医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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132話 後期試験の結果と懐石料理店

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後期試験は小川先生のおかげで一か八かどころか、驚きの成績が取れて、なんとクラスで2番だった。うそーーーっっ!て二人で驚愕したよ。もう、やったー!やったー!って言いながら抱き合ってぐるぐる回った!(笑)

これはマジで凄すぎるね。本当にマジックだ!!またお祝いの食事をしないと駄目だよ。絶対!もちろん結果はすぐ電話してお礼を言ったよ。で、食事会も今度の金曜日にすることになった。今度は日本料理にしようかと思うよ。俺は中華が好きなんだけど、莉子は油に弱いからね。

さて、莉子の絵本も中々良いものが出来たようだ。俺はまだ見せてもらえないんだよ。A5のサイズで本になっているのが届くんだって、5冊注文していて、あっちこっちに配る予定。楽しみだねえ。

莉子の第一歩だもんな。小川先生との食事会で早速お祝いの乾杯をしないといけない。勿論、中村にまた聞いて教えて貰った。日本料理のしっとりとした粋なお店だ。懐石料理だそうだ。楽しみだな。たまにはいいよね。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

その懐石料理の店は、うちから車で30分ほど大きな川沿いにあるお店だった。店内から川の景色が見えて、小さな船が行き交うのが見える。眺めるだけで飽きないね。 

今日は僕も莉子もおしゃれをしてきたよ。莉子はレモンイエローのアンサンブルだ。すごくかわいい。パールのネックレスとイヤリングを付けて来た。
髪も左右の髪をクルクルとねじって、後ろでリボンのバレッタを使って止めている。素敵にまとめてきたね。えらいえらいと俺は頭を撫でた。

俺はグレーのピンストライプのスリーピーススーツにした。ワイシャツは薄いベージュ系でネクタイは抹茶のようなグリーン系。ポケットチーフはモスグリーンだ。懐石料理は春だろうから、俺も春を意識してグリーンのアクセントにしたんだ。ワイシャツの色がちょっと莉子とリンクしているんだよね。楽しいなあ。

先生のお宅に迎えに行くと、先生もとっても素敵な装いで待っていてくれた。藤色のシフォンを何枚も重ね合わせたようなワンピースと同じ色の上着だ。エレガントで良く似合っている。すごく素敵だ。

莉子が、「うわ~先生素敵!!おしゃれ!」と最大級だね。ふふふ。

「先生、すごく素敵な装いですね。お似合いですよ」と俺が言うと、「ありがとうございます」と先生が言った。

「お二人もすごく素敵です。またおしゃれな装いなのでびっくりしました。なんだかファッション雑誌から抜け出たようですよ」 ありがとうございます。ニヤニヤが止まらないな。ふふふ。

じゃあ、行きましょうか。ここから車で30分ほどの所です。
着いたらすごくモダンでシックな店構えだった。懐石料理店だとは思えないくらいだ。
俺と莉子は柚子を使ったノンアルコールのドリンクを頼んだ。先生には好みのお酒を選んでいただく。
もちろん三人で最初に乾杯したよ。「先生の大健闘を祝して!!かんぱ~い」莉子も頑張ったね。

それからはもう春の味覚を先取りした、凝った料理の数々が出てきて目を楽しませてくれた。器も素敵な焼き物だった。最初に出て来る八寸の盛り合わせが、まるで絵を描いているような鮮やかさで驚きだった。これが料理か?と思うほど、美しい盛り付けの懐石料理が次々に出てきて、最後の赤い切子のグラスに入っている水菓子までおいしかった。もうみんな大満足だ。

それから、この前も女子会になっていたから、今日もきっと同じだね。俺は聞いているだけで満足だよ。
幸いなことに、今日は莉子の絵本が間に合ったから、先生に贈呈された。
「うわ~かわいい!ウサギの絵がかわいいじゃない!」と言われて早速読んでもらっていた。

俺も感激だ。なんて可愛い本なんだろう。サイズのA5だから、A4のちょうど半分だ。大きさも小さいから幼い子供が持つにはちょうどいい。薄めだし、軽いし、色がきれいで莉子の手書きの文字で物語が書いある。

やさしくて心がほっこりとしてくるような絵だ。へえ~、莉子はこんなやさしい絵を描くんだね。
(前の大学祭に書いた俺の自画像は一体なんだったんだ??抽象的過ぎて目が真ん丸になったよ)

うさぎの赤ちゃんが初めて外に出ていろんな虫や花や、動物に会う話だ。やさしいよ。いつか莉子に子供が出来たら真っ先に読ませたいね。先生にいろいろ説明する莉子を見ていて、抱きしめたい衝動に駆られて、本当に困ったよ。

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