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準備

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そうこうして家に戻ってきたが、葉華は口をぽかんと開けて唖然としていた。
「広いねぇ……」
そしてポツンと一つ呟いた。
そうか?と返そうとしたが、葉華から見ればどの家も大きいと思うだろう。やめておいた。
「葉華たちの部屋は二つ用意しとくからな」
「う、うん、ありがと……」
ずっと呆気に取られているみたいだ。
「取り敢えず座れよ、何か飲むか?」
「あ……お茶を」
「了解」
リビングの食卓用テーブルに座らせた。
ちびっ子たちがやけに静だと思ったら、ソファで四人仲良く眠りについていた。余程気を張ってたんだな。
「ら、雷斗は一人でここに?」
「ん、いや。妹と二人でな」
「え、ええ。広すぎなんじゃ」
「正直な」
俺は苦笑いして答えた。
「ま、でも師匠が準備してくれたし、俺はお金払ってないから文句は言えないよ」
「師匠って……」
「ああと、天王寺曜子……元首相だな」
「え……ええええええええ!?」
まあ、凄く驚かせてしまうのは予想の範囲内だ。でも、色々と知って貰っていた方がこっちも気楽だからな。
「そ、それで妹さんは……?部活?」
「いや、あいつは学校行ってないぞ」
「じゃ、じゃあ、えと、言いにくいけど、引きこもり、なの?」
「いや、バリバリ外にいる」
「不良なの?」
「そんな子に育てた覚えはありません!」
「じゃあどこに……」
「仕事だよ」
「いくつ?」
「今年で十五だったかな?」
「まだ中学生か高校生じゃん!」
「実力主義だからな、この世界は。あいつの実力は異常だし」
「そう、なんだ……、雷斗の家計は凄いね……」
「職業は聞かないのか?」
「……聞いて欲しいの?」
先に言っておくが俺はシスコンではない。確かに妹が凄いと言われ、凄く嬉しい。
職業を教えて驚かれたら俺は凄く嬉しいから、今にやけ顔でソワソワして仕事を聞いてるのを待っているかもしれない。
兄である俺が鼻が高いだけであって、決して決して帰ってきたら抱きしめたり、頭を撫でてあげようなんて考えてはいないんだからね。
「うん」
「素直だね。それで職業は?」
「軍の最高司令官だ」
「ぐ、軍の……!?」
「最高司令官だ!!」
「え、ええええええええええええええええ!」
「驚いてくれてありがとう」
由梨花……俺は兄としてお前を誇らしく思うよ。抱きしめたい……、ああ、由梨花。
「そ、そりゃあ驚くよ!!だって軍でしょ?入るのも大変なのに……一番お偉いさんなんて」
「スカウトされてな」
「そ、そんな軍が!女優のスカウトみたいに!!」
「ああ、あいつは女優でもやってけるだろうなぁ。可愛いからなぁ」
「シスコンなの?」
「いや?」
シスコンではない。……シスコンではない。

「お兄……ちゃん?」

と、葉華の大切な宝石ちゃんたちが目覚めた様だ。
「あ、ごめん、煩かったかな?」
「ううん……」
ぎゅるるるるる……。
四人とも同時にならす技術どこで身に着けた。
皆お腹を押さえ、切ない顔をしている。
「さて、ご飯にするか。三十分くらいで作るから、待っててくれ」
「う、うん……ありがとう」
五人分の料理は作った事ないけど、、ま、何とかなるだろう。







朝が来た。三日目の朝だ。葉華もちびっ子たちも俺の家に慣れ、少しずつ生活が馴染んだ頃。
あいつらとの戦いは今日だった。
「雷斗?アリーナで最後の調整頼める??」
「勿論だ」
随分打ち解けたもんだ。こいつから率先して頼ってくれるなんて……お父さん嬉しい!
「さ、行こうか」

「「「「いってらっしゃーい!!」」」」

元気の良いことで何よりだ、ちびっ子たち。そんなちびっ子達にはいつも元気を貰っていた。
「行ってきます!!」
表情も明るくなって良いことだな。あとは根底をぶち壊すだけ。
後ろに誰かの気配?
と思ったが後ろを振り返っても誰もいない。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
気のせいだったか?




