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55話 春ちゃんとタコパ(莉子サイド)

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夜、春ちゃんがただいま~と帰ってきた。

私は走って行って飛びついた!ひたすらぎゅっとしがみつく。
だってすごく会いたかった......ちょっと切ないくらいになっちゃっていた。

「どうした?莉子、寂しかったのか? 今日は楽しいパーティーをしたんでしょう?」と抱きしめてくれた。
これこれ......これをしてほしかったの。まだ離さないよ。ふふふ。春ちゃんは私の物だもん。

春ちゃんが着替えるよと言うから、仕方なくついていった。
着替えるのをじっと見てるんだ。だって春ちゃんって身体がきれいでカッコいいんだもん。
春ちゃんって身長が182cmもあるし、肩幅は広いし背中がすーっと下まで伸びていて、おなかのあたりもキュッと締まっていて素敵。足もすごく長いし本当に格好いいんだ。おまけに肌もきれいで私なんかよりずっときれいなんだもん。うらやましいよ。全く。私は肘をついて眺めていた。
病院で絶対モテてるに違いないんだ。ついて行けないのが悔しい。

春ちゃんのデザートたこ焼きも取ってあるよ。私が作ったんだ。

でもまだ材料がいっぱい残っているんだよね。春ちゃん、今夜もまた焼いて食べる??
「うん、良いよ、莉子が作ってくれるものなら何でも食べるよ」

でもひっくり返すのは春ちゃんがやってね。
「うん?今日の練習の成果はないの?」と言って笑っていた。どうせ私は不器用ですよ。

で、またまたタコ焼き器を出して焼き始めた。春ちゃんも楽しそうにつついていた。

ところでねえ、私が8歳の時からお兄ちゃんとお父さんに診察と治療をしてもらっているって言ったらね。
部長が言っていたんだけど、
「莉子も今更他の奴とは結婚は出来ねえだろう?他の奴が来ても全く役に立たないんじゃあねえの?」って言ってたよ。
そしたら春ちゃんがぷーっと噴き出していた。
「あははは。さすがに部長は鋭いねえ~!そうか、普通に見てもそう思うんだね」ふふふ。
あら、機嫌よく笑っている。

「じゃあ、莉子、そろそろ指輪をはめて学校に行くか??」
やだ、それとこれとは別なの。お兄ちゃんだって指輪をして病院に行かないのに不公平だもん。
ふふふと笑って「焼きもちか?」と聞かれた。私、横を向いてたし。悔しい......。

「じゃあ、大人の女になったとは言わなかったの?」と言って私の頬に手を当てた。
きゃあ~やめてえ~。二人で大笑いした。

「後で莉子と風呂に入るよ」 う~ん、それはどうかなあ? 春ちゃん、危険なにおいがするよ。
「あははは、その通り。だって大人の女と一緒に入るんだよ。危険に決まっているじゃないか」

どうせ嫌って言っても連れて行かれるし、行けば触られるし、逃げようとするとお仕置きするって言われちゃうし。
どうあがいても捕まえられちゃうし......。お兄ちゃんて昔からこんなに危険な人だったの??

私、なんでさっきあんなにくっついちゃったのかなあ?失敗だった。
また寝かせてもらえないよ。
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