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パラディーゾ
光の世界、試される愛
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クテラ島南部 21:00 p.m.
まさか自分の名が出てしまうとは犯行をした時には思いもしなかった。教会で自己紹介をした際に得た印象―――我が強く、虚栄を張るだけの愚かな若者だと思っていた―――パラヘルメースは持ち前のいやらしさを持って不敵な笑みをたたえていた。
話を聞いて犯行を決心した自分に問いただしたい。なぜそこまで正義感に駆られてしまったの、と。
自分の犯罪がいつから始まったものか、それすら明確に意識できていなかった。想像できる最大まで計るなら、それは祖父の代まで遡ることになってしまうだろう。
祖父のことはよく知らない。自我が芽生えたちょうどその頃、この世を去った。重要なのはその妻、エリザベトだ。
祖父はそれは腕の立つ射手で、クロスボウを使うなら彼の右に出る者はいなかったと父は云う。平民でありながら貴族と一緒に射撃隊に入って、家族の生活を豊かにしてくれたそうだ。
後に一世紀戦争と呼ばれる戦いの終わり頃のことだ。祖父は突然エリザベトに起こされた。彼女はひどく狼狽した様子で懇願した。早くここを出てください、と。わけのわからぬ祖父は彼女に説明を求めた。
エリザベトは神に神託を受けたのだった。
一世紀戦争の間にも現れたオラクルを授かった者たち。戦姫として城を奪還した女性がいたように、エリザベトもまた神から未来の姿を見せられたのだ。
それは終末。彼女たちの住む町は再び敵軍の手にかかり、なすすべなく人々は蹂躙されるというものだった。
祖父は彼女の話を信じ息子、つまり父と共に町を脱した。エリザベトは出来るだけほかの人も助けるといって聞かず、離れた町で落ち合うことで合意した。
エリザベトは敵軍によって陥落した町で捕らえられた。神託を理由に人々を先導したことはすぐに敵の知るところとなり、陥穽的な異端審問にかけられて処刑された。祖父はその決断を晩年まで悔いた。戦争が調停されてなお異端者の家族という烙印は消えなかったからだ。追いつめられた家族は、結局隣国であるセレーネ帝国に移住した。移住した土地ではよそ者として差別を強いられたが、自分の代にまでなると皆の記憶からは薄れていった。
それはロミー・ハンナヴァルトという新たな名前によってもたらされたものだった。誇りを捨て、名を捨てる。それ自体大変な苦痛を伴うものだったが、祖母エリザベトが命をとして生かしてくれたと思うと挫けることはなかった。
だからあの時は歯止めがきかなかった。
祖父が体を悪くして動けなくなった頃の話。当時ロミーは10歳。彼女はエリザベトの話を信じ、崇敬の念を抱いていた。祖父のような優秀な射手になること、祖母のような気高き存在になることを心の底から望んでいた。
ある時、両親が席を外し、兄弟も寝ていた瞬間だった。祖父は思いもよらぬことを口走った。
「エリザベトが神託なんて受けなければ」
名手として名を馳せた故のプライドか、祖父は祖国を脱したことを後悔していた。そしてあまつさえその原因を自分の妻に転嫁した。ロミーは堪えようのない怒りが瞬時に沸点を超え、考えるよりも先に手が動いた。
椅子にだらしなく座る祖父の首に手をかけていた。ロミーは右利きだったが、不思議と左手にいつもより力が入ったような感じがした。
祖父の死は食べ物を喉に詰まらせて窒息したのだと大人たちは考えた。無論そう推理するよう現場を彼女が操作した。彼女に恐れはまったくなかった。あるのは怒りだ。祖父は祖母を裏切ったのだという底知れぬ怒りが静かにお腹の下あたりに燃え上った。
その事件の後からロミーは自分のクロスボウを左手に装着するようになった。そして「ザザ」と命名し、まるで人間のように話しかけて過ごした。周りの人間は気味悪がったが、一連のおままごとが心理的に作用してロミーの射撃の腕はめきめき上達していった。
射手としての力を示すにはまず武勲を立てることが必要だった。傭兵となり、戦争では飛ぶ鳥を落とす勢いで戦果をあげた。その際に自分の女性として生まれた体が足枷になった。
戦場とはどこまで行っても男性性に支配された空間だ。男の世界で女性が生きていくには、色眼鏡で見られること、そして性的な視線にさらされることを避けて通れない。だから極力外見で目立たないこと、傭兵として実力で黙らせることを志した。彼女が男勝りな屈強さを手にしたのはこうした努力あってのものだった。
