない物に変わってしまった様な恐怖を感じて、慌てて鏡を覗き込むとーー
金色の髪に、翠色の瞳の自分がいた。
あの時の気持ちは、一体なんと表現したらいいのか今でも分からない。
それまでニヤニヤして私を見ていた騎士達の顔色が、変化した私の髪色を見た途端に悪くなった。
『き、金色の……髪…………』
『お、おい! どうする?』
『どうするも何も、とにかく公爵様に連絡だ!』
私が公爵家の血族だからと言って押しかけてきた癖に、この展開は想像していなかったのだろうか?
バカなのかな? 公爵家の私設騎士団の騎士って。
バタバタと逃げる様に去って行く騎士達の背中を見ながら、やるせない気持ちだけが心に残る。
その後はもう大騒ぎだった。
魔石を割られた私は元の姿?に戻る事も出来ず。
当時は高等学舎の寮に入っていた為、寮の中は上を下への大騒動。
私の後見人の『おじ様』がすぐに駆け付けてくれたので何とか事態はおさまったが、私は友達に挨拶する間もなくおじ様の家に連れて帰られた。
結局そのまま公爵家に引き取られたので、学舎時代の友達とはお別れすら言えずじまいだ。
みんな、元気にしてるかなぁ。
ちなみに、『おじ様』は、両親がいなくなる前から私達家族を何かと手助けしてくれていた人だ。お父さんも凄く信頼していた。
国を股にかけて商売をしている大きな商会の会長さんで、以前から『自分達に何かあったらアナを頼む』と言われていたらしい。
『公爵家から正式な遣いが来た。もう誤魔化す事は出来ないだろうが、逃がす事は出来る。アナが望むなら隣国の信頼のおける知人にアナを託そう。
……どうする?』
おじ様はそう言って私の意思を確認してくれた。
あの時隣国へ逃して貰っていれば、こんな風に伯爵夫人として過ごす事もなかったのだろう。
でも、私の気持ちは決まっていた。
『ありがとうございます、おじ様。でも私……フェアファンビル公爵家に行きます』
私は、両親が死んだとはどうしても思えなかった。
両親が姿を消した過程があまりにも不自然だった事と、……誰にも言っていない理由がもう一つある。
あまりにも手際良く死んだ事にされた両親に、何か大きな力を感じた。
公爵家が……、貴族社会が、何か関わっているかもしれない。
これはそれを確かめるチャンスだった。
それと、他にも理由はある。
お父さんはずっと、自分のせいで公爵家が、ひいては公爵領の領民達が不利益を被ってしまった事を気に病んでいた。
自分の駆け落ちのせいで公爵家は醜聞にまみれ、貴族社会での影響力が弱まってしまったと。
公爵家で、唯一自分を可愛がってくれた大好きな兄にも沢山の迷惑をかけてしまったと。
お父さんとそのお兄さんは20歳程も歳が離れていて、ほとんど父親代わりの様な存在だったらしい。
お父さんのお兄さんなので、私にとっては伯父さんだ。
私としては、いくら駆け落ちで醜聞に塗れたとしても、それで領地経営にまで影響を及ぼしてしまうのは公爵家の力不足なのでは? と思うのだが、お父さんはそうは思わなかったらしい。
確かに、領民の生活にまで影響が出てしまったと言うのなら心が痛むけど……
窓から公爵領がある方角を眺める。
ハミルトン伯爵家とフェアファンビル公爵家の領地は隣合っている。遥か遠くに見えるあの山の向こう側は、もうフェアファンビル公爵領だ。
私がフェアファンビル公爵家の一員となるのなら、お父さんの代わりに領民の為に務めを果たそう、と思っていた。
まさか公爵家が、使用人も含めてあそこまで腐っていたとは思わなかったが、それでも領民に罪はない。
私が公爵家に引き取られた時は既に代替わりが済んでいて、前公爵である伯父さんは王都の公爵邸にはいなかった。
現フェアファンビル公爵は伯父さんの息子で、つまり歳は離れているが本来は私の従兄弟という事になる。
