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ローズ②
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如月カオリの語りの後、背後のローズが声を出した。
「あら、あなたは?・・」
ローズは、サツキさんの体を舐め回すように見て、「あなたには、会ったことがあるわね」と言った。
何やら考えるような表情をした後、
「そうそう・・あなた、昔、B型ドールだった子じゃない」と大きく言った。
ローズは、サツキさんのことを知っているのか?
すると、サツキさんは、
「ワタシもあなたを存じ上げています」と丁寧に応えた。
サツキさんも知っているドールか。
少し当惑気味のサツキさんを見て、
「えっと・・あなたの名前は・・たしか、NO187番だったかしら?」と思考内を探るように言った。
「そのS型ドールには『サツキ』という名前があるそうよ」
如月カオリが横やりを入れる。
「あ~ら、B型のくせに、一人前に名前なんて付けてもらったのね」
ローズは小ばかにしたように言った。
そして、サツキさんの体を鑑賞するように見ながら、
「それにしても、うまく化けたものねえ」と言った。
ローズがそう言った時、サツキさんが小さな声で、
「イムラさんも彼女には会っているはずです・・ワタシがお座敷で組み敷かれていた時、私の首をねじったのは、あのドールです」
えっ・・あの飲み会でサツキさんに虐待めいたことをしていたドールが、このローズ?
僕の疑問と同時に、
「でも、なぜですか? 顔が違います・・」とサツキさんが疑問を呈した。
サツキさんの言う通りだ。あの飲み会で見た時のA型ドールと、顔が違うし、スタイルも違う。前は、スリムな体型だったはずだし、顔も無機質的だった。
だが、ローズは、扇情的なプロポーションに、男好きのするような瓜実顔。
これが、同じドールなのか?
すると、如月カオリが、
「ローズ・・この人達に説明してやりなさい」と指示した。
如月カオリの一声で、ローズが、
「ワタシの所有者が、もっと、いい体を作ってくれたのよ」と言った。
確かに、フィギュアプリンターは材料さえあれば、何体でもドールを創れるらしい。
しかし、出来上がったものは全て個別のはずだ。
人間でいうところの、同じ親から生まれた兄弟でも、心は別、ということだ。
だが、ローズは、こう言った。
「そして、その体に、お引越しをしたわけよ」
「引っ越し?」
「AIの移動よ」と言った。
AIの移動・・思考中枢のAIの移動ということか?
想像するに、新しく作ったセクシー系のドールの器に、従前の思考AIを入れ込んだということか。
便利なのか、やってはいけないことなのか、わからない。
「お二人さん。これでわかったでしょう?」
と、二人が僕とサツキさんに向かって言った。
そんな口調で言われると、僕とサツキさんの方が下位レベル的な存在に思える。
「変わったのは、見かけだけじゃないのよ。ワタシのパワーは以前の数倍あるわ」
そうローズは体を誇示するようにして言った。
確か、A型ドールのインプットシートには、そんな箇所もあったと記憶している。
その力、腕力も調整できる・・それは一般的な人間の男以上にすることも可能だ。
まずいな・・
前には、如月カオリという碧い瞳の女豹ドール。
そして、出口側には、パワーアップしたセクシー系のローズ。
この二人のドールの腕力がどれほどのものかは未知数だが、
僕とサツキさんは囲まれている。
イズミは充電切れのまま、如月カオリの足元に転がったままだ。
「あら、あなたは?・・」
ローズは、サツキさんの体を舐め回すように見て、「あなたには、会ったことがあるわね」と言った。
何やら考えるような表情をした後、
「そうそう・・あなた、昔、B型ドールだった子じゃない」と大きく言った。
ローズは、サツキさんのことを知っているのか?
すると、サツキさんは、
「ワタシもあなたを存じ上げています」と丁寧に応えた。
サツキさんも知っているドールか。
少し当惑気味のサツキさんを見て、
「えっと・・あなたの名前は・・たしか、NO187番だったかしら?」と思考内を探るように言った。
「そのS型ドールには『サツキ』という名前があるそうよ」
如月カオリが横やりを入れる。
「あ~ら、B型のくせに、一人前に名前なんて付けてもらったのね」
ローズは小ばかにしたように言った。
そして、サツキさんの体を鑑賞するように見ながら、
「それにしても、うまく化けたものねえ」と言った。
ローズがそう言った時、サツキさんが小さな声で、
「イムラさんも彼女には会っているはずです・・ワタシがお座敷で組み敷かれていた時、私の首をねじったのは、あのドールです」
えっ・・あの飲み会でサツキさんに虐待めいたことをしていたドールが、このローズ?
僕の疑問と同時に、
「でも、なぜですか? 顔が違います・・」とサツキさんが疑問を呈した。
サツキさんの言う通りだ。あの飲み会で見た時のA型ドールと、顔が違うし、スタイルも違う。前は、スリムな体型だったはずだし、顔も無機質的だった。
だが、ローズは、扇情的なプロポーションに、男好きのするような瓜実顔。
これが、同じドールなのか?
すると、如月カオリが、
「ローズ・・この人達に説明してやりなさい」と指示した。
如月カオリの一声で、ローズが、
「ワタシの所有者が、もっと、いい体を作ってくれたのよ」と言った。
確かに、フィギュアプリンターは材料さえあれば、何体でもドールを創れるらしい。
しかし、出来上がったものは全て個別のはずだ。
人間でいうところの、同じ親から生まれた兄弟でも、心は別、ということだ。
だが、ローズは、こう言った。
「そして、その体に、お引越しをしたわけよ」
「引っ越し?」
「AIの移動よ」と言った。
AIの移動・・思考中枢のAIの移動ということか?
想像するに、新しく作ったセクシー系のドールの器に、従前の思考AIを入れ込んだということか。
便利なのか、やってはいけないことなのか、わからない。
「お二人さん。これでわかったでしょう?」
と、二人が僕とサツキさんに向かって言った。
そんな口調で言われると、僕とサツキさんの方が下位レベル的な存在に思える。
「変わったのは、見かけだけじゃないのよ。ワタシのパワーは以前の数倍あるわ」
そうローズは体を誇示するようにして言った。
確か、A型ドールのインプットシートには、そんな箇所もあったと記憶している。
その力、腕力も調整できる・・それは一般的な人間の男以上にすることも可能だ。
まずいな・・
前には、如月カオリという碧い瞳の女豹ドール。
そして、出口側には、パワーアップしたセクシー系のローズ。
この二人のドールの腕力がどれほどのものかは未知数だが、
僕とサツキさんは囲まれている。
イズミは充電切れのまま、如月カオリの足元に転がったままだ。
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