人には使命があり、それに従うことこそ至上の喜びである。聖人が救いに使命感を得る様に、ロミーの中で形成された使命は無意識的に体を動かしていく。正義感の感度が異常に高いこと、それは彼女自身が認識せざる彼女に根差した使命だった。
レアンドロという男を見たとき、彼女の脳裏に祖父が浮かんだ。つまるところ、祖父と同じ殺すに値する存在をかぎつけた。
彼の人物像はあくまで彼女の直観が導いた予想に過ぎなかった。だが、それが確信に変わる出来事につきあたる。
見ず知らずのフランチェスコに仕事を押し付け、レアンドロの居る集団を覗きに行った。フランチェスコは戦奴という低い身分であるため断ることはないだろうと考えていたが、彼が不満をおくびにも見せず了承したことには驚いた。
レアンドロの印象は最悪の方向に傾いた。彼は食後の祈りの最中、自分の手元のディスクに向けられていた。奴には自分しかいない。世界は自分だけのものであり、たとえ神だとしても、それらすべてを踏み台にすることになんの違和感も持たない。奴はきっとこれまでも、これからも罪にまみれて生きていくのだ。ならば消してしまった方がいい。なんの因果か、彼の異常性に目を付けた彼女自身もまた異常者だった。
一方、フランチェスコへの印象は少し改まった。彼はエリザベトほど強い存在ではない。けれど祖父のように責任転嫁する弱さを持っていない。残酷な世界で歩き続ける強さのある人間だと妄想を膨らませた。だから襲撃にあった際は彼を救えるよう手を尽くした。
地下に籠城することになった夜、ロミーはエーレンフリートの元に訪れた。理由は特になかった。レアンドロの集団にいた人物の一人であり、情報を引き出すことに篭絡する手間や信頼が必要ないと、なんとなく感じ取ったためだと今は思う。
彼は訪ねた理由も聞かず、すぐに室内へ迎え入れた。ロミーは手短に切り出す。
「レアンドロについてだけど、彼イっちゃてるんじゃないの。こんな非常事態ですら調査をしたいだなんて普通じゃないわ。昨日の食事の時も祈りを放棄して石板を眺めていたわよ」
彼が信仰を失った人物であること。それをエーレンフリートに云えば不信感を植え付けられるに違いない。こちら側に引き込み、きな臭い奴の情報を聞き出すことができるはずだ。
「レアンドロ様はこの遺跡に相当ご執心だからな。前回の遺跡調査にも参加して唯一生き残った方だ」
ロミーは眉をひそめる。
「前回。たしか全滅したって聞いたけど、生き残りは一応いたわけね」
「ああ、レアンドロ様がそうだ。だが正直怪しいとは私も考えている」
意外にもエーレンフリートはロミーの想定した方向に自ら話題を変えていった。
10年前の調査では、遺跡直上に一定の人員を配置していた。調査期間は1週間と決められており、それを過ぎても帰還しない場合は突入して救助に向かうのだ。調査隊は1週間経っても戻らず、救助に向かった隊も帰らなかった。これによって遺跡は恐れられ、誰も近づかない場所になった。
それからさらに1週間後、突如レアンドロが発見された。恰幅の良い体はやせ細り、息も絶え絶えの状態で見つかった。場所は島の南海岸。
彼がどのようにして生き残ったのか。それを今回の調査員の誰に対しても教えていないことが最も疑わしく思う理由だった。レアンドロは脱出方法を知っていながら秘匿している疑いが持たれた。
どんな話の流れだったかよく覚えていないが、あわせてリュディガーが人質を取ってフランチェスコを利用していることを教えられた。すぐさまロミーは憤慨した。青年を弄ぶ人間の屑が我が物顔で組織を取り仕切っていたことに我慢ならなくなった。
そこまで云ってエーレンフリートは顔を青ざめた。
「このことは他言無用だ。特にあの方には絶対に」
ロミーにはあの方が誰だか分からなかった。直後フランチェスコが部屋を訪れ、壺を持って行った。幸い二人の話は聞かれていなかったようで、ロミーはほっと胸をなでおろした。
それから眠るまで、どうやって二人を殺害するか算段を立てた。殺人衝動はふつふつと煮えたぎり、その夜に実行することになんの疑いも抱かなかった。
ふとフランチェスコが持って行った壺を思い出す。彼はなぜあれを持っていたのだろう。
答えはすぐに得られた。レアンドロの部屋に壺と結ばれたロープがあった。ロープは布をつぎはぎして作られたもので、そこそこの長さがあった。
