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11話
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ラオネスを大規模都市にしているのは、漁業と商業と海運業の三本柱だが、造船業も忘れてはならない。
この地の造船業は古い歴史を持ち、国一番の造船場を抱えている。
今は友好国になっている南の大国レナルレも、戦の時代には、この地の権益や造船技術を手に入れたがっていた。
当時のラフォング辺境伯ひきいる南方騎士団が、ラオネスを目指して侵攻してきたレナルレの大軍を打ち破ったというのは、国民の誰もが知っている話だ。
ちなみに、この時の戦いでテュレンヌ家は武功を立てて、侯爵へと陞爵している。
それから、大きな戦火をまぬがれたラオネスは戦後に益々の発展をみせていき、特に造船業は目をみはるものがあった。
ラオネスの船大工といえば、優れた職人がそろっていることで有名で、他国からも造船の依頼が後を絶たないという。
「超一流と言われるラオネスの造船が見学できるなんて楽しみだなぁ~」
「王都では絶対に見ることができないものですからね」
騎士と侍従を連れて領主館の廊下を歩きながら、僕はフレデリクの言葉に頷いた。
今日は、兄から造船場の見学に誘われている。
造船中の大型船に乗せてもらえると聞いて、朝からわくわくと胸を躍らせていた。
「マリウスもね、ラオネスで船に乗ってみたかった~! って書いてたよ」
騎士になるために、ラフォング辺境伯領にある都市ボネリーで厳しい修業に励んでいる、僕の専属衛兵であるマリウス。
彼とは書簡のやりとりをしていて、僕のラオネス滞在も知らせていた。
そして、今朝、ちょうどボネリーから新たな便りが届いたのだ。
「あ! あとね、ラオネスにもソレル商会の支店があるらしくて、マリウスの一番上のお兄さんが支店長をされてるんだって。お会いしてみたいけど、僕が会いたいって言ったら迷惑かなぁ」
マリウスの実家であるソレル商会には、非常にお世話になっている。
お兄さんには挨拶ぐらいしておきたいが、第三王子が会いたいと言えば、負担になるだろうか。
「こちらでは社交界に商人も出席しますから、有力商家であるソレル家も顔を出されていると思いますよ。それとなく、夜会でご挨拶できるようにしましょうか」
「いいねっ。偶然会ったから、軽く挨拶しようっていうやつ! その方向で調整をよろしくお願いします!」
「かしこまりました」
エヴァンの素晴らしい提案に、僕は軽い足取りで階段をおりていく。
今日も少し動くだけで、軽く汗ばむぐらいの陽気だ。
「ボネリーは王都に比べて暖かいってマリウスが書いてたけど、ラオネスもなかなかだよね」
国の西南部にあるラオネスは、中央部の王都よりも気温が高い。
公式の場ではないということで、今回は上着を着るのを控えたほどだ。
「社交界にお出ましになる時以外は、今日のようなお召し物で充分ですね」
エヴァンの言葉に大きく賛同しながら、僕は自分の服を見下ろした。
いや、充分ではない……かもしれない。
「……ねぇ、エヴァン。服を仕立ててもらう時って、意匠については何も注文してないよね?」
「はい。特には」
「僕の気のせいかな……作ってもらう度に、可愛らしい意匠になってない?」
フリルの量や装飾のデザイン。全体の色味。
どう見ても、二十歳目前の王子が着るようなものではない。
「……確かにどんどん愛らしい意匠になっていますが、仕方のないことだと思います」
「えっ? どういうこと!?」
「王族の方々が針子と対面することはありませんが、テオドール様は例外でいらっしゃる」
「確かに、何度か針子さんには会ってるけど……」
フレデリクのマントの時と、巾着袋をプロデュースした時にも会っていた。
「どのような御方か直接見知っていると、仕立てる際に意匠も考えやすいのでしょう」
「……つまり、この可愛い意匠は、僕の印象に合わせてるってこと?」
エヴァンは微笑みながら頷いた。
「複雑な気分だよ……。僕のことを考えて作ってくれてるのは嬉しいけど、ちょっと可愛すぎない?」
「とてもお似合いですよ。お悩みになる必要はないと思います」
「…………」
侍従とは逆側から声がして、僕はそちらに無言で視線を向ける。
そこには、エヴァン以上に微笑むフレデリクがいた。
この騎士の意見は全く参考にならない。
何故なら、彼は僕が可愛らしい服を着ることを好んでいるふしがあるからだ。
ほんっとに僕を子ども扱いしてるよなぁ!!
そりゃあ、六歳も年下で、ろくに人生経験を積んでないバカ王子なんて、幼い子どもと同じようなものかもしれないけどさぁ!!
