涙の国の君主とアマテルの娘。

──遠く、焼けた大地の果て。
険しい岩山と乾いた砂地に囲まれて、その国は在った。

異形の者と人間とが共に暮らす国、『涙の国』。

涙の国には、地上で最も獰猛であり──、
数多の武勲をあげた牛頭の男が君主として君臨していた。


彼の率いる軍隊は凄まじく強靭で勇ましい狂戦士ばかりである。


そのあまりの強さに、周辺の国はかの国を『化け物の国』と呼び、
魔物が住まう魔境として忌み嫌い、恐れていた──。


そんなとある国を、遠い海の果てにある島国から、一人の娘が訪ねてくる。


彼女は、島国の神、アマテルの使いだった。

旅路への助けとして多くのものを授かり、それを用いて海を渡ってきた彼女は、
『海の向こう側にある神さま』への親書を預かっていた──。





***



これは、在り得ざる『いつか』の物語。

まだ善も悪もなく、そこに『悪魔』というものはなく。
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──その誰も彼もが『神さま』だった時代のお話。


人外×少女の、王道ファンタジー。

 
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