これは使えるはずだ。ロミーの頭の中で殺人計画が組みあがっていく。
まず下の階に移動する。壺を被って水中に隠れ、見回りの目を逃れる。その後はレアンドロを油断させたのちに昏倒させ、手足口を縛り上げる。
ただ殺すだけではいけない。彼は脱出方法を知っているに違いないのだから、情報を吐かせたうえで殺さなくてはならなかった。
殺しにはナイフを使用することに決めた。夕食の片付けの際、危険な状況になることを考慮してあらかじめくすねていたのだ。
人を黒獣病に感染させるやり方は元より知っていた。彼女は毒矢の応用で相手を黒獣病にする血矢を研究していた。どうすれば人が黒獣病に感染するかを熟知しており、今回の殺人はそれを生かすのにうってつけだった。
時刻は深夜2時。実行の時間だ。
服が濡れてしまっては後で違和感を持たれかねない。彼女は服を脱ぎ捨てると壺にナイフとロープ、ワインボトルを入れて階段を下った。階下の空気はひんやりとしていて、水面にはいることはためらわれた。
だが今やらないわけにはいかない。ロミーは壺を被って水に身を沈めた。
つめたい。まるで拷問だ。脇や膝の裏ができるだけ水に当たらぬよう、ぎゅっと体を丸めて時間を数えた。
カウントが240をすぎて水面から乗り出す。音を立てぬよう細心の注意で石室に向った。
レアンドロが生まれたままの姿のロミーを見たとき、目は今まで見たことないほど開かれていた。ちょうど黒・薄茶・白の三つの円が重なって射的の的のようだ。
「い、一体どうなされたですかな」
どもって云う。気遣った言葉だが彼の視線は露わになった乳房と女性器に注がれていた。汚らわしい男だ。その場で吐けと云われたらできてしまうような嫌悪感が胸につかえた。
「少し水浴びでもと思って」
苦しい言い訳だ。とはいえ、これから血を浴びて洗う必要があると考えるとあながち間違いでもない。
レアンドロは視線をそらし、肩に手を回して招き入れた。彼の腕に収まった瞬間は殺意を抑えることに必死だった。
それから彼がズボンをおろそうと背を向けたとき、ロミーは電光石火の速さで仕事にとりかかった。床に置いてある手頃な石の塊を後頭部にたたきつける。痛みで身動きが取れないところにのしかかり、まずは口。次に手を足をロープで縛り上げた。あらかじめロープの結び目を解き、使いやすい長さにしておいたことで効率的に遂行することができた。
意識を取り戻したレアンドロはうつ伏せの状態で身をよじってもがき始めた。次にもがもがと声にならない音を発する。この声量なら上まで届きはしないだろう。ロミーは目を細めると、レアンドロの髪の毛を右手でむんずと掴んで持ち上げる。
「あんまり音を立てると寿命が縮むよ。あんたはただ、うちの質問にはい・いいえで答えてくれればいい」
ロミーの中で彼を殺すことは決めていたが、それを伝えて開き直られることを避けた。自分が大事なレアンドロなら、生き残る可能性をほのめかした方が成果が上がるだろう。
「質問。あんたは10年前にもこの遺跡に来たことがある」
レアンドロは荒い鼻息と一緒に頷いた。表情からは恐怖がありありと伝わってくるから、自分のやり方は正解だったと手前みそに思った。
「よし、その感じで次の質問。あんたはこの遺跡から出る方法を知っている」
レアンドロの体が強直する。荒かった息も浅くなり、呼吸が上手くできていないようだ。図星だな、これは。
しかし、それからしばらく答を出さず、ロミーはいらいらが募り始めた。
今一度、力いっぱい髪を引っ張り上げる。嗚咽する声が小さく響いた。
「ねえ質問してるんだけど。答えなくても殺すわよ」
二、三度鼻水交じりの呼吸をして首を縦に振った。よし、それでいい。
それにしてもこの男、脱出方法を知りながらやはり自分たちには伝えなかったのだな。これは明確な裏切りだ。こちらは金のためとはいえ命を懸けているというのに。なぜ伝えなかったのかはわからない。次の次あたりに質問することにしよう。
「質問。脱出できる場所はどこ」
云い終えた瞬間に自分の間抜けさに気付く。この質問ははい・いいえで答えられない。場所を聞き出すには猿ぐつわを外す必要があるけれど、それをしたら真っ先に助けを呼ぶのが関の山だ。あてずっぽうでひとつひとつ質問するしかないかと肩を落とした時だった。
レアンドロの表情が無になっていた。何も読み取れない無表情。しいて云うなら、相手と自分の話がかみ合わずどうしようもなく戸惑っている顔。