「……分かったよ。せっかく僕に似合うようにって作ってくれてるしね」
色々と思うところはあったが、服のデザインについては早々に諦めて、僕は今日の予定へと焦点を合わせた。
「エヴァン。兄上は先に行ってるんだよね?」
「はい。造船場で会議があるとのことで」
「今日も忙しそうだね。なるべく邪魔をしないようにしないと」
館を出ると、玄関先に馬車が止まっていた。
僕はお尻の鈍痛を思い出して顔をしかめそうになったが、造船場までの短い距離ならば、何てことはないだろう。
御者が馬車の扉を開けたので、今日は騎士のエスコートを受ける前に乗り込んでやろうとした瞬間。
小さなものがいくつも馬車から飛び出してきた。
え――!?
それが何か認識する前に、僕はフレデリクに横抱きにされて、馬車から距離をとっていた。
「い、今のは……」
「ネズミです」
フレデリクの硬く低い声と共に、残っていたネズミが一匹ほど馬車から走り去っていった。
「大変申し訳ございませんっ!」
御者が血相を変えて謝罪してくる。
「さ、先程、確認した時には――」
今にも泣きだしそうな顔をしている御者。
当然だ。王子が乗る馬車にネズミだなんて大失態である。
この様子からして、きっと隙をついてネズミを仕込まれたのだろう。
だが、犯人が誰であれ、馬車を管理していた彼の責任問題になる。
一方的に非難はしないから落ち着いて、と声をかけようとしたら、エヴァンが口を開く方が早かった。
「テオドール様。早急に新しい馬車を手配いたします。こちらの御者には、詳しい聴取を行いますので」
「う、うん……分かったよ。僕は大事にするつもりはないからね」
「心得ております」
エヴァンの指示で、謝罪を繰り返している御者と、空の馬車が目の前から去っていく。
「フレデリク、ありがとう。もう下ろしてくれていいよ」
僕を横抱きにしたまま、強張った表情を浮かべているフレデリク。
「このような稚拙な嫌がらせが、テオドール様のお目に触れるなど、あってはならないことです」
怒りをにじませた声に、護衛騎士としての遺憾の思いが現れている。
確かに、馬車からネズミだなんて子供のいたずらだ。
警備の面から考えても、王都ではありえないことだ。
「……僕を歓迎してくれてる人ばかりじゃないだろうしね」
この地にだって、僕の悪行に嫌な思いをした人がいるかもしれない。
恨んでいる相手が、何もなかったかのような態度で社会勉強に来たら、ネズミの十匹でも仕込みたくなるかもしれない。
「御身が危険にさらされる理由は、この世に一つとしてありません」
力強く言いきると、フレデリクは僕を抱く力をぎゅっと強くした。
「フレデリク……」
アクアマリンの瞳にまっすぐ見つめられると、僕は何も言えなくなった。
この地の造船業は古い歴史を持ち、国一番の造船場を抱えている。
今は友好国になっている南の大国レナルレも、戦の時代には、この地の権益や造船技術を手に入れたがっていた。
当時のラフォング辺境伯ひきいる南方騎士団が、ラオネスを目指して侵攻してきたレナルレの大軍を打ち破ったというのは、国民の誰もが知っている話だ。
ちなみに、この時の戦いでテュレンヌ家は武功を立てて、侯爵へと陞爵している。
それから、大きな戦火をまぬがれたラオネスは戦後に益々の発展をみせていき、特に造船業は目をみはるものがあった。
ラオネスの船大工といえば、優れた職人がそろっていることで有名で、他国からも造船の依頼が後を絶たないという。
「超一流と言われるラオネスの造船が見学できるなんて楽しみだなぁ~」
「王都では絶対に見ることができないものですからね」
騎士と侍従を連れて領主館の廊下を歩きながら、僕はフレデリクの言葉に頷いた。
今日は、兄から造船場の見学に誘われている。
造船中の大型船に乗せてもらえると聞いて、朝からわくわくと胸を躍らせていた。
「マリウスもね、ラオネスで船に乗ってみたかった~! って書いてたよ」
騎士になるために、ラフォング辺境伯領にある都市ボネリーで厳しい修業に励んでいる、僕の専属衛兵であるマリウス。
彼とは書簡のやりとりをしていて、僕のラオネス滞在も知らせていた。
そして、今朝、ちょうどボネリーから新たな便りが届いたのだ。
「あ! あとね、ラオネスにもソレル商会の支店があるらしくて、マリウスの一番上のお兄さんが支店長をされてるんだって。お会いしてみたいけど、僕が会いたいって言ったら迷惑かなぁ」
マリウスの実家であるソレル商会には、非常にお世話になっている。
お兄さんには挨拶ぐらいしておきたいが、第三王子が会いたいと言えば、負担になるだろうか。
「こちらでは社交界に商人も出席しますから、有力商家であるソレル家も顔を出されていると思いますよ。それとなく、夜会でご挨拶できるようにしましょうか」
「いいねっ。偶然会ったから、軽く挨拶しようっていうやつ! その方向で調整をよろしくお願いします!」
「かしこまりました」
