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告白
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「ん…」
目を開けると克樹が心配そうな表情でこちらを見ていた。
「かっちゃん…?」
「いっくん!やっと起きた!!渚先輩から聞いたよ。具合、悪かったんでしょ?
大丈夫?」
樹は喉の痛みが引いていることに気が付いた。
どうやら薬が効いたらしい。
樹は起き上がった。
克樹に言わなければならない。
「ごめん、かっちゃん。応援に行けなくて」
克樹の顔を見ることが出来なかった。
瞬間、克樹に抱き着かれる。
そのまま耳元で言われた。
「大丈夫。いっくんの気持ち、ちゃんと伝わってるから」
「かっちゃん…ありがとう」
「ね、いっくん」
克樹に顔を覗き込まれた。
「俺の一番大事なひとはいっくんだけだよ」
真剣な表情から、悪ふざけで言ってる訳じゃないと分かり、樹は顔が熱くなった。
「本当?」
「あー、やっぱり伝わってなかったのね」
克樹が頭を振る。
「だ…だって、かっちゃんはカッコいいし女の子にモテるから」
「それ、チャラそうってこと?」
う、と樹は言葉に詰まった。
確かにそういう捉え方もある。
「えっと…そういうんじゃなくて。えーっと」
困っていると、克樹が噴き出した。
「いっくんは本当可愛いな」
ちゅ、と額にキスされてドキッとする。
「いっくんにはいっくんのペースがあるんだよね」
優しい言い方に樹はホッとした。ドアが開く音がする。
「あ、風ー。いっくん起きたよー」
風がお盆を手にやってきた。夕飯をもってきてくれたのだろう。
そう思ったら腹が減ってきた。
「本当?よかった。眠り姫みたいに全然起きないから心配しちゃったよ」
「二人共、心配かけてごめん」
「謝るなら渚先輩だよ。樹につきっきりだったし」
「わぁ、そうだよね?」
「とりあえず夕飯食べて。そしたら薬飲んで寝る、いい?」
「はぁーい」
ここは風の言うことを聞いておいた方が良さそうだ。
夕飯は親子丼だった。玉ねぎがとろけている。
「わ、お腹空いてたから嬉しい」
「食欲があるなら大丈夫だね」
今日の克樹のダンスは、かなり良かったと風から聞く。
また違うステージに呼んでもらえることになったと克樹も嬉しそうだった。
「あ、そうそう。オーディションの衣装のイメージなんだけどね」
風がスケッチブックを棚から取り出して開いた。樹と克樹に見せてくれる。
それはまるで制服のような形をしていた。
青いワイシャツに紺色のネクタイ、そして灰色のチェックのパンツ。パンツの太もも部分にそれぞれのイメージカラーがはいるらしい。
上からニットベストやカーディガンなどを着ると書かれていた。
「わ、これなら見てくれる人も真似しやすいかもね」
「一応僕達、まだ学生だしね。櫻木先輩が言ってたけど明日集まろうって」
「わぁ、どうなるんだろう!」
樹は楽しみになってきた。
「ほら、いっくん、薬」
克樹に言われて、樹は薬を呑んだ。
2人がゲームの攻略について話しているのを聞きながら、樹は眠りに就いていた。
目を開けると克樹が心配そうな表情でこちらを見ていた。
「かっちゃん…?」
「いっくん!やっと起きた!!渚先輩から聞いたよ。具合、悪かったんでしょ?
大丈夫?」
樹は喉の痛みが引いていることに気が付いた。
どうやら薬が効いたらしい。
樹は起き上がった。
克樹に言わなければならない。
「ごめん、かっちゃん。応援に行けなくて」
克樹の顔を見ることが出来なかった。
瞬間、克樹に抱き着かれる。
そのまま耳元で言われた。
「大丈夫。いっくんの気持ち、ちゃんと伝わってるから」
「かっちゃん…ありがとう」
「ね、いっくん」
克樹に顔を覗き込まれた。
「俺の一番大事なひとはいっくんだけだよ」
真剣な表情から、悪ふざけで言ってる訳じゃないと分かり、樹は顔が熱くなった。
「本当?」
「あー、やっぱり伝わってなかったのね」
克樹が頭を振る。
「だ…だって、かっちゃんはカッコいいし女の子にモテるから」
「それ、チャラそうってこと?」
う、と樹は言葉に詰まった。
確かにそういう捉え方もある。
「えっと…そういうんじゃなくて。えーっと」
困っていると、克樹が噴き出した。
「いっくんは本当可愛いな」
ちゅ、と額にキスされてドキッとする。
「いっくんにはいっくんのペースがあるんだよね」
優しい言い方に樹はホッとした。ドアが開く音がする。
「あ、風ー。いっくん起きたよー」
風がお盆を手にやってきた。夕飯をもってきてくれたのだろう。
そう思ったら腹が減ってきた。
「本当?よかった。眠り姫みたいに全然起きないから心配しちゃったよ」
「二人共、心配かけてごめん」
「謝るなら渚先輩だよ。樹につきっきりだったし」
「わぁ、そうだよね?」
「とりあえず夕飯食べて。そしたら薬飲んで寝る、いい?」
「はぁーい」
ここは風の言うことを聞いておいた方が良さそうだ。
夕飯は親子丼だった。玉ねぎがとろけている。
「わ、お腹空いてたから嬉しい」
「食欲があるなら大丈夫だね」
今日の克樹のダンスは、かなり良かったと風から聞く。
また違うステージに呼んでもらえることになったと克樹も嬉しそうだった。
「あ、そうそう。オーディションの衣装のイメージなんだけどね」
風がスケッチブックを棚から取り出して開いた。樹と克樹に見せてくれる。
それはまるで制服のような形をしていた。
青いワイシャツに紺色のネクタイ、そして灰色のチェックのパンツ。パンツの太もも部分にそれぞれのイメージカラーがはいるらしい。
上からニットベストやカーディガンなどを着ると書かれていた。
「わ、これなら見てくれる人も真似しやすいかもね」
「一応僕達、まだ学生だしね。櫻木先輩が言ってたけど明日集まろうって」
「わぁ、どうなるんだろう!」
樹は楽しみになってきた。
「ほら、いっくん、薬」
克樹に言われて、樹は薬を呑んだ。
2人がゲームの攻略について話しているのを聞きながら、樹は眠りに就いていた。
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