ロミーは重大なミスを犯していた。彼女が脱出方法について一切の見当がついていないこと。その情報を知っているのはレアンドロの側であり、情報の優位性を生かせば立場を逆転できることを気付かせてしまった。
レアンドロの目尻が下がる。等間隔に腹が跳ねた。何をしているのか分からなかったが、しばらくして彼女は彼が笑っているのだと気付いた。会話の優先権は既に彼女の手を離れてしまっていた。
ロミーは掴んだ頭を床にたたきつける。ぺちっと人肌の柔らかい音が反響した。音は柔らかくとも痛みは強く、レアンドロは顔に何重もしわを作った。
「おい、てめぇ何笑ってんだ。今はうちが質問してるんだぞ」
言葉で攻めてもレアンドロの嘲笑は止まらない。屈辱だ。この男の醜悪な面が姿を現し、ロミーの怒りは最高潮になった。
左手で狙いすましたナイフはレアンドロの喉に突き刺さった。
ぶるぶると痙攣が続き、1分もしないうちに血をまき散らして動かなくなった。
計画は失敗だ。ロミーは冷静に現在の自分に言い渡した。彼が自分たちを裏切る理由も訊けずじまいだった。
反省を済ませると、ロミーは現場の工作に取り掛かった。
まずは縛っていたロープを外す。猿ぐつわに使ったロープはべったりと血を吸ってしまっていた。これでは戻した時に使ったことを疑われてしまう。仕方なく暖炉に火をつけ、そこで燃やすことにした。幸い手足を縛ったほうのロープには血が付いておらず、長さの変化は違和感のない程度に抑えられた。
次に喉からナイフを引っこ抜き、水で体と一緒に洗い流す。においは完全には取れなかったが、死臭が漂うこの遺跡では気づかれることもあるまい。
暖炉の部屋の隣、モンスターの入った壺を手にする。ずっしりと重く、ゆらすとタプタプと音を聞こえ、血が十分に溜まっていることを確認した。一度被るのに使った壺に適量を移し、その後でワインボトルに慎重に注ぐ。もしかすると、この作業が最も集中力を要したかもしれない。残る血は死体に振りかけるのに使う。レアンドロの死体を仰向けに起こし、血液は全体に撒きつつ感染しやすいよう口と喉を重点的にかけた。
最後に石室の扉を閉め、ロミーの犯行計画はほぼ完了した。あとは数十分後の見張り交代まで待機である。
第9階層の冷気は着々と体を蝕んでいた。指先はかじかみ、肩は小刻みに震え、お腹はぐるぐると痛み出す。暖をとって回復できたが、もう全裸になって行動するのはこりごりだと苦労が骨身にしみた。
第8階層の見張り位置から見えない角度で階段に潜む。ダミアンが場所を離れたことを音で確認すると、持ってきたものを詰めた壺を抱えて忍び足で自室に滑り込んだ。ただ一つ、ロープが燃え切らず暖炉の火を焚いたままにしてしまったことが心残りだった。壺を部屋の入口から見えづらい端に置くと、手早く服に身を包んで瞳を閉じた。疲れのせいか、すぐにロミーは眠りに誘われた。
ラルフに起こされた時、体は強い倦怠感に襲われた。ラルフも寝息をたてたことを確認すると、再びロミーは行動を開始した。
壺とロープを井戸に戻しに行く。血を混ぜたワインボトルをリュディガーの部屋ですり替える。そしてナイフの隠滅が最後に残った。
もしナイフを盗んだことが誰かに知られていたら、真っ先に自分が犯人と疑われるだろう。このまま持ち続けるには危険な品だ、早く処分するに限る。
頭を悩ませた末、ロミーが隠し場所に選んだのは第7階層だった。クロウル・ドラゴンの脅威によって今後1週間は人が寄り付く危険性がないためだ。
石畳をずらし、できるだけ遠くまでナイフを隠せる場所を探す。曲がり角から先を伺うと、ちょうどモンスターの食事時に出くわしてしまった。幸運なことにこちらに背を向けていて、動かない肉の方にご執心のようだった。
モンスターがいる場所は逆説的に犯人にとって好都合な場所だ。ロミーはナイフの切っ先を親指と人差し指で挟むと、アーチ状の軌道を意識して遠投する。宙を舞うナイフはモンスターの頭上を飛び越え、廊下の奥で金属音を立てた。クロウル・ドラゴンは音に引かれてロミーとは反対方向に消えた。
翌朝は慌しく人が往来し、レアンドロの死体発見までこぎつけた。綿密な犯罪計画によって推理は難航し、自分に疑いの目は全くかからなかった。意外だったのは、2時頃の犯行時刻が5時頃と誤解されたことだった。その結果ラルフが第9階層に幽閉されたが、疑いで済んでいるため罪悪感はまったく湧かなかった。どうせ1週間に辛抱なのだから。
そう、そのはずだった。ラルフは石室の中で死んでいた。そしてベアトリーチェもまた第9階層にて殺されていた。ロミー自身もこれには驚いた。犯人である彼女だからこその焦り。自分は手を下していないのに、なぜ被害者は二人も増えたのか。