エヴァンの素晴らしい提案に、僕は軽い足取りで階段をおりていく。
今日も少し動くだけで、軽く汗ばむぐらいの陽気だ。
「ボネリーは王都に比べて暖かいってマリウスが書いてたけど、ラオネスもなかなかだよね」
国の西南部にあるラオネスは、中央部の王都よりも気温が高い。
公式の場ではないということで、今回は上着を着るのを控えたほどだ。
「社交界にお出ましになる時以外は、今日のようなお召し物で充分ですね」
エヴァンの言葉に大きく賛同しながら、僕は自分の服を見下ろした。
いや、充分ではない……かもしれない。
「……ねぇ、エヴァン。服を仕立ててもらう時って、意匠については何も注文してないよね?」
「はい。特には」
「僕の気のせいかな……作ってもらう度に、可愛らしい意匠になってない?」
フリルの量や装飾のデザイン。全体の色味。
どう見ても、二十歳目前の王子が着るようなものではない。
「……確かにどんどん愛らしい意匠になっていますが、仕方のないことだと思います」
「えっ? どういうこと!?」
「王族の方々が針子と対面することはありませんが、テオドール様は例外でいらっしゃる」
「確かに、何度か針子さんには会ってるけど……」
フレデリクのマントの時と、巾着袋をプロデュースした時にも会っていた。
「どのような御方か直接見知っていると、仕立てる際に意匠も考えやすいのでしょう」
「……つまり、この可愛い意匠は、僕の印象に合わせてるってこと?」
エヴァンは微笑みながら頷いた。
「複雑な気分だよ……。僕のことを考えて作ってくれてるのは嬉しいけど、ちょっと可愛すぎない?」
「とてもお似合いですよ。お悩みになる必要はないと思います」
「…………」
侍従とは逆側から声がして、僕はそちらに無言で視線を向ける。
そこには、エヴァン以上に微笑むフレデリクがいた。
この騎士の意見は全く参考にならない。
何故なら、彼は僕が可愛らしい服を着ることを好んでいるふしがあるからだ。
ほんっとに僕を子ども扱いしてるよなぁ!!
そりゃあ、六歳も年下で、ろくに人生経験を積んでないバカ王子なんて、幼い子どもと同じようなものかもしれないけどさぁ!!
「……分かったよ。せっかく僕に似合うようにって作ってくれてるしね」
色々と思うところはあったが、服のデザインについては早々に諦めて、僕は今日の予定へと焦点を合わせた。
「エヴァン。兄上は先に行ってるんだよね?」
「はい。造船場で会議があるとのことで」
「今日も忙しそうだね。なるべく邪魔をしないようにしないと」
館を出ると、玄関先に馬車が止まっていた。
僕はお尻の鈍痛を思い出して顔をしかめそうになったが、造船場までの短い距離ならば、何てことはないだろう。
御者が馬車の扉を開けたので、今日は騎士のエスコートを受ける前に乗り込んでやろうとした瞬間。
小さなものがいくつも馬車から飛び出してきた。
え――!?
それが何か認識する前に、僕はフレデリクに横抱きにされて、馬車から距離をとっていた。
「い、今のは……」
「ネズミです」
フレデリクの硬く低い声と共に、残っていたネズミが一匹ほど馬車から走り去っていった。
「大変申し訳ございませんっ!」
御者が血相を変えて謝罪してくる。
「さ、先程、確認した時には――」
今にも泣きだしそうな顔をしている御者。
当然だ。王子が乗る馬車にネズミだなんて大失態である。
この様子からして、きっと隙をついてネズミを仕込まれたのだろう。
だが、犯人が誰であれ、馬車を管理していた彼の責任問題になる。
一方的に非難はしないから落ち着いて、と声をかけようとしたら、エヴァンが口を開く方が早かった。
「テオドール様。早急に新しい馬車を手配いたします。こちらの御者には、詳しい聴取を行いますので」
「う、うん……分かったよ。僕は大事にするつもりはないからね」
「心得ております」
エヴァンの指示で、謝罪を繰り返している御者と、空の馬車が目の前から去っていく。
「フレデリク、ありがとう。もう下ろしてくれていいよ」
僕を横抱きにしたまま、強張った表情を浮かべているフレデリク。
「このような稚拙な嫌がらせが、テオドール様のお目に触れるなど、あってはならないことです」
怒りをにじませた声に、護衛騎士としての遺憾の思いが現れている。
確かに、馬車からネズミだなんて子供のいたずらだ。
警備の面から考えても、王都ではありえないことだ。
「……僕を歓迎してくれてる人ばかりじゃないだろうしね」
この地にだって、僕の悪行に嫌な思いをした人がいるかもしれない。
恨んでいる相手が、何もなかったかのような態度で社会勉強に来たら、ネズミの十匹でも仕込みたくなるかもしれない。
「御身が危険にさらされる理由は、この世に一つとしてありません」
力強く言いきると、フレデリクは僕を抱く力をぎゅっと強くした。
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