上 下
38 / 247

37話 生理痛再び・1

しおりを挟む
夜中に莉子の声が聞こえて来た。うんうんと苦しんでいるみたいだ。

莉子、どうした?? 「おなかが痛くて我慢できない。腰も痛い」

そろそろ生理か、朝の診察の時は兆候がなかったんだけど、そろそろあってもおかしくない。よしよし、すぐ楽にしてあげるからね。

俺は診療道具一式を持ってきた。

布団をめくると出血が滲み出ている。幸いなことにシーツの下は念のために防水シーツを敷いておいたから、シーツだけをあとで取り替えればいい。

スタンドライトをそばに寄せて、光の向きを調整する。
莉子、まぶしいだろうからちょっとタオルを顔にかけておくよ。

おしっこは出るか? 「おなかが痛くて出せない」
じゃあ、導尿をしよう。導尿のセットを出す。ついでに尿路感染のチェックもしておこう。

先に下にシートを敷いてパジャマを脱がせる。
初日なのに出血が多いな。とりあえずナプキンで押さえておこう。
おむつを広げて半分たたみ、莉子のおしりの下に押し込んでおく。

莉子、足を開いて。導尿をするからねと声を掛けて、陰部を消毒してからそっと管を入れていく。
管が入っていくと、「うわっ気持ち悪い......」と莉子が声をあげる。

おしっこは結構な量が出て来た。動けなくて我慢していたのか。かわいそうに。
あとで細菌や尿たんぱくの検査もしておこう。こういう時は尿路感染が起きやすい。

その間も莉子は涙を流しながら、手を握り締めて苦しそうに唸っている。

おむつをつけるよと声を掛けてから、壁側を向かせておむつの縦半分を敷いて、
また仰向けにしてこっち側に向きを変えさせる。

壁側の方から半分たたんでおいた分を引っ張って、マジックテープで止めた。
ナプキンも厚めにしておいた。
最後に大き目のバスタオルを下半身にかけてから、お布団をかけた。

大学に休みの連絡しないといけないな。それと診断書をメールで送っておこう。
そうだ、詩音ちゃんにもメールをした方がいいな。

多分、莉子はご飯を食べるのが無理だろうから、点滴と痛み止めも一緒に入れよう。
俺は注射道具を持ってきた。点滴台に繋ぎ、点滴に痛み止めを入れた。

「莉子、痛み止めを入れた点滴をするから、ちょっとチクッとするよ、我慢な」と声をかけた。

腕の静脈も注射のあとだらけで血管が固くなっている。かわいそうだ。
俺は腕を固定台で動かないように留めた。あと冷えないように腕にタオルを掛けた。

あとは、腰が痛いと言っているから、腰を温めてやろう。
貼るタイプのカイロを二枚腹巻につけて、低温やけどをしないようにタオルも一緒に固定してあげた。

それから雑炊を作った。
いつも同じになるんだけど、莉子が好きだから食べられる時に食べて欲しい。

それにしても大学病院の再診の日が近い。生理が終ればなんとかなるけど、どうかな?タイミングが悪いな。
婦人科の診察は、基本生理中であってもできるんだけど、莉子のように痛みで動けない場合は無理だよな。

まあ、今日はネット診療の日だから助かった。合間に莉子の世話ができるから何とかなるさ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...