まさか自分の名が出てしまうとは犯行をした時には思いもしなかった。教会で自己紹介をした際に得た印象―――我が強く、虚栄を張るだけの愚かな若者だと思っていた―――パラヘルメースは持ち前のいやらしさを持って不敵な笑みをたたえていた。
話を聞いて犯行を決心した自分に問いただしたい。なぜそこまで正義感に駆られてしまったの、と。
自分の犯罪がいつから始まったものか、それすら明確に意識できていなかった。想像できる最大まで計るなら、それは祖父の代まで遡ることになってしまうだろう。
祖父のことはよく知らない。自我が芽生えたちょうどその頃、この世を去った。重要なのはその妻、エリザベトだ。
祖父はそれは腕の立つ射手で、クロスボウを使うなら彼の右に出る者はいなかったと父は云う。平民でありながら貴族と一緒に射撃隊に入って、家族の生活を豊かにしてくれたそうだ。
後に一世紀戦争と呼ばれる戦いの終わり頃のことだ。祖父は突然エリザベトに起こされた。彼女はひどく狼狽した様子で懇願した。早くここを出てください、と。わけのわからぬ祖父は彼女に説明を求めた。
エリザベトは神に神託を受けたのだった。
一世紀戦争の間にも現れたオラクルを授かった者たち。戦姫として城を奪還した女性がいたように、エリザベトもまた神から未来の姿を見せられたのだ。
それは終末。彼女たちの住む町は再び敵軍の手にかかり、なすすべなく人々は蹂躙されるというものだった。
祖父は彼女の話を信じ息子、つまり父と共に町を脱した。エリザベトは出来るだけほかの人も助けるといって聞かず、離れた町で落ち合うことで合意した。
エリザベトは敵軍によって陥落した町で捕らえられた。神託を理由に人々を先導したことはすぐに敵の知るところとなり、陥穽的な異端審問にかけられて処刑された。祖父はその決断を晩年まで悔いた。戦争が調停されてなお異端者の家族という烙印は消えなかったからだ。追いつめられた家族は、結局隣国であるセレーネ帝国に移住した。移住した土地ではよそ者として差別を強いられたが、自分の代にまでなると皆の記憶からは薄れていった。
それはロミー・ハンナヴァルトという新たな名前によってもたらされたものだった。誇りを捨て、名を捨てる。それ自体大変な苦痛を伴うものだったが、祖母エリザベトが命をとして生かしてくれたと思うと挫けることはなかった。
だからあの時は歯止めがきかなかった。
祖父が体を悪くして動けなくなった頃の話。当時ロミーは10歳。彼女はエリザベトの話を信じ、崇敬の念を抱いていた。祖父のような優秀な射手になること、祖母のような気高き存在になることを心の底から望んでいた。
ある時、両親が席を外し、兄弟も寝ていた瞬間だった。祖父は思いもよらぬことを口走った。
「エリザベトが神託なんて受けなければ」
名手として名を馳せた故のプライドか、祖父は祖国を脱したことを後悔していた。そしてあまつさえその原因を自分の妻に転嫁した。ロミーは堪えようのない怒りが瞬時に沸点を超え、考えるよりも先に手が動いた。
椅子にだらしなく座る祖父の首に手をかけていた。ロミーは右利きだったが、不思議と左手にいつもより力が入ったような感じがした。
祖父の死は食べ物を喉に詰まらせて窒息したのだと大人たちは考えた。無論そう推理するよう現場を彼女が操作した。彼女に恐れはまったくなかった。あるのは怒りだ。祖父は祖母を裏切ったのだという底知れぬ怒りが静かにお腹の下あたりに燃え上った。
その事件の後からロミーは自分のクロスボウを左手に装着するようになった。そして「ザザ」と命名し、まるで人間のように話しかけて過ごした。周りの人間は気味悪がったが、一連のおままごとが心理的に作用してロミーの射撃の腕はめきめき上達していった。
射手としての力を示すにはまず武勲を立てることが必要だった。傭兵となり、戦争では飛ぶ鳥を落とす勢いで戦果をあげた。その際に自分の女性として生まれた体が足枷になった。
戦場とはどこまで行っても男性性に支配された空間だ。男の世界で女性が生きていくには、色眼鏡で見られること、そして性的な視線にさらされることを避けて通れない。だから極力外見で目立たないこと、傭兵として実力で黙らせることを志した。彼女が男勝りな屈強さを手にしたのはこうした努力あってのものだった。
