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第四章 地底大迷宮と暴走する英雄と竜の塔と鋼鉄の魔窟と
第201話 ショウマのいない迷宮都市その2
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迷宮都市は騒めいてる。
収穫祭が近いのだ。
お祭りなのだ。
商店は競ってセールをしかける。
レストランや酒場は賑わう。
取れたばかりの収穫物。
野菜が果物が、近隣の村から遠方から次々運び込まれる。
市場ではこれらが売られ、飲食店の連中も目玉品を探しに来る。
近くの村から遊びに来るものもいる。
わざわざ遠くから見に来るもの好きだっている。
広場には屋台が出る。
旅商人が露店も開く。
芸人なんかもやってくる。
旅芸人だ。
キワドイ格好の踊り子の姉さんも居れば、奇術師もいる。
吟遊詩人に道化。
道端で踊って小銭を稼ぐモノ。
大がかりなテントで入場料を取る有名な一座。
イロイロだ。
パレードなんかもある。
貴族や組合の役員なんかが飾り馬車から挨拶する。
もちろん人気は無い。
人々が沸くのはゲストに招かれた冒険者が通る時だ。
名の知れた冒険者が馬車に乗って通れば歓声が上がる。
拍手が響き、指笛が鳴らされる。
「ジョウマ?
誰だい、そいつ」
サラだ。
老女サラ、冒険者チーム『名も無き兵団』のリーダー。
この時期彼女は忙しい。
彼女は商売をしている。
武器屋、薬屋、服屋、酒場。
いろんな店に店長を立て、その元締めなのだ。
祭りに出る露店の仕切り。
それにも関わってる。
収穫祭の実行委員の一員という訳だ。
そんな彼女の元に今回のパレードに参加する冒険者の候補が届けられた。
まだ候補である。
確定な訳じゃない。
でもサラの元に届けられた時点である程度決まった話だ。
調査をして問題の有った候補や、本人が出ないといった候補なんかは外されてる。
だからキョウゲツの名は無い。
サラは引っ張りだそうとしてるが、本人が逃げてるのだ。
キョウゲツが若い頃はパレードに無理矢理参加させたモノだ。
まだヤツも断っていいモノと思ってなかった。
名前も顔もそれで一気に知られた。
道を歩けば人々が騒ぐ。
アイドルのような人気になったのだ。
いろんなイベントに参加させた。
サラの商売に利用したのだ。
金持ちのオバサマ達を集めたパーティーのホストのようなマネもさせた。
酔っぱらったオバサマ達がキョウゲツ一人に群がったのだ。
あれはちょっとやり過ぎだったかね。
少し反省するサラだ。
少しだけだけど。
それからキョウゲツは女嫌いを広言するようになった。
イベントからも逃げてる。
「ジョウマ氏。
大地の神は父さんだよ教団の大司教です。
冒険者チーム『天駆ける馬』のリーダーとしての参加です。
街では話題になってます。
“迷う霊魂”を倒した男として」
サラの元に候補のリストを届けた部下が説明する。
「ああ?
何だそれ。
ウラが取れた話かい?」
「冒険者組合では“迷う霊魂”を倒した者は分かってないという返事です。
冒険者チーム『天駆ける馬』のリーダーなのは事実です。
大地の神は父さんだよ教団の大司教なのも確認しました」
「うーん……」
大地の神は父さんだよ教団。
ハタ迷惑な集団だ。
ヤツらは肉体を鍛えてる。
冒険者としての行動も積極的にしている。
冒険者としてはそれなりだ。
体力は無尽蔵に有るし、得体の知れないスキルも使う。
でも全員素手で戦うヤツらだ。
チームに魔術師も入れないし、罠に対する斥候の類も置かない。
応用が効かないのだ。
特殊攻撃を使うような敵にはアッという間にやられる。
だからそれなり程度。
大活躍してるなんて話は聞かない。
「どうも胡散臭いね。
アタシは推薦しないよ。
他の役員どもがコイツを出す分には文句も言わない」
サラは迷ったけど候補から外すまではしない。
あくまで祭りのパレードだ。
飾り物である。
本物の腕利き冒険者である必要は無い。
話題性があればいいのだ。
その時サラの名前が呼ばれる。
「サラ様、大変です!
大変なんです」
「騒がしいね、どうしたんだよ」
「空!