「危ない危ない……」
雷斗の気配察知は間違っていなかった。
百メートルは離れたどこかのマンションの屋上でスコープを覗き込みながら葉華を監視している奴がいる。
そいつは気配を察知され直ぐにスコープから目を離す。
冷や汗をかいちまったぜ……。勘の鋭い野郎だ……。
だが、残念だったな!お前らの家は把握させてもらった……。あとはあのちび共を拉致って……。
ジ・エンド、だな!!
男は満面の笑みを誰もいない所で向けた。そしてポケットを弄り携帯を取り出す。
「もしもし、俺です……」
「……誰?」
格好がつかなかった。
まあ、良い。三日目……俺達が先に仕掛けさせてもらうぜ……。
魔女の様に笑うその男は随分と上機嫌だ。




「準備は万端ですね」
「ああ、二人とも助かったよ」
「い、いや、雷斗のおかげだよ?全部」
俺、千鶴、葉華の三人はアリーナで集まり戦闘前に体を温めていた。
「にしてもこの三日で雷斗に歯が立たなくなっちゃうなんて……」
「いやいや、葉華には攻撃一杯貰ったけどな。千鶴には勝ち目ないし」
「お二人共何故ご謙遜を……。雷斗様はこの短時間でスロット2まで開放し扱うなど流石としか言えませんし、風間さんはそんな雷斗様と拮抗している。もっと自分を驕ってもいいのですよ?」
「上を目指さなきゃいけないから、こんなとこで立ち止まってられないんだよ」
「にしても雷斗?」
「なんだよ」
「今日仕掛けるって言ってたけど」
「うん」
「具体的にどうするの?相手のアジトも分からないし……」
「まあ、帰ったら分かるさ。ちび達にはチャイムが鳴っても無視しとけって言っておいたし、煩い音でも気にせず寝とけって言っておいたからな」
「?」
首を傾げ疑問符を浮かべる葉華だが、まあ詳しく話すだけややこしくするだけだし
「帰ったら分かる」とだけ伝えておいた。
「何か考えがあってのことだね」
「雷斗様の事ですからね」

