クズな少年は新しい世界で元魔獣の美少女たちを従えて、聖者と呼ばれるようになる。

くろねこ教授

文字の大きさ
上 下
274 / 289
第五章 アルク野獣の森

第274話 歩く『野獣の森』その1

しおりを挟む
ショウマは見ていた。
ケロ子がいきなりパワーアップした。
『身体強化』は既に使っていた。
さっきまではそれも時間切れ。
疲れた従魔少女はパワーダウンしていたのだ
『身体強化』はしばらく使えないハズ。
ならあれは。

「ギ〇セカンド、それともギ〇サード?
 風船みたいに膨らんじゃうんだっけ」

異世界転生しちゃったから続き読めてない。
ショウマが産まれる前から連載してたコミック。
オチ知りたかったなー。
O〇E PIECE。
それはそれとして。

ハチ子が、ハチ美が見る。
タマモが倒れながらも見ている。
みみっくちゃんがタマモを介抱しながら見る。
視線の先は“森の巨人”。
巨大な魔獣。
にもかかわらず相手を圧倒している少女。
ケロ子。

彼女の体から力が溢れ出す。
拳。
蹴り。
その一撃で。
自分の3倍は有る巨人。
それを殴り飛ばす。
蹴り倒す。

いつものケロ子と明らかに違う。

凄い。
凄い。
ハチ子は見惚れる。
ハチ美は呆然とする。
タマモは興奮する。
みみっくちゃんは納得する。
それでこそお姉さま。

でもずっと見惚れてもいられない。
驚いてもいられない。
何故ならあれは目指す先。
将来、自分がなるべき姿。

WOOOO!WOOO!WOO!

“森の巨人”フンババが叫ぶ。

既に元気の有る雄叫びでは無い。
誰にでも分かる。
断末魔の叫び。

オレハモウオワリダ。

そう言っている。


ケロ子が巨人を見据える。

これで最後。

跳びあがる。
巨人へ掌底での左フック。
巨大な頭が少女の手で吹っ飛ぶ。
吹っ飛んだ頭へ。
追撃の右拳。
力を込めて振り抜く、右ストレート。
そのまま重力に身を任せ。
下へ振り抜く。
踵落とし。
巨人の上半身が下へ。
体がくの字に折れる。
着地したケロ子は蹴り上げる。
後方宙返り蹴り。
巨人の半身が今度は上へと。
すっと立ったケロ子。
前へと体を回転。
地面に手を突く。
前転浴びせ倒し。
少女の両足が巨人を打つ。

長い戦いに終止符を打つ。
最後の連撃。

終わった。

“森の巨人”が崩れる。
本当にこれでもう終わり。


ショウマは言う。

「よし、終わりだよ。
 フワワさん、あそこ連れてって。
 ケガしてる娘に回復魔法使ってあげなきゃ」

終わった。
間違いなく倒した。
あとしばらくしたら、“森の巨人”は消える。

戦い終わるまであそこは別空間だとフワワさんは言ってた。
終わったなら行けるハズ。
従魔少女達のところへ。


ショウマの目の前にフワワはいた。
さっきまで体調悪げに寝ていた女性。
立ってショウマの間近にいた。

「うん。
 倒したね。
 わたしももう死にそう」

ええっ。
フワワさんが?

“森の巨人”フンババ、“森の精霊”フワワ。
巨人を倒すと、フワワさんも倒れる。

良く分からないけど。
そんなパターン。
アルね、アルアル。
パッとアレだと思い出せないけど。
そんな話有る気がする。


「ええっ?!
 ……なら回復魔法使うよ」

ショウマは海属性魔法なら何でも来い。
ランク1からランク5までフルに使える。

「いいえ、回復じゃないわ。
 わたしをアナタのモノにしてちょうだい」

ええっと。
いきなりすぎない。
プロポーズ?
愛の告白?
えっちのお誘い?

フワワさんは女性。
獅子の仮面をかぶって顔は分からない。
だから美人とは明言できない。
出来ないのだけど魅力的な女性なのだ。

フワっとした包み込むような雰囲気。
その腕に抱かれたら安らいでしまうだろう。
そんな柔らかさが有るのだ。
見た人達が女神と呼ぶのも納得。
精霊と、女神と思ってもおかしくない。
そう思わせるだけのモノが有る。

毛皮を纏った身体。
下には緑色のアンダーウェア。
近くで見たら服じゃない。
身体そのものが緑。
植物を思わせるような緑の肌。
身体は細身で均整が取れてる。
ウエストは細いのに胸の膨らみは大きい。
獅子の様な縞の入った毛皮。

獅子の仮面の下には尖ったアゴ。
口元が出ている。
紅い唇。
話すと白い歯、ピンクの舌が覗く。

仮面の後ろには茶色い髪の毛。
柔らかそうな髪が仮面から肩へと流れる。
胸元を鎖骨を覆うくらいの長さ。

仮面をかぶって顔は分からない。
だけど美人だ。
美人って顔がキレイだけを言うんじゃないよね。
服装、雰囲気、髪型、スタイル。
全てに関して言うんだよね。
だからフワワさんは美人。
美女、魅力的な女性。
ショウマにとってはそう。
そう決めちゃった。

「ええっと、フワワさん。
 素敵なんですけど。
 イキナリ過ぎる告白かな。
 なんて……」

でも及び腰のショウマ。
本来、相手は良く知らない女性。
うつむいて喋れなくなっても不思議は無いショウマなのだ。
文句を言いたい時。
クレームつけたい時はそんなコト忘れてるよね。

その後もフワワさんの柔らかい雰囲気でするすると喋ってた。
でも本当は良く知らない魅力的な女性。
アナタのモノにして。
なーんて言われてもな。
どうして良いのか。
ショウマに分かるワケ無いじゃん。

「いいえ、今すぐじゃないと間に合わない。
 わたしをアナタのモノに」

「アナタの……」

「アナタの従魔にして!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

処理中です...