人には使命があり、それに従うことこそ至上の喜びである。聖人が救いに使命感を得る様に、ロミーの中で形成された使命は無意識的に体を動かしていく。正義感の感度が異常に高いこと、それは彼女自身が認識せざる彼女に根差した使命だった。
レアンドロという男を見たとき、彼女の脳裏に祖父が浮かんだ。つまるところ、祖父と同じ殺すに値する存在をかぎつけた。
彼の人物像はあくまで彼女の直観が導いた予想に過ぎなかった。だが、それが確信に変わる出来事につきあたる。
見ず知らずのフランチェスコに仕事を押し付け、レアンドロの居る集団を覗きに行った。フランチェスコは戦奴という低い身分であるため断ることはないだろうと考えていたが、彼が不満をおくびにも見せず了承したことには驚いた。
レアンドロの印象は最悪の方向に傾いた。彼は食後の祈りの最中、自分の手元のディスクに向けられていた。奴には自分しかいない。世界は自分だけのものであり、たとえ神だとしても、それらすべてを踏み台にすることになんの違和感も持たない。奴はきっとこれまでも、これからも罪にまみれて生きていくのだ。ならば消してしまった方がいい。なんの因果か、彼の異常性に目を付けた彼女自身もまた異常者だった。
一方、フランチェスコへの印象は少し改まった。彼はエリザベトほど強い存在ではない。けれど祖父のように責任転嫁する弱さを持っていない。残酷な世界で歩き続ける強さのある人間だと妄想を膨らませた。だから襲撃にあった際は彼を救えるよう手を尽くした。
地下に籠城することになった夜、ロミーはエーレンフリートの元に訪れた。理由は特になかった。レアンドロの集団にいた人物の一人であり、情報を引き出すことに篭絡する手間や信頼が必要ないと、なんとなく感じ取ったためだと今は思う。
彼は訪ねた理由も聞かず、すぐに室内へ迎え入れた。ロミーは手短に切り出す。
「レアンドロについてだけど、彼イっちゃてるんじゃないの。こんな非常事態ですら調査をしたいだなんて普通じゃないわ。昨日の食事の時も祈りを放棄して石板を眺めていたわよ」
彼が信仰を失った人物であること。それをエーレンフリートに云えば不信感を植え付けられるに違いない。こちら側に引き込み、きな臭い奴の情報を聞き出すことができるはずだ。
「レアンドロ様はこの遺跡に相当ご執心だからな。前回の遺跡調査にも参加して唯一生き残った方だ」
ロミーは眉をひそめる。
「前回。たしか全滅したって聞いたけど、生き残りは一応いたわけね」
「ああ、レアンドロ様がそうだ。だが正直怪しいとは私も考えている」
意外にもエーレンフリートはロミーの想定した方向に自ら話題を変えていった。
10年前の調査では、遺跡直上に一定の人員を配置していた。調査期間は1週間と決められており、それを過ぎても帰還しない場合は突入して救助に向かうのだ。調査隊は1週間経っても戻らず、救助に向かった隊も帰らなかった。これによって遺跡は恐れられ、誰も近づかない場所になった。
それからさらに1週間後、突如レアンドロが発見された。恰幅の良い体はやせ細り、息も絶え絶えの状態で見つかった。場所は島の南海岸。
彼がどのようにして生き残ったのか。それを今回の調査員の誰に対しても教えていないことが最も疑わしく思う理由だった。レアンドロは脱出方法を知っていながら秘匿している疑いが持たれた。
どんな話の流れだったかよく覚えていないが、あわせてリュディガーが人質を取ってフランチェスコを利用していることを教えられた。すぐさまロミーは憤慨した。青年を弄ぶ人間の屑が我が物顔で組織を取り仕切っていたことに我慢ならなくなった。
そこまで云ってエーレンフリートは顔を青ざめた。
「このことは他言無用だ。特にあの方には絶対に」
ロミーにはあの方が誰だか分からなかった。直後フランチェスコが部屋を訪れ、壺を持って行った。幸い二人の話は聞かれていなかったようで、ロミーはほっと胸をなでおろした。
それから眠るまで、どうやって二人を殺害するか算段を立てた。殺人衝動はふつふつと煮えたぎり、その夜に実行することになんの疑いも抱かなかった。
ふとフランチェスコが持って行った壺を思い出す。彼はなぜあれを持っていたのだろう。
答えはすぐに得られた。レアンドロの部屋に壺と結ばれたロープがあった。ロープは布をつぎはぎして作られたもので、そこそこの長さがあった。
これは使えるはずだ。ロミーの頭の中で殺人計画が組みあがっていく。
まず下の階に移動する。壺を被って水中に隠れ、見回りの目を逃れる。その後はレアンドロを油断させたのちに昏倒させ、手足口を縛り上げる。
