和泉と六郎の甘々な日々 ~実は和泉さんが一方的に六郎さんに甘えてるだけと言う説も有るけど和泉さんはそんな説にはそっぽを向いている~

くろねこ教授

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『秋は栗なのか芋なのか』の章

第28話

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お家に帰って来た和泉さん。
六郎さんと暮らすいつものお家。

「六郎さーん」

玄関を開ける和泉さん。
返答が無いな。

「六郎さん?」

台所にはいない。
お風呂の電気が点いてる。
入浴中か。

うん?
六郎さんの部屋の電気も点いてるな。

「六郎さん?」

ふすまを横に開ける和泉さん。
すると中に居たのは。

セーラー服姿の少女だった。
少女はこちらを見て固まってる。
着替えてたみたい。
半脱ぎのセーラー服。
セミロングの黒髪。
真っすぐでキレイ。

「あっ、ゴメンね」
「いえ」

反射的に和泉さんは謝る。
少女は言葉少なく答える。

着替え中にいきなり入ってしまった。
ふすまを閉める和泉さん。

あれ、ここ誰の部屋だっけ?

「何でですか?
 何で、女子高生が六郎さんの部屋にいるんですかー?!」

思わず絶叫してしまう和泉さんだ。


長尾家は古い日本家屋。
広くて二階建て。
和泉さんのお部屋は二階。
六郎さんの部屋は一階の奥。
居間は元々六郎さんのお母さん、玉江さんのお部屋。
現在では片づけて居間になっている。

その居間に集まってる和泉さんたち。

「上杉輝子です。よろしくお願いします」
「柿崎和泉です、初めまして」

「えーと、輝子さんはですね。
 自分の従妹の娘です。
 従姪と呼ぶのかな」

六郎さんが説明する。
従姪、『じゅうてつ』もしくは『いとこめい』とも読むらしい。
和泉さんは知らなかった。
じゅうてつ。
武器の名前みたい。

「初めてでは有りません。
 柿崎さんには玉江さんのお葬式でお会いしました」

輝子ちゃんが言う。

「あっ、ゴメンね」
「いえ、もう数年前ですから覚えて無くて当然かと」

和泉さんは初対面だと思ってた。
数年前か。
輝子ちゃんが高校生だとすると。
中学に上がったばかりか、小学生。
それで数年会って無かったら分かんないな。
そう言えばストレート黒髪の奇麗な子がいたような気もする。

輝子ちゃんは何だか落ち着いた雰囲気の美少女。
セーラー服を見てるので学生と分かるけど。
服装によってはもっと大人に見えちゃいいそう。
それで輝子ちゃんが何故ここに居るかと言うと。

「大学の模試です。
 東京の大学を受験するつもりですので」

上杉輝子ちゃんは新潟に住んでる。
東京移動への経験がてら週末、模試を受けに来たらしい。

「下見も兼ねています。
 大学に受かったら、こちらの家に住まわせていただく事になっていますので」

「輝子さん、その話は自分は承諾していません」
「母から既に話が行っている筈ですが」

「あの人は一人で早口で喋って、こっちの話を全く聞かないじゃありませんか」

一緒に住む?
上杉輝子ちゃん。
美少女の高校生。
あたしと六郎さんの家にこの娘が一緒に住むの?!
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