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千尋×加那太

寝てる加那太

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夜、仕事を終えて千尋が自宅のマンションに戻ると、加那太がソファの上で下着姿のまま、眠っていた。着ていた服や靴下は洗濯機の中にあった。家事は二人でという暗黙のルールがある。秋になり、随分過ごしやすくなったとはいえ、今日はずっとカンカン照りでムシムシしたのだった。
千尋は加那太がここに帰ってきてからどのような行動をしたのか、推理してみた。

加那太は確か今日、月末恒例の図書室の館内整理だと言っていた。その後は職員会議、それに続けて月一で発行している図書だよりの印刷作業も。普段は暇すぎて掃除くらいしかやることがない、とぼやいている加那太が今日はくたくたになるまで働いてきた証である。
とりあえずタマがいるので冷房はついていた。
それに千尋はホッとする。

ふと加那太を見ると、ネイビーのボクサーパンツの盛り上がりについ目が止まってしまう。千尋は慌てて目を反らした。寝ている間に襲いかかったりしたら、きっと加那太に幻滅されてしまう。
とりあえず千尋は加那太をベッドに運ぶことにした。
自分が変な気を起こさないうちに行動しなければ、と思ったのだ。

「ん、ちひろ?」

加那太を抱き上げると加那太が薄目を開ける。

「ただいま」

「千尋、おかえり」

ふふ、と彼は笑って千尋の首に抱き着いてくる。普段こんなに素直に甘えてくれない加那太だ。千尋は彼が寝ぼけていることに気が付いていた。よほど疲れたのだろうと千尋は加那太をベッドに寝かせようとした。だが加那太は千尋にしがみついて離れない。

「やだ、千尋と一緒に寝る!」

「まだシャワーも浴びてないから…」

千尋は身を引こうとしたが、加那太は許さなかった。

「やだ、一緒に寝るんだもん」

加那太がこんなわがままを言うことは滅多にない。他の人から自由奔放なイメージを抱かれることの多い加那太だが、千尋は彼の幼馴染だ。加那太がとても控えめなひとだとよく知っている。加那太が涙目でこちらを見てくるので、千尋は諦めることにした。

「分かった、寝ような」

「やった!」

千尋が加那太を抱き寄せると加那太が嬉しそうに擦り寄ってくる。珍しいこともあるな、と先程も感じたが尚更だ。

「加那、なんかあったか?」

千尋が加那太の頭を撫でながら尋ねると加那太はしばらく何も言わなかった。千尋は待ってみることにする。

「ね、千尋?」

加那太が困ったように聞いてきた。

「パパ活って知ってる?」

確かニュースで言っていた気がする。千尋は記憶を漁りだした。

「あれか?援助交際みたいな…」

「そう。ほぼそれ、なんだけど、うちの生徒が補導されたらしくて」

「それはくるな」

「うん。彼女、今図書室で勉強してるんだけどたまにパニック状態になっちゃって」

加那太の声に泣き声が混じる。

「僕だけじゃどうしようもできないなんてしょっちゅうだよ。でも辛いのは僕じゃない。
その子なんだって思うと、何もしてあげられないのが本当に情けない」

加那太にぎゅーとしがみつかれる。千尋もきつく抱き締め返した。

「そりゃ大変だな。適度に距離保てよ?かわいそうって言って甘やかすのは簡単だけど、それじゃその子のためにならないからな」

「千尋の方がよほど先生に向いてるかも」

加那太が拳で涙を拭っている。加那太は今、下着姿だ。体温が千尋に直に伝わってくる。

「加那、あんまりそういう格好するな。襲われるぞ」

「誰に?」

加那太はきょとん、としている。千尋は流石にむかついた。加那太を下に組み敷く。

「俺に決まってるだろうが」

「え、え?」

加那太がバタバタしようとしたのを手で抑えつける。力なら絶対的に千尋が有利だ。
加那太の唇に食べるように重ねる。

「ん、む…ン」

何度もキスを繰り返していたら加那太はくたり、として暴れるのをやめた。
千尋としてもその方がありがたい。
加那太はあまり性欲が強くない方らしい。
千尋が求めても恥ずかしがって逃げる。
今日は逃さないと千尋は決めていた。

加那太が着ていた白いTシャツを捲くる。
かわいく尖った乳首が丸見えになった。

「あ、やっ」

加那太が止める間もなくそれを唇で加える。もう片方は左手で優しく愛撫した。

「っあ…や、そこ、や」

加那太は抵抗できないらしい。表情から察するに気持ちいいのだろう。ボクサーパンツを見るとじんわりと濡れてきているのが分かる。

「加那、気持ちいいか?」

「んっ…気持ちいいよ。千尋優しいし」

「加那が嫌がることはしないって前から言ってるだろ?」

「うん、そうだったね」

千尋はボクサーパンツに手を掛けた。加那太はそれに息を呑む。

「あ…やっぱり恥ずかしい」

「俺しか見てないから平気だろ?」

パンツを下ろすと加那太のものがぷるん、と現れる。今日はどう虐めてやろうかと千尋は考えていた。
加那太は刺激に弱く、すぐに達してしまう。
感じやすいことはいいことなのだが、だからといって、あまり激しくするのは本意じゃない。
千尋は優しく加那太自身を握りゆるゆる擦った。

「あ!っあ!!千尋!!」

「加那、せっかくだしいっぱい気持ちよくなろうな?」

耳元で囁いてやると、加那太が震える。耳が弱いのはとっくに知っている。

「んぅ…つ!あは…!」

加那太があっけなく吐精する。

「つ…はあ、はぁ」

加那太の先走りで指を濡らして後ろに充てた。

「わ!それするの?」

「ダメか?」

加那太はぶんぶんと首を横に振る。

「久しぶりだなって」

「お前がさせてくれないだけだろ」

「だって…」

加那太が顔を赤らめる。

「だっておかしくなるんだよ、本当に」

「俺はおかしくなったお前が見たいんだ」

「千尋のすけべ」

「なんとでも言え。挿れるぞ」

「ふあっ!」

千尋が優しく指を押し込むと、久しぶりの行為のせいかキツかった。
加那太は苦しそうだ。

「ンン」

「加那、力抜け。深呼吸な」

加那太が深呼吸をすると、更に奥に押し入ることができた。

「加那、指増やすからな」

「うん、へいき…っ」

指でナカをかき混ぜると加那太の下半身がガクガクと震える。気持ち良くなってくれてるのだと分かり、千尋は嬉しかった。

「ん…千尋、もう大丈夫だから」

「ああ」

加那太と繋がるときはいつも頭の中が熱い。
加那太の中にほぼ無理やり押し入ると加那太が呻いた。圧迫感に驚いたのだろう。
千尋は加那太が慣れるまで動かなかった。

「千尋、欲しいよ」

加那太が両手を伸ばしてくるので、それを握り返してやる。

「ふぁっ!アン、あ…ン!!」

「加那、好きだよ、愛してる」

「ア!!僕も好き!!」

最中に思うのはいつも、この世には自分と加那太しかいないのではないかということだ。
馬鹿げた考えだが、それくらいセックスに没頭してしまう。

加那太がとにかく好きで、ずっと一緒にいたいと千尋は思っている。
もはや祈りに近い。

「千尋、気持ちよかったね」

加那太はまた眠そうだ。

「加那、もう寝てろ」

「千尋はー?今日宅配ピザがいい。僕、それしか食べないから」

こう断言されてしまうと千尋もたまにはいいかと思ってしまう。加那太が再び眠りに就くのを千尋は眺めていた。
今日くらいは少しのんびりするのもいいかもしれない。

おわり
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