今は私の養父になったこの公爵は私の父をひどく憎んでいて、これはどうも、駆け落ちだけが原因では無さそうだった。
お父さんの話から、お父さんはもともと公爵家で冷遇されていたのでは? と思ってはいたのだが、嫌な予想は当たってしまった様だ。
親子2代に渡って迫害されるなんて、何とも因果な物である。
何故お父さんが公爵家で冷遇されていたのかは分からない。
公爵家では、私に肝心な事は何も教えてくれなかったし、何かを探っていると警戒されても困るので、私も何も尋ねなかったから。
ただ、時々耳に挟む情報を合わせると、どうやら位を退いた伯父さんは公爵領のどこかにいるらしい事が分かった。
あれだけ慕っていたお兄さんだ。
お父さんが公爵家を出て行った後も、伯父さんとだけはこっそり連絡をとっていた可能性は十分にある。
もしそうなら、両親の失踪についても何か知っているかもしれない。
伯爵家に嫁いだからには、伯爵領の領民達を守りたい。
お父さんがずっと気にかけていた公爵領の領民達にも、私に出来る事で報いたい。
お父さんとお母さんが姿を消した真相を知りたい。
鏡の中の自分を見つめ、心新たに覚悟を決める。
「さあマリー! 街へ出掛けましょう!」
19
お気に入りに追加
3,375
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す
狸田 真 (たぬきだ まこと)
ファンタジー
男♂だったのに、転生したら転性して性別が女♀になってしまった! しかも、乙女ゲームのヒロインだと!? 男の記憶があるのに、男と恋愛なんて出来るか!! という事で、愛(夜の営み)のない仮面夫婦バッドエンドを目指します!
主人公じゃなくて、勘違いが成長する!? 新感覚勘違いコメディファンタジー!
※現在アルファポリス限定公開作品
※2020/9/15 完結
※シリーズ続編有り!
【書籍化予定】どこからが浮気になるんだ?と、旦那様はおっしゃいました。
iBuKi
恋愛
実は転生者である。
所謂前世の記憶も持ち、知らない世界の文明などの知識を持った転生者なのだ。
転生者の時代や世界はそれぞれ違ったりするので、ここと似た文明の時代の時もあり、
転生者だからといって、特別な知識を持たない場合もあるのだが。
私は日本という国に産まれ、かなり近代的な文明に触れていた。
専門家ほど造形は深くないが、それなりに年を重ねたある日に天に召され、ここへ転生したようなので、
有り難い知識かどうかはまだわからないが、情報社会だった時代に生まれた為、
この国の文明レベルでも充分に使えそうな様々な知識を持っていた。
さて、この国は30年に一度程度の割合で、転生者が誕生する。
転生者はほぼ記憶を持ち、前世の世界での文明や娯楽をこの国へ報告することで、
国の発展に寄与してきた。
国も転生者に関して、とても厚遇しており、転生者というだけで銀のスプーンをもって産まれてきた。とまで言われるくらいだ。(過去の転生者の前世の国の言葉らしい。意味は、初めから上流階級に産まれる人らに言われる幸せや成功を約束された身分の人を揶揄される言葉である)
私は自分が転生者だとはバレなかった。
この国の侯爵令嬢の一人という事にして日々を過ごした。
公爵家の嫡男に見初められ、ある条件を了承して貰う事で嫁ぐことにした。
この度、たったひとつの条件を破られた旦那様と転生者であることを王家に報告することで、
離縁したいと思います。
お元気で、旦那様。
✂----------------------------
小説家になろう様にも投稿しております。
一度完結をした作品の番外編を投稿しております。
カルロッテ編です。
微ざまぁ…になるのかどうか(あまり酷い事してないよね…カルロッテ)迷いながらではありますが。
