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『春は筍ご飯が美味しいのです!』の章
第5話
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普段使ってない部屋。
課長と和泉さん、昨日のOLさん。
和泉さんの一年先輩、可愛らしい顔をしてる。
先輩に可愛いって言い方は失礼かもしれないけど、でも可愛いのだ。
部屋にはその三人だけ。
どう考えても昨日の件だよね。
どうしよう。
「キミはわが社に向かないようだね」
そんな風に言われる前に自分から辞表出すべき。
いやいや、六郎さんだって言ってくれた。
「和泉さんは間違った事なんて一つもしていない」
胸を張って堂々としてるべき。
頭がグルグルしちゃう和泉さん。
そんな和泉さんの前で課長はいきなり頭を下げた。
「俺が悪かった。
部長に早く注意しなきゃってそう思ってたんだが、
つい先延ばしにしてた。
柿崎さんに言わせてしまった。
俺が出来なかった仕事を柿崎さんに押し付けたようなモノだ。
感謝してるし、悪いと思ってる」
「キミにも申し訳なかった。
色々イヤな思いをしたと思う。
フォロー出来なかったのは俺が悪い。
本当にすまない」
先輩OLさんにも頭を下げる。
「部長、今年で定年なんだ」
神保部長。
部長にはライバルがいた。
経理部の部長、この人は去年定年。
辞めずにそのまま役員になった。
会社役員。
和泉は言葉は知ってるけど何をする人なのか良く分からない。
エライ人なんだろうな。
その程度。
そうか、部長を退職して役員さんになったりするんだ。
神保部長に定年した後役員に、そんな話は来ていない。
そう課長は言う。
「いや、だから部長を許してやってくれとかそんなんじゃないんだ。
あれは部長が悪かったと思うし、
キミたちが許せなくても当然だ」
「だけど、知ってるだろう。
去年までの部長を」
和泉さんは知らない。
今年入社したばかりなのだ。
だけど先輩OLさんは可愛らしく頷いてる。
去年まで部長はやる気に満ちた人だったらしい。
自らお得意さんへの営業も行う。
部下の仕事もしっかり見ている。
サボってる人は叱るし、頑張ってる人は褒める。
そうなんだ。
和泉さんが知ってるのは。
挨拶してもあーうーしか言わない。
仕事の報告も聞いてるんだかどうか分からない。
そんな神保部長だけだ。
別人じゃない。
別人28号。
課長と和泉さん、昨日のOLさん。
和泉さんの一年先輩、可愛らしい顔をしてる。
先輩に可愛いって言い方は失礼かもしれないけど、でも可愛いのだ。
部屋にはその三人だけ。
どう考えても昨日の件だよね。
どうしよう。
「キミはわが社に向かないようだね」
そんな風に言われる前に自分から辞表出すべき。
いやいや、六郎さんだって言ってくれた。
「和泉さんは間違った事なんて一つもしていない」
胸を張って堂々としてるべき。
頭がグルグルしちゃう和泉さん。
そんな和泉さんの前で課長はいきなり頭を下げた。
「俺が悪かった。
部長に早く注意しなきゃってそう思ってたんだが、
つい先延ばしにしてた。
柿崎さんに言わせてしまった。
俺が出来なかった仕事を柿崎さんに押し付けたようなモノだ。
感謝してるし、悪いと思ってる」
「キミにも申し訳なかった。
色々イヤな思いをしたと思う。
フォロー出来なかったのは俺が悪い。
本当にすまない」
先輩OLさんにも頭を下げる。
「部長、今年で定年なんだ」
神保部長。
部長にはライバルがいた。
経理部の部長、この人は去年定年。
辞めずにそのまま役員になった。
会社役員。
和泉は言葉は知ってるけど何をする人なのか良く分からない。
エライ人なんだろうな。
その程度。
そうか、部長を退職して役員さんになったりするんだ。
神保部長に定年した後役員に、そんな話は来ていない。
そう課長は言う。
「いや、だから部長を許してやってくれとかそんなんじゃないんだ。
あれは部長が悪かったと思うし、
キミたちが許せなくても当然だ」
「だけど、知ってるだろう。
去年までの部長を」
和泉さんは知らない。
今年入社したばかりなのだ。
だけど先輩OLさんは可愛らしく頷いてる。
去年まで部長はやる気に満ちた人だったらしい。
自らお得意さんへの営業も行う。
部下の仕事もしっかり見ている。
サボってる人は叱るし、頑張ってる人は褒める。
そうなんだ。
和泉さんが知ってるのは。
挨拶してもあーうーしか言わない。
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そんな神保部長だけだ。
別人じゃない。
別人28号。
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