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第3話 魔族の女王

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神聖王国の王族、貴族が驚愕する。
召喚の儀式が行われた広場。
広場には石が敷き詰められている。
人が殴ったくらいで壊れるような物では無い。

だが、今少女が地面を殴りつけるような動作をした。
それだけで、石畳が破壊され巨大な穴が開いているのだ。

「こっ、これが勇者の力!?」

国王は腰を抜かして座り込んでいる。

るるる子も驚いてる。
うわー、なんか大きい穴出来たー!
地面が石で出来てると思ったのに。
実はこれ発砲スチロール製だった?

おもしろーい。
もっと壊してみようかな。

れいじんぐすとーむ!!

るるる子の周りの石畳が壊れる。
周辺に石くずが飛び散る。


ずざざざざざっ。
王様がへたり込んだまま後退る。
周りで見てた人達もだ。
豪華な衣装を着てた人達が一斉に距離を置く。

召喚の巫女と名乗った女性だけ取り残される。

「ゆ、勇者様」

あれ、怯えてる?

美人のお姉さんがるるる子の方を見てふるふるしてるのだ。

しまった。
美人さんを怖がらせちゃった。

頭をかいてゴマカスるるる子ちゃん。

「あはははは。
 ゴメン、ついやっちゃった。
 ほら、あたしって怒りっぽいから」

距離を置いてる人たちは一向に近づいて来ない。
美人さんだけが少し微笑んでくれた。

「勇者様……」

その時現れる。
黒い人影たち。
角を生やし、牙を生やしたモノ。
魔族たち。

「勇者と言うのはその娘か」

うわー。
何だろう、アレ。
るるる子ちゃんは眺める。

黒いマントを羽織った赤髪の美女。
良く見ると角を生やしてる。
赤い髪の中から二本、大きな角が見えている。

引き連れている男達も同じ。
こちらは一本角。

羽根を生やしている者。
尻尾が有る者。
身体が緑色の者。

ヒーローショーかな。
子供の頃遊園地に行って見た事が有る。
あんなのが敵として出てきたような。

そんな事を思ってるるるる子ちゃん。

「卑劣なヒト族に手を貸す愚かな勇者よ。
 この魔王キスキル・リラが許さぬぞ」

あれ、あたし?
あたしを指さしてる。
るるる子ちゃんは今さら気が付いた。

王様が人々に隠れながら言う。

「おのれ、キスキル・リラ。
 魔族とは不戦協定が結ばれたはずだ。
 いきなり攻め入って来るとはなんと卑劣な」

「協定の調印をすっぽかしたのはそちらだ。
 卑劣な王め。
 しかも、隠れてコソコソと魔族に対抗すべく勇者を呼び出すとは」

なんだか醜い言い争い。
しかも人間の王様はこう言い放った。

「この醜い魔女め。
 魔界に隠れてればいいモノを。
 その醜い姿をワシの前にあらわすな」

ムカッ!
怒りゲージが又マックスゾーンに入るるるる子ちゃん。

「このジジィ。
 女の子に対してヒドイ事をいうなーっ!」

ちょうひっさつ!しのびばち!!

真っ赤に燃えたるるる子ちゃんが王様に体当たりするのであった。
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