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第19話 怒れる勇者

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「何してくれてんのよー!」

るるる子ちゃんは怒っていた。
かつてないほど怒っていた。
怒りに震えるるるる子ちゃん。

キスキル・リラは既に遠巻きにしている。

「ハルピュイア、逃げとけ」

「え、でも……」
「キスキル・リラ様……」

「いいから離れとくんじゃ」
「私もそうした方が良いと思いますよ」

副将アブーにまで言われてハルピュイアのお姉さんはるるる子ちゃん達から離れる。


るるる子ちゃんキーック。
るるる子ちゃんパーンチ。
崩れていく多脚砲台。

たいがーばずーかじゃー!
つうてんさい!!!

小柄な少女からは飛び道具まで放たれていく。
かと思うと。
砲台にパンチしながら天まで駆け上っていくのである。

『アップルシード』が砲弾をるるる子ちゃんに向ける。
小柄な少女はその下を潜り抜けるのである。

こりゅうさい!
ごおっついたいがーばずーかじゃー!!!

大暴れなるるる子ちゃんである。



「博士、アレは本当に止める方法が無いんですか」
「自動操縦モードじゃからの。
 『アップルシード』は自分で判断して行動する。
 言うても行動停止なんかせんぞ」

研究員と博士である。
魔族と人間界との境界で話し合ってるのだ。
博士は望遠鏡で古代兵器の動きを観察。
夢中になりながら、研究員に答えてる。

王様も近くにいる。

「ほーれ見ろ。
 やっぱり止める方法無かったろー。
 ワシが無いと言うてるものを信じないからだ」

何故か勝ち誇る王様。

「なんでエラソーに言うんです!」
「古代兵器が止められないと大変なんですよ」

「いや、分かってる、分かってる」

研究員に言われて、しょげるオッサンである。

「何と言う愚かな事を、アナタはそれでも王か」
「いや、責任問題ですな」

「王には責任を取って、王の座を降りてもらうべきでしょう」

ドヤドヤと現れたのは貴族たちだ。
兵士達も連れている。

「なんじゃ、貴様ら。
 王に向かって、そのもの言い許されると思ってるのか」
「だから、アナタはもうじき王でなくなると言っている」

「なんだと、そんなコト誰が決めた?!
 何時何分何十秒だ?!」
「子供か!」

その時、大声が響く。

「アレは一体何が起きてるんじゃ?!」

博士である。

「どーしたのです、博士」

「こんなバカな!
 『アップルシード』が。
 古代兵器が次々と破壊されていくんじゃ!」

「何ですって!」

研究員が驚愕する。
貴族が、王様が驚きに顔を歪める。

しかし一人驚かない人物がいる。
彼は呟いた。

「さすがだね、るるる子ちゃん」
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