ただ殺すだけではいけない。彼は脱出方法を知っているに違いないのだから、情報を吐かせたうえで殺さなくてはならなかった。
殺しにはナイフを使用することに決めた。夕食の片付けの際、危険な状況になることを考慮してあらかじめくすねていたのだ。
人を黒獣病に感染させるやり方は元より知っていた。彼女は毒矢の応用で相手を黒獣病にする血矢を研究していた。どうすれば人が黒獣病に感染するかを熟知しており、今回の殺人はそれを生かすのにうってつけだった。
時刻は深夜2時。実行の時間だ。
服が濡れてしまっては後で違和感を持たれかねない。彼女は服を脱ぎ捨てると壺にナイフとロープ、ワインボトルを入れて階段を下った。階下の空気はひんやりとしていて、水面にはいることはためらわれた。
だが今やらないわけにはいかない。ロミーは壺を被って水に身を沈めた。
つめたい。まるで拷問だ。脇や膝の裏ができるだけ水に当たらぬよう、ぎゅっと体を丸めて時間を数えた。
カウントが240をすぎて水面から乗り出す。音を立てぬよう細心の注意で石室に向った。
レアンドロが生まれたままの姿のロミーを見たとき、目は今まで見たことないほど開かれていた。ちょうど黒・薄茶・白の三つの円が重なって射的の的のようだ。
「い、一体どうなされたですかな」
どもって云う。気遣った言葉だが彼の視線は露わになった乳房と女性器に注がれていた。汚らわしい男だ。その場で吐けと云われたらできてしまうような嫌悪感が胸につかえた。
「少し水浴びでもと思って」
苦しい言い訳だ。とはいえ、これから血を浴びて洗う必要があると考えるとあながち間違いでもない。
レアンドロは視線をそらし、肩に手を回して招き入れた。彼の腕に収まった瞬間は殺意を抑えることに必死だった。
それから彼がズボンをおろそうと背を向けたとき、ロミーは電光石火の速さで仕事にとりかかった。床に置いてある手頃な石の塊を後頭部にたたきつける。痛みで身動きが取れないところにのしかかり、まずは口。次に手を足をロープで縛り上げた。あらかじめロープの結び目を解き、使いやすい長さにしておいたことで効率的に遂行することができた。
意識を取り戻したレアンドロはうつ伏せの状態で身をよじってもがき始めた。次にもがもがと声にならない音を発する。この声量なら上まで届きはしないだろう。ロミーは目を細めると、レアンドロの髪の毛を右手でむんずと掴んで持ち上げる。
「あんまり音を立てると寿命が縮むよ。あんたはただ、うちの質問にはい・いいえで答えてくれればいい」
ロミーの中で彼を殺すことは決めていたが、それを伝えて開き直られることを避けた。自分が大事なレアンドロなら、生き残る可能性をほのめかした方が成果が上がるだろう。
「質問。あんたは10年前にもこの遺跡に来たことがある」
レアンドロは荒い鼻息と一緒に頷いた。表情からは恐怖がありありと伝わってくるから、自分のやり方は正解だったと手前みそに思った。
「よし、その感じで次の質問。あんたはこの遺跡から出る方法を知っている」
レアンドロの体が強直する。荒かった息も浅くなり、呼吸が上手くできていないようだ。図星だな、これは。
しかし、それからしばらく答を出さず、ロミーはいらいらが募り始めた。
今一度、力いっぱい髪を引っ張り上げる。嗚咽する声が小さく響いた。
「ねえ質問してるんだけど。答えなくても殺すわよ」
二、三度鼻水交じりの呼吸をして首を縦に振った。よし、それでいい。
それにしてもこの男、脱出方法を知りながらやはり自分たちには伝えなかったのだな。これは明確な裏切りだ。こちらは金のためとはいえ命を懸けているというのに。なぜ伝えなかったのかはわからない。次の次あたりに質問することにしよう。
「質問。脱出できる場所はどこ」
云い終えた瞬間に自分の間抜けさに気付く。この質問ははい・いいえで答えられない。場所を聞き出すには猿ぐつわを外す必要があるけれど、それをしたら真っ先に助けを呼ぶのが関の山だ。あてずっぽうでひとつひとつ質問するしかないかと肩を落とした時だった。
レアンドロの表情が無になっていた。何も読み取れない無表情。しいて云うなら、相手と自分の話がかみ合わずどうしようもなく戸惑っている顔。
ロミーは重大なミスを犯していた。彼女が脱出方法について一切の見当がついていないこと。その情報を知っているのはレアンドロの側であり、情報の優位性を生かせば立場を逆転できることを気付かせてしまった。