空を見てください。
迷宮都市に近付いてくるんです」
街は騒めいてる。
いや騒めいてるどころじゃない。
パニックになりかけてる。
「何アレ!」
「バケモノ!」
「飛んでるぜ」
「空飛ぶ魔獣か?」
「イヤ、あれが飛行船だ」
「あの王国が開発してるってヤツか」
「そうだ。王国と女神都市の間辺りじゃもう使われてる」
「王国に行ったヤツなら見たことあるハズさ」
収穫祭が近いのだ。
お祭りなのだ。
商店は競ってセールをしかける。
レストランや酒場は賑わう。
取れたばかりの収穫物。
野菜が果物が、近隣の村から遠方から次々運び込まれる。
市場ではこれらが売られ、飲食店の連中も目玉品を探しに来る。
近くの村から遊びに来るものもいる。
わざわざ遠くから見に来るもの好きだっている。
広場には屋台が出る。
旅商人が露店も開く。
芸人なんかもやってくる。
旅芸人だ。
キワドイ格好の踊り子の姉さんも居れば、奇術師もいる。
吟遊詩人に道化。
道端で踊って小銭を稼ぐモノ。
大がかりなテントで入場料を取る有名な一座。
イロイロだ。
パレードなんかもある。
貴族や組合の役員なんかが飾り馬車から挨拶する。
もちろん人気は無い。
人々が沸くのはゲストに招かれた冒険者が通る時だ。
名の知れた冒険者が馬車に乗って通れば歓声が上がる。
拍手が響き、指笛が鳴らされる。
「ジョウマ?
誰だい、そいつ」
サラだ。
老女サラ、冒険者チーム『名も無き兵団』のリーダー。
この時期彼女は忙しい。
彼女は商売をしている。
武器屋、薬屋、服屋、酒場。
いろんな店に店長を立て、その元締めなのだ。
祭りに出る露店の仕切り。
それにも関わってる。
収穫祭の実行委員の一員という訳だ。
そんな彼女の元に今回のパレードに参加する冒険者の候補が届けられた。
まだ候補である。
確定な訳じゃない。
でもサラの元に届けられた時点である程度決まった話だ。
調査をして問題の有った候補や、本人が出ないといった候補なんかは外されてる。
だからキョウゲツの名は無い。
サラは引っ張りだそうとしてるが、本人が逃げてるのだ。
キョウゲツが若い頃はパレードに無理矢理参加させたモノだ。
まだヤツも断っていいモノと思ってなかった。
名前も顔もそれで一気に知られた。
道を歩けば人々が騒ぐ。
アイドルのような人気になったのだ。
いろんなイベントに参加させた。
サラの商売に利用したのだ。
金持ちのオバサマ達を集めたパーティーのホストのようなマネもさせた。
酔っぱらったオバサマ達がキョウゲツ一人に群がったのだ。
あれはちょっとやり過ぎだったかね。
少し反省するサラだ。
少しだけだけど。
それからキョウゲツは女嫌いを広言するようになった。
イベントからも逃げてる。
「ジョウマ氏。
大地の神は父さんだよ教団の大司教です。
冒険者チーム『天駆ける馬』のリーダーとしての参加です。
街では話題になってます。
“迷う霊魂”を倒した男として」
サラの元に候補のリストを届けた部下が説明する。
「ああ?
何だそれ。
ウラが取れた話かい?」
「冒険者組合では“迷う霊魂”を倒した者は分かってないという返事です。
冒険者チーム『天駆ける馬』のリーダーなのは事実です。
大地の神は父さんだよ教団の大司教なのも確認しました」
「うーん……」
大地の神は父さんだよ教団。
ハタ迷惑な集団だ。
ヤツらは肉体を鍛えてる。
冒険者としての行動も積極的にしている。
冒険者としてはそれなりだ。
体力は無尽蔵に有るし、得体の知れないスキルも使う。
でも全員素手で戦うヤツらだ。
チームに魔術師も入れないし、罠に対する斥候の類も置かない。
応用が効かないのだ。
特殊攻撃を使うような敵にはアッという間にやられる。
だからそれなり程度。
大活躍してるなんて話は聞かない。
「どうも胡散臭いね。
アタシは推薦しないよ。
他の役員どもがコイツを出す分には文句も言わない」
サラは迷ったけど候補から外すまではしない。
あくまで祭りのパレードだ。
飾り物である。
本物の腕利き冒険者である必要は無い。
話題性があればいいのだ。
その時サラの名前が呼ばれる。
「サラ様、大変です!
大変なんです」
「騒がしいね、どうしたんだよ」
「空!
空を見てください。
迷宮都市に近付いてくるんです」
街は騒めいてる。
いや騒めいてるどころじゃない。
パニックになりかけてる。
「何アレ!」
「バケモノ!」
「飛んでるぜ」
「空飛ぶ魔獣か?」
「イヤ、あれが飛行船だ」
「あの王国が開発してるってヤツか」
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