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017:私と結婚します?
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さて。運転を交代しながら開拓の最前線地を目指す。
「遠いな」
「ですね」
現在の運転はハルだ。
俺はスキル表から視線を外して風景に視線を向ける。
風が心地良い。
昨日、ガイエンから聞いた情報から現在は「霜が降りる月」らしい。まぁつまり11月だな。それも終わり頃とのこと。確か4周目だったかな?
それでも昼間は結構、温かい。日差しが心地良い季節だ。
針葉樹林と広葉樹が混じり点在していることから亜熱帯気候なのかなとも思うが……まぁどうでもいいか。雪も降るらしい。まぁ積もっても膝ぐらいまでとのこと。
狩猟にはいい季節が。
あぁ、でも夏場はどうっすかなぁ。
って来年のことを考えている自分に思わず苦笑い。
いつまでこの世界に居る気だよってな。
「なぁハル」
「はい?」
「もしこのまま日本に帰れなかったら、お前。どうする?」
「う~ん。そうですね。加瀬さんと結婚ですかね?」
「ぶほっ!」
俺が吹き出す。
「なっ、ちょっ、え? 俺とお前が結婚すんの?」
「えっ、だって、他にどうしようも……」
「いやいやいやいや。何でそうなるんだよ!」
「だってこっちの人と価値観が合うかどうか……」
「いやいや。だからって俺とお前はないだろう?」
「え~。じゃあ私、一生独りですか?」
「いやいやいやいや。えっ。そうなんの?」
「まぁ、帰れないとなったらですけどね?」
俺は一瞬沈黙。そして真剣に言った。いやかなりマジで。
「……帰る方法。見つけないとな」
「そんなに私と結婚するの嫌ですか?」
「いや。別にそんなことはないけど……結婚なぁ。しかも常識の違う異世界で? 苦労する景色しか見えんぞ?」
「出産する私の方が大変なんですけどね?」
そうだな。
「……帰ろうな。絶対に。日本へ。なっ?」
「…………」
なんかこの話題は、やばい方へ振り切っている気がして、この後。しばらく車内には沈黙が下りたのだった。
「遠いな」
「ですね」
現在の運転はハルだ。
俺はスキル表から視線を外して風景に視線を向ける。
風が心地良い。
昨日、ガイエンから聞いた情報から現在は「霜が降りる月」らしい。まぁつまり11月だな。それも終わり頃とのこと。確か4周目だったかな?
それでも昼間は結構、温かい。日差しが心地良い季節だ。
針葉樹林と広葉樹が混じり点在していることから亜熱帯気候なのかなとも思うが……まぁどうでもいいか。雪も降るらしい。まぁ積もっても膝ぐらいまでとのこと。
狩猟にはいい季節が。
あぁ、でも夏場はどうっすかなぁ。
って来年のことを考えている自分に思わず苦笑い。
いつまでこの世界に居る気だよってな。
「なぁハル」
「はい?」
「もしこのまま日本に帰れなかったら、お前。どうする?」
「う~ん。そうですね。加瀬さんと結婚ですかね?」
「ぶほっ!」
俺が吹き出す。
「なっ、ちょっ、え? 俺とお前が結婚すんの?」
「えっ、だって、他にどうしようも……」
「いやいやいやいや。何でそうなるんだよ!」
「だってこっちの人と価値観が合うかどうか……」
「いやいや。だからって俺とお前はないだろう?」
「え~。じゃあ私、一生独りですか?」
「いやいやいやいや。えっ。そうなんの?」
「まぁ、帰れないとなったらですけどね?」
俺は一瞬沈黙。そして真剣に言った。いやかなりマジで。
「……帰る方法。見つけないとな」
「そんなに私と結婚するの嫌ですか?」
「いや。別にそんなことはないけど……結婚なぁ。しかも常識の違う異世界で? 苦労する景色しか見えんぞ?」
「出産する私の方が大変なんですけどね?」
そうだな。
「……帰ろうな。絶対に。日本へ。なっ?」
「…………」
なんかこの話題は、やばい方へ振り切っている気がして、この後。しばらく車内には沈黙が下りたのだった。
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