レアンドロの目尻が下がる。等間隔に腹が跳ねた。何をしているのか分からなかったが、しばらくして彼女は彼が笑っているのだと気付いた。会話の優先権は既に彼女の手を離れてしまっていた。
ロミーは掴んだ頭を床にたたきつける。ぺちっと人肌の柔らかい音が反響した。音は柔らかくとも痛みは強く、レアンドロは顔に何重もしわを作った。
「おい、てめぇ何笑ってんだ。今はうちが質問してるんだぞ」
言葉で攻めてもレアンドロの嘲笑は止まらない。屈辱だ。この男の醜悪な面が姿を現し、ロミーの怒りは最高潮になった。
左手で狙いすましたナイフはレアンドロの喉に突き刺さった。
ぶるぶると痙攣が続き、1分もしないうちに血をまき散らして動かなくなった。
計画は失敗だ。ロミーは冷静に現在の自分に言い渡した。彼が自分たちを裏切る理由も訊けずじまいだった。
反省を済ませると、ロミーは現場の工作に取り掛かった。
まずは縛っていたロープを外す。猿ぐつわに使ったロープはべったりと血を吸ってしまっていた。これでは戻した時に使ったことを疑われてしまう。仕方なく暖炉に火をつけ、そこで燃やすことにした。幸い手足を縛ったほうのロープには血が付いておらず、長さの変化は違和感のない程度に抑えられた。
次に喉からナイフを引っこ抜き、水で体と一緒に洗い流す。においは完全には取れなかったが、死臭が漂うこの遺跡では気づかれることもあるまい。
暖炉の部屋の隣、モンスターの入った壺を手にする。ずっしりと重く、ゆらすとタプタプと音を聞こえ、血が十分に溜まっていることを確認した。一度被るのに使った壺に適量を移し、その後でワインボトルに慎重に注ぐ。もしかすると、この作業が最も集中力を要したかもしれない。残る血は死体に振りかけるのに使う。レアンドロの死体を仰向けに起こし、血液は全体に撒きつつ感染しやすいよう口と喉を重点的にかけた。
最後に石室の扉を閉め、ロミーの犯行計画はほぼ完了した。あとは数十分後の見張り交代まで待機である。
第9階層の冷気は着々と体を蝕んでいた。指先はかじかみ、肩は小刻みに震え、お腹はぐるぐると痛み出す。暖をとって回復できたが、もう全裸になって行動するのはこりごりだと苦労が骨身にしみた。
第8階層の見張り位置から見えない角度で階段に潜む。ダミアンが場所を離れたことを音で確認すると、持ってきたものを詰めた壺を抱えて忍び足で自室に滑り込んだ。ただ一つ、ロープが燃え切らず暖炉の火を焚いたままにしてしまったことが心残りだった。壺を部屋の入口から見えづらい端に置くと、手早く服に身を包んで瞳を閉じた。疲れのせいか、すぐにロミーは眠りに誘われた。
ラルフに起こされた時、体は強い倦怠感に襲われた。ラルフも寝息をたてたことを確認すると、再びロミーは行動を開始した。
壺とロープを井戸に戻しに行く。血を混ぜたワインボトルをリュディガーの部屋ですり替える。そしてナイフの隠滅が最後に残った。
もしナイフを盗んだことが誰かに知られていたら、真っ先に自分が犯人と疑われるだろう。このまま持ち続けるには危険な品だ、早く処分するに限る。
頭を悩ませた末、ロミーが隠し場所に選んだのは第7階層だった。クロウル・ドラゴンの脅威によって今後1週間は人が寄り付く危険性がないためだ。
石畳をずらし、できるだけ遠くまでナイフを隠せる場所を探す。曲がり角から先を伺うと、ちょうどモンスターの食事時に出くわしてしまった。幸運なことにこちらに背を向けていて、動かない肉の方にご執心のようだった。
モンスターがいる場所は逆説的に犯人にとって好都合な場所だ。ロミーはナイフの切っ先を親指と人差し指で挟むと、アーチ状の軌道を意識して遠投する。宙を舞うナイフはモンスターの頭上を飛び越え、廊下の奥で金属音を立てた。クロウル・ドラゴンは音に引かれてロミーとは反対方向に消えた。
翌朝は慌しく人が往来し、レアンドロの死体発見までこぎつけた。綿密な犯罪計画によって推理は難航し、自分に疑いの目は全くかからなかった。意外だったのは、2時頃の犯行時刻が5時頃と誤解されたことだった。その結果ラルフが第9階層に幽閉されたが、疑いで済んでいるため罪悪感はまったく湧かなかった。どうせ1週間に辛抱なのだから。
そう、そのはずだった。ラルフは石室の中で死んでいた。そしてベアトリーチェもまた第9階層にて殺されていた。ロミー自身もこれには驚いた。犯人である彼女だからこその焦り。自分は手を下していないのに、なぜ被害者は二人も増えたのか。
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