まずはカルロッテがどうして作られたかを書いてみました。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
月が隠れるとき
いちい千冬
恋愛
ヒュイス王国のお城で、夜会が始まります。
その最中にどうやら王子様が婚約破棄を宣言するようです。悪役に仕立て上げられると分かっているので帰りますね。
という感じで始まる、婚約破棄話とその顛末。全8話。⇒9話になりました。
小説家になろう様で上げていた「月が隠れるとき」シリーズの短編を加筆修正し、連載っぽく仕立て直したものです。
【完結】目覚めたら異世界で国境警備隊の隊員になっていた件。
みやこ嬢
ファンタジー
【2024年9月9日完結、全40話、ブロマンスファンタジー】
才智正哉(さいち・まさちか)は社会人一年生の会社員。ある日、真っ暗な闇の中で嘆く赤髪の青年の夢を見てから目を覚ますと異世界にいた。しかも、夢で見た赤髪の青年ゼノンの体に意識を宿した状態で。
仲間に事情を訴えてもまともに取り合ってもらえず、仕方なく『ゼノン』として過ごすことに。国境警備隊の任務について教わるうちに仲間たちと次第に打ち解けていく。
時折見る闇の夢で少しずつゼノンと交流し、入れ替わる前の記憶が欠落していることに気付く。元の体に戻るためには、まず記憶を取り戻さねばならない。
人情に厚く涙もろい隊長、隊長至上主義の班長、無愛想で油断ならない同僚、重い過去を持つ人懐こい同室の同僚、世話焼きな家政夫、心配性の優しい軍医、ワケあり腹ペコ魔術師に囲まれ、慣れない異世界で悪戦苦闘する青年のお話。
★1話と39話に挿し絵追加
★カクヨム掲載作品を加筆修正
★2024/09/06〜ホトラン入り感謝!
身代わり花嫁として嫁ぎましたが、どうやら旦那様も身代わりのようです?
秦朱音@アルファポリス文庫より書籍発売中
恋愛
「君を愛するつもりはない」
伯爵令嬢リゼット=ヴァレリーは父や妹から疎まれ、使用人同然の生活を送っていた。ある時、妹のソフィに持ち上がった縁談の身代わりとして、女癖の悪さで有名なリカルド=シャゼル辺境伯に嫁ぐことになってしまう。
結婚式にすら現れなかったリカルドから初夜の晩に「君を愛するつもりはない……今のところは」と言われてショックを受けるリゼット。
でも、ちょっと待って。「今のところは」ってどういう意味?
それにこの人、なんだか挙動不審。私に何か隠してるんじゃないの?
HOTランキング6位ありがとうございます!(2022.3.23)
完結しました、ありがとうございました!(2022.4.6)
婚約破棄された孤児の私、隣国で農園経営を楽しむ ~宗主国の伯爵令嬢に婚約相手を奪われた結果、何故かその伯爵令嬢から嫉妬される~
絢乃
恋愛
孤児院の出である主人公アイリスは、伯爵家の対外的なアピールのため、伯爵令息ライルと婚約関係にあった。
そんなある日、ライルと宗主国の貴族令嬢ミレイの縁談が浮上。
願ってもない出世話にライルは承諾し、アイリスに事情を説明する。
アイリスも納得し、二人は円満に婚約を破棄する。
かくして伯爵家を出ることになったアイリス。
だが、対外的には「彼女が不貞行為をしたことで婚約破棄に至った」という話になっているため生活に苦労する。
やむなく宗主国の片田舎に引っ越したアイリスは、やる気の欠片もない農園に就職。
そこで才能を発揮し、業績を拡大していく。
しかし、この農園の経営者には秘密があった。
その秘密を知ったミレイは、アイリスに勝手な嫉妬心を抱く。
アイリスは農園で楽しく働き、ライルはミレイとの婚約に喜ぶ。
しかし、ミレイだけは幸せになれないのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる