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(昨日起こったことはやっぱり大変なことだったんだ…)
俺は食堂で流れているラジオをぼうっと聞いていた。
昨日のパーティーについてさっきから何度も報じられている。
当然、新聞にも大きく取り上げられていた。
魚人族と人魚族が決裂したなんて言われてしまっている。
他にもエルフの陰謀がどうのとか、人族がどう出るかとか、とにかくいろいろだ。
(あぁ…どうしよう。困ったことになった)
突然ラジオがぶつっと切れる。
リヴァさんがスイッチを切ったようだ。
「姫、今は考えないよ。
まずはご飯食べて」
そうだった。リヴァさん特製のミートパイが冷めてしまう。
「いただきます」
パイがサクサクしていて、噛じるとじゅわっと肉汁が溢れてとても美味しい。
ベーコンの塩気が効いた温かいミルクスープを飲んだらちょっとホッとした。
やっぱり食べるって大事なんだな。
「リヴァさん、美味しかったよ」
「姫、顔色よくなったね。
よかった」
リヴァさんは優しいな。
彼が俺の隣の椅子に座る。
「あのね、姫に頼みたいことがあってさ」
なんだろう?
俺が首を傾げると、リヴァさんが包みを取り出す。なんだ?サンドイッチ?
「これ、俺が作ったフルーツサンドなんだけど、魔界にいる姉ちゃんに届けてほしいんだよね」
「ま…魔界??」
なんかまた怖そうなワードが出てきた。
「あぁ、魔界って言っても魔族が住む地区のことで、地獄とかじゃないから安心して?人族もいっぱい暮らしてるし」
「でもお姉さんに渡すなら、リヴァさんが直接行ったほうがいいんじゃないの?」
リヴァさん沈黙。
どうしちゃったんだろう?
「姫だから話すんだけどさ…いや、やっぱりやめとく」
わぁ、何それ。めちゃくちゃ気になる。
今日は学校もお休みだし、このまま宿舎でボーッとしているより、お遣いに行ったほうが、気分も晴れるかも?
「分かった。行ってくる」
「ホントっ?助かるよ!」
リヴァさんが大きなリュックにフルーツサンドの包みを沢山入れてくれた。もちろん大きな水筒もだ。
脱水って涼しくてもなるらしいしね。このリュックは保冷性が高いらしい。フルーツサンドを運ぶのにぴったりだ。
「姫の分のフルーツサンドも入ってるから、姉ちゃんと食べてね!」
「わぁ!ありがとう!!」
いざ、魔界へ出発!!
なんだかゲームの冒険みたいだ!
(まぁ普通にバスには乗るんだけどね)
自分で自分に突っ込みながら俺は歩いてバス停に向かったのだった。
俺は食堂で流れているラジオをぼうっと聞いていた。
昨日のパーティーについてさっきから何度も報じられている。
当然、新聞にも大きく取り上げられていた。
魚人族と人魚族が決裂したなんて言われてしまっている。
他にもエルフの陰謀がどうのとか、人族がどう出るかとか、とにかくいろいろだ。
(あぁ…どうしよう。困ったことになった)
突然ラジオがぶつっと切れる。
リヴァさんがスイッチを切ったようだ。
「姫、今は考えないよ。
まずはご飯食べて」
そうだった。リヴァさん特製のミートパイが冷めてしまう。
「いただきます」
パイがサクサクしていて、噛じるとじゅわっと肉汁が溢れてとても美味しい。
ベーコンの塩気が効いた温かいミルクスープを飲んだらちょっとホッとした。
やっぱり食べるって大事なんだな。
「リヴァさん、美味しかったよ」
「姫、顔色よくなったね。
よかった」
リヴァさんは優しいな。
彼が俺の隣の椅子に座る。
「あのね、姫に頼みたいことがあってさ」
なんだろう?
俺が首を傾げると、リヴァさんが包みを取り出す。なんだ?サンドイッチ?
「これ、俺が作ったフルーツサンドなんだけど、魔界にいる姉ちゃんに届けてほしいんだよね」
「ま…魔界??」
なんかまた怖そうなワードが出てきた。
「あぁ、魔界って言っても魔族が住む地区のことで、地獄とかじゃないから安心して?人族もいっぱい暮らしてるし」
「でもお姉さんに渡すなら、リヴァさんが直接行ったほうがいいんじゃないの?」
リヴァさん沈黙。
どうしちゃったんだろう?
「姫だから話すんだけどさ…いや、やっぱりやめとく」
わぁ、何それ。めちゃくちゃ気になる。
今日は学校もお休みだし、このまま宿舎でボーッとしているより、お遣いに行ったほうが、気分も晴れるかも?
「分かった。行ってくる」
「ホントっ?助かるよ!」
リヴァさんが大きなリュックにフルーツサンドの包みを沢山入れてくれた。もちろん大きな水筒もだ。
脱水って涼しくてもなるらしいしね。このリュックは保冷性が高いらしい。フルーツサンドを運ぶのにぴったりだ。
「姫の分のフルーツサンドも入ってるから、姉ちゃんと食べてね!」
「わぁ!ありがとう!!」
いざ、魔界へ出発!!
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(まぁ普通にバスには乗るんだけどね)
自分で自分に突っ込みながら俺は歩いてバス停に向かったのだった。
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