クズな少年は新しい世界で元魔獣の美少女たちを従えて、聖者と呼ばれるようになる。

くろねこ教授

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第二章 迷宮都市はオドル

第93話 新たなる迷宮へその3

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みみっくちゃん中心に目立つ美女4人が街を歩いてましたですよ。野郎が目を付けない筈が無いです。酔っぱらいに絡まれたですよ。迷宮に入ったところです。最初の広間こそ準備してる冒険者が多いですが、真ん中の道を進めば一気に人気の少ない道になりますですよ。向こうからすれば狙い目です。


「おい、そこの坊っちゃん!
 男一人で女四人も引き連れて、いい御身分じゃねーかよ」

迷宮に入った途端、ショウマ達は声をかけられた。

「自分で迷宮に入るとは、何考えてんだか」
「こっちとしては好都合だぜ」

「おいガキ、見てたぜ。
 ずいぶん羽振りのいい買い物してたじゃねーか」
「俺たちにもちょっと分けてくれねーか」

「お前らが平和に暮らしてんのは、オレたち冒険者が命懸けで戦ってるおかげなんだぜ」
「それを考えて、ちったあお礼をしてくれよな」

男たちは4人いた。
街で飲んでいたのだ。
美女4人が歩いているのを見たら、ついチョッカイもかけたくなる。
そうしたら、一緒に男が居たのだ。
金のかかってそうな上等のコートを着た男。
よく見たらガキだ。
成人してるかどうかといった年齢のヒョロっとしたガキ。
どこぞの裕福な商人の息子か、貴族の子供。
貴族や、金持ちにケンカ売るのはマズイ。
だが、何処に向かっている?
それは迷宮の方向だ。


「街でケンカしちゃあ、警備団が飛んでくるがな」
「迷宮の中じゃそうはいかないぜ」

男の一人が剣を抜く。
本気で斬るつもりはない。
オドシだ。
相手は貴族の坊っちゃんかもしれない。
下手にケガさせたら後でマズイ事になる可能性が有る。
これは強盗じゃないのだ。
迷宮で冒険者が戦っていた。
その雄姿に感動して、坊っちゃんが金をくれたのだ。

ついでに女もどうにかできないだろうか。
男たちにその場で女を襲うほど度胸は無い。
しかし、金目当てでガキに媚売ってる女達だ。
一人くらいはこちらに媚を売ってくるかもしれない。
そしたら、酒に付き合わせるのだ。
タップリ酔わせてやろう。
そして朝までエヘヘヘヘ。

都合の良い妄想と酒に酔った男達。
しかしその剣は本物だ。
妄想では無い。

凶器を持ったまま、ショウマに近づく男。

「そのキレイな顔に傷を付けたいか。
 おっとケガさせたのは冒険者じゃねえぜ。
 魔獣にやられたって事にしときな。
 箔ってもんが付くぜ……」
セリフが言い終わる前だ。
男がショウマの近くから横にすっ飛んでいった。

「え!」
「え!」
「え!」

残された3人の男。
彼らは思う。
今アニキ分はどうなった。
良く分からないけどぶっとんでった。
アニキの居たところには女が居る。
足を上げてる。
まるでキックをした後みたいなポーズだ。


「ショウマさまに剣を向けたなっ」

その女がこちらに視線を向ける。

なんで俺たちの体は震えてる。
見れば女もガキだ。
まだ15~6歳だろう。
図体だって俺たちより小さい。
普通の少女。
黒いドレスに白いエプロン。
スカートがフワッと上がってる。
胸が大きく尻もデカイ。
酒場で会ったなら、ケツの一つも撫でてやろう。
そんな女なのだ。

フッ

女に一番近い場所にいた男。
そいつの姿が無くなる。

「え!」
「え!」

そいつの姿を探す。
上だ。
上にいた。
空を飛んでる。
男たちの頭上を超えて飛んでいく。

そしてまた女が居る。
また足を上げてる。
ハイキックの形。

スカート姿で足を高く上げてる。
正面にいる男たちの視線が吸い寄せられる。
スカートの中に。
純白レース!

ヤバイ状況だと分かっていながらニヤケてしまう男たち。
冷や汗をかきながらニヤケる。
器用な真似をする男たちだ。
しかし魅惑の光景はすぐ消えてしまう。

女が足を下したのだ。
女の顔が見える。
目が光っている。
底知れない怒りの視線だ。

もう男たちには分かっていた。
目の前にいるのは女だ。
でも女じゃない。
女の形をしたマモノだ。

「助けて!」
「助けて!」

逃げようとする男たち。
しかし、ショウマに凶器を向けた男を逃すケロ子ではない。
一瞬で二人とも宙に蹴り飛ばされていた。

「んー。どうします、ご主人様。身ぐるみはがして持ってきますか。小銭しか持ってないみたいですけど」

みみっくちゃんが聞く。
絡んできた男たちはまとめて縛ってある。

「いや、それじゃ強盗だよ」

ショウマはもうほっといて帰りたいのだ。
ケロ子の雄姿は拝んだ。
男達に用事は無いのだ。

「おい、お前らこんなことしてタダで済むと思ってるのか」
「おれたちゃ冒険者なんだぜ」

「迷宮で会ったら覚えとけよ」
「組合に言って訴えてやるかんな」

「強盗なのはコイツらだろう。優しいのは王の美点と思うが、犯罪者は甘やかすとロクな事がないぞ」
「優しいのは王の美点です。しかし犯罪者を放置しても他の人間に迷惑をかけるだけです」

男たちのセリフをまったく気にしてない従魔少女だ。

「まだショウマさまになにかする気かっ!」

ケロ子が男たちを睨む。
目が底光りしている。
戦闘準備OKである。
これ以上なにか言ったら殺す。
そんな鬼気が言葉に込められている。
黒いオーラがケロ子の全身から溢れ出る。
普段のケロ子が光のケロ子なら、闇ケロ子である。

「!」
「!」
「!」
「!」

男たちは4人とも土下座していた。
縛られたまま平伏低頭。
全面降伏である。

とりあえず、男たちからは武器だけ全部奪った。
縛ったまま放り出してある。
ここは迷宮だけど死にはしないだろう。
1階には魔獣が出なくなったようだし。
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