「あああ!ダーリン、いたぁ!」

ダーリン?聞き覚えのある変態の声がする。
「………………………………はあ………………………………………………」
「嫌そうな顔に長すぎる間とため息!そんなに私は面倒くさいですかい!!」
水瀬 美衣。やはりこの元気な声を聞くだけでなんか疲れる。
「貴方に恋する女に向ってなんて顔!!」
いつの間にそんな元気っ子キャラにクラスチェンジしたんだこいつ。
ってか何故ここが分かったんだ?怖い
一度は一緒に登校していた(強制)が俺の登校時間が早まって顔を合わせる機会はなくなった(歓喜)な筈だが。別に嫌いって訳じゃないが。
「変態への敬意だよ」
そう過度な変態なんだよ。
「それは敬意というか侮蔑の類の顔だよ!?」
「…それで今日は何の用だ?」
「え……?会いたくて探してたら見つけたから嬉しくて声を掛けたんだよ!」
な……急に素直な美少女の顔はずるい……。
「美少女の仮面被るな変態!」
「わー!美少女だって!やったね!って雷斗君達は何やってるの?授業中だよ?」
「自由参加だろ?そんな事よりしないといけないことがあるからな」
「じゃあまだこれから特訓?」
「いや今日は帰るとこだ」
「家に?」
「ああ」
「ははーん」
美衣は俺の顔をわざわざ下から覗き込んで悪戯っ子の様に笑った。
「な、なんだよ」
「何か隠してますね!?」
ギクッ。
「そ、そんな馬鹿な事はない、けど?」
「あはは、顔に出すぎだよ雷斗君!」
「内容聞いてどうするんだ?美衣」
「もう分かってるから言わなくても言いよ、あははは」
「はあ?」
楽しそうに笑う美衣はどこまでも不思議だな。
「風間葉華君」
「へ!?は、はい!!」
急なご指名に上ずった声を出す葉華。完全に蚊帳の外立ったもんな、仕様がない。
「千鶴ちゃん!」
「はい!」
いつまで対抗意識を向けてんだ千鶴は。
「今回は葉華君の問題だね?その問題に雷斗君が人肌脱ぐと。ほうほう、特訓も良い頃合いだし、敵のアジトに乗り込むと」
「お前全部知ってるだろ」
「あはは、そう言う能力もあるからねー」
「自慢しに来たのか?」
他にも能力持ってんのか?だとしたら結構侮れないが……なんであの時弱い振りなんかを。
「いやいや!手助けだよ!!」
「手助けぇ?」
「なーんでそんな訝しげな顔するのぉ!?」
「いやだってなぁ」
「ほんとなんだよ!!敵は結構いるから人手はいるんだよ!!」
なんでそんなところまで分かってんだよ。
「だとしてもな」
「なぁに?」
「いや、お前がわざわざケガする必要はないだろう……」
「ええ!!心配してくれるの!?優しい!濡れちゃ……「変態が!」」
「でも本当に心配してくれるんだよね?」
「まあ、そうだな」
「惚れちゃうよそんなん」
「時たま見せる恥じらいある女の演技辞めろ」
「演技じゃないよ!?それで私も付いて行っていい?」
「戦えるのか?あの時とは多分レベルが違うぞ?」
「余裕だよ!!」
「その真意は?」
「ほんとだってば!もー疑り深いなぁ。あの時は疲労で能力が使えなかったけど!今なら大丈夫だから!!」
「お前の一つの能力って観察眼か何か?」
「ご明察!!私は人を見ただけで外見の情報、内面の思考なんかを読み取れちゃうのさ!!疲れるから戦闘中だけに限ってだけどね?」
結構チートだな。更にまだあるって事はこいつ千鶴と肩並べられるくらいの力……。
「ね?大丈夫でしょ!?」
まあ、敵の戦力も分かってる、それでいて大丈夫って言ってる、敵も多いって言ってたしな。
「本当にいいのか?」
「いいんだよ!キスしてくれるd「よし帰っていいぞ!!」」

「待って待ってぇ!!慈悲もない!私を置いて踵を返す君の速度に慈悲もない!!」
何か足が重いと思えば、美衣が体全体で必死にしがみ付いていた。
「抱きしめるだけd「さあ、行こう!冒険の始まりだー」」
足に美衣が付いているがまあ気にすんな、突き進むんだ俺。
「冗談!冗談だから!止まってぇ!!」
「なんだよ、まだ付いていたのか?」
「そんな虫みたいに!!……本当に恩返ししたいのは本当なんだよ?君が困ってるし、好きな人を助けたいと思うのは不自然かな?」
「不自然ではありません」
うお、急に千鶴が乱入してきた。
「千鶴ちゃん!!」
「その気持ちわかります!!雷斗様を慕っての事ですね!?」
「うん!」
「その偽りない眼差し!尊敬いたします。雷斗様!」
「はい」
「美衣さんも連れて行きましょう!!いえ、連れて行きます!!」
「千鶴ちゃん……!!」
「……はあ」
こいつが変なこと言わなければ最初からそのつもりだ。
パーティに一人仲間が加わった。
そしてまたもう一人……。
一度家に戻ってきた。
「ああ、やっぱりか」
俺は家の周囲の状況を見て理解した。
「何かあったの?」
「ああ、奴らが来たみたいだな」
コンクリートが所々小さくだが隆起している。朝はなかった。あまり公にはしたくないのか、被害は小さめだな。
と、それより。
「夏鈴たちは無事なの!?」
ちびっ子がどうなってるかが優先だよな。寧ろ狙いはそっちだろうとは思っていた。公にしたくないのならば家を襲撃する前に人質を取って、といった感じか。
「大丈夫だ。結界は破られてないみたいだしな」
「結界を張っているのですか?」
「ああ、千鶴たちは知らないんだっけ」
「んー?何の話?」
「でも私達は結界の中へ入れますね?」
「軍用ご都合主義結界だからな」
「なにそれ!軍って!雷斗君何者なの!?」
分かってるくせに白々しいなこいつ。
「まあ、軍に頼んで結界張って貰ってんだよ。怪しい輩は全て排除してもらってる」
「ん?ずっと警備してもらってるって事ー?」
「そう言う事」
「すごっ!」
「流石ですね雷斗様」
「凄いのは俺じゃないけどな」
「それで雷斗。どうやってあの人たちを探るの?」
「この結界はな、もう一つ凄いところがあってな。結界に害を及ぼした輩にはもれなくGPSが付随する」
「ええ?どういう原理?」
「まあ、能力の一種だ。その人に直接聞いてくれ」
「それで追尾が出来るというわけですね」
「そ、しかも携帯でな。コンクリートの隆起は結界を破ろうとした証拠だろうし」
まあ、破れない所を見るとあいつらより弱い。そこは安心する。
取り合えずちびっ子の様子を見に部屋へ入った。
「大丈夫だったか?」
「「「「うん!」」」」
この元気と笑顔なら大丈夫そうだな。
「ピンポンいっぱい鳴ったけど出なかったよ!!!!偉い?」
「ああ、偉い偉い」
「大きな声と音が怖かったけどいっぱい我慢したんだー!!」
とても嬉しそうな声色が逆に怖いわ。
「よし、チビ達の安否も確認できたしそろそろ行くか」
「そだね!」
「大丈夫か?葉華」
「怖いけど、うん!」
俺達はチビ達の笑顔な見送りにほっこりしながら家を出た。と、そこでだった。

「天田!!」

そう俺を名字で呼ぶ聞き覚えのある声色をした男が眼前に立っていた。
「あんときの変態じゃん」
「矢口だ!!」
「で?その矢口君が何か用ですかい?」
「ようですかい?だと?」
やべ言葉に気を付けないとこいつの崇拝が……。って今日は法被着てないな、それに葉華の前にも現れるとは。
何を考えているのやら。
疑いの目を矢口にやると矢口は地面に膝をつき手を前に置いた。つまり土下座だ。
「何の真似だ?」
「すみませんでした!葉華様!天田!」
「ええ!僕!?」
なんか俺が二の次みたいな謝罪は解せないな。なんで謝ってんのか理解できないけど。
「俺は……俺は天田に言われて目が覚めた!それにあの男との戦闘。舐めていたのは俺で、正義という名の勝手な価値観を葉華様に押しつけて、俺は最低だった」
「そうだな」
「あはは!容赦ないね!雷斗君!」
事実だし。
「自分より弱い奴を相手にして、そいつらを葉華様から遠ざけて、守っていたなんてクソみたいな勘違いを……本当に恥ずかしい……。葉華様に人を近づけたくなかったのも、俺の勝手だった」
一人称変えたのか?
「能力に奢って……鼻を高くして…」
「は、はあ。ちょっと僕には心当たりがないというか……」
「ん?葉華知り合いじゃないのか?」
「初対面の人、だよ?」
少し引いたように怯える葉華を見るに事実だろうな。
「そう俺が全て馬鹿だった。本当に守るとは何なのか、……天田」
「何?」
「俺も付いて行っていいか?」
「俺に聞かないと付いてこないのか?」
「いや、俺は葉華様を守るために付いて行く。必ずお役に立って見せます!そして葉華様の笑顔を。……それが望みですから」
「負けても知らないからな?」
「そうならないように努力してきた!!」
ボロボロだもんな姿。
「じゃあ勝手についてこいよ」
「……おう!!」
そしてもう一人パーティが増えた。さて、寄り道はこれで終わりだ。
アジトへと到着した。
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