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015:情報
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ガイエンから色々と話を聞いた。
「ハンターってのは主に害獣や魔物を狩るのを生業にしている連中のことを言う」
という知っていることに始まり「ダンジョンやラビリンスという異界に通じる場所があるのだという」
ダンジョンとラビリンスの違いは異界が地下に伸びているか、上に伸びているか。まぁ細々とした違いはあるらしいがガイエンは覚えていないと笑っていた。
しかし異界か……
俺が考え込んでいると、ハルが隣に移動してきた。
「元の世界に繋がってたりするんですかね?」
どうやら俺と同じことを考えていたようだ。
「どうだろうな?」
いちおう帰る候補の一つには考えておくか。
他には、この世界の常識が知りたい。例えば日付とか時間とか。ちなみに現在の時刻。俺の腕時計は20時32分とある。さて、実際のところはどうなんだろうな?
ガイエンに聞いてみたところ、時間は教会に聞いてくれと言われてしまった。どうやら教会が管理しているらしい。日付に関しては、光、闇、火、水、風、土の六日周期だという。そしてそれが5回巡ると、新しい月になるならしい。そして月が12回巡ると新年なのだそうだ。つまり一年は360日ということだ。水の回転具合から北半球であること、日の高さから赤道付近なのではないかと予想は立てている。
ただ、まぁ。ここが作られた世界だというのなら、地平が平面である可能性もある。いちおう地平線を見た感じは球体に見えるが、さて。
そんな話をハルにしたら「へぇ。そうなんですか」と言う具合で、あまり興味はなかったようだ。
「そんなことよりも、この辺ではどんな獲物が狩れるんですかね!」
うん。前向きだな。くっそぉ。人の気も知らんと。
彼女にそう言ってみたら、ここが天体でも亀の甲羅の上でもどちらでもいいですよ。明日を生きるために必要なのは経済です!
つまりお金を稼ぐこと!
だそうだ。
実に現実的な女性らしい意見。
「明日からがんばりましょうね!」
その後はガイエンに、この辺で狩りをするならどこが良いかを尋ねた。
「北へ行った山の麓に森がある。そこが獲物が多い」
「ほぉ」
じゃあそこかな?
そう思ったがガイエンからダメ出し。
「だが獲物が多いということは、それだけ魔物が多いということでもある。よほど腕に自信があるやつ以外は、地元の者でも行かねぇ。危険すぎる」
あら。
「じゃあどうすんだ?」
「おう。そうだな。丘陵地帯を南西へ行くと大きな川がある。それを下っていくと、森がある。そこならまぁ安全だ」
「安全、ということは……」
「はは。まぁ獲物が少ないということでもある」
「駄目じゃん」
「まぁそうだが……死ぬよりは良い」
「う~ん。この辺ってあまり稼ぐ場所がないのか?」
そう尋ねると、ガイエンは頷いた。
「まぁな。だが西へ真っすぐ行った先。そこには未開拓地域が広がっている。稼ぐならそこだが、それだと今度は危険がいっぱいだ」
「なるほど。金を取るか、安全を取るか、か」
「そういうことだ」
「北の山の麓と未開拓地域ならどっちだ?」
「どっちもどっちだ。危険度で言えば北の山だが、未開拓地域にはろくな街がない。いちおう小さな村があるが……な。装備品がなかなか手に入りにくいから、こっちと往復することになる。移動の手間ひまを考えるとな」
なるほどね。ステータスでアイテム類を購入できる俺とハルにとっては、未開拓地域一択だな。
これはいい情報だった。ガイエンに礼を言って、ハルを見る。
「なにか収穫はありました?」
「おう。明日にでも西へ行くぞ。俺たちが行くのは未開拓地域だ」
「はい。了解でっす!」
「ハンターってのは主に害獣や魔物を狩るのを生業にしている連中のことを言う」
という知っていることに始まり「ダンジョンやラビリンスという異界に通じる場所があるのだという」
ダンジョンとラビリンスの違いは異界が地下に伸びているか、上に伸びているか。まぁ細々とした違いはあるらしいがガイエンは覚えていないと笑っていた。
しかし異界か……
俺が考え込んでいると、ハルが隣に移動してきた。
「元の世界に繋がってたりするんですかね?」
どうやら俺と同じことを考えていたようだ。
「どうだろうな?」
いちおう帰る候補の一つには考えておくか。
他には、この世界の常識が知りたい。例えば日付とか時間とか。ちなみに現在の時刻。俺の腕時計は20時32分とある。さて、実際のところはどうなんだろうな?
ガイエンに聞いてみたところ、時間は教会に聞いてくれと言われてしまった。どうやら教会が管理しているらしい。日付に関しては、光、闇、火、水、風、土の六日周期だという。そしてそれが5回巡ると、新しい月になるならしい。そして月が12回巡ると新年なのだそうだ。つまり一年は360日ということだ。水の回転具合から北半球であること、日の高さから赤道付近なのではないかと予想は立てている。
ただ、まぁ。ここが作られた世界だというのなら、地平が平面である可能性もある。いちおう地平線を見た感じは球体に見えるが、さて。
そんな話をハルにしたら「へぇ。そうなんですか」と言う具合で、あまり興味はなかったようだ。
「そんなことよりも、この辺ではどんな獲物が狩れるんですかね!」
うん。前向きだな。くっそぉ。人の気も知らんと。
彼女にそう言ってみたら、ここが天体でも亀の甲羅の上でもどちらでもいいですよ。明日を生きるために必要なのは経済です!
つまりお金を稼ぐこと!
だそうだ。
実に現実的な女性らしい意見。
「明日からがんばりましょうね!」
その後はガイエンに、この辺で狩りをするならどこが良いかを尋ねた。
「北へ行った山の麓に森がある。そこが獲物が多い」
「ほぉ」
じゃあそこかな?
そう思ったがガイエンからダメ出し。
「だが獲物が多いということは、それだけ魔物が多いということでもある。よほど腕に自信があるやつ以外は、地元の者でも行かねぇ。危険すぎる」
あら。
「じゃあどうすんだ?」
「おう。そうだな。丘陵地帯を南西へ行くと大きな川がある。それを下っていくと、森がある。そこならまぁ安全だ」
「安全、ということは……」
「はは。まぁ獲物が少ないということでもある」
「駄目じゃん」
「まぁそうだが……死ぬよりは良い」
「う~ん。この辺ってあまり稼ぐ場所がないのか?」
そう尋ねると、ガイエンは頷いた。
「まぁな。だが西へ真っすぐ行った先。そこには未開拓地域が広がっている。稼ぐならそこだが、それだと今度は危険がいっぱいだ」
「なるほど。金を取るか、安全を取るか、か」
「そういうことだ」
「北の山の麓と未開拓地域ならどっちだ?」
「どっちもどっちだ。危険度で言えば北の山だが、未開拓地域にはろくな街がない。いちおう小さな村があるが……な。装備品がなかなか手に入りにくいから、こっちと往復することになる。移動の手間ひまを考えるとな」
なるほどね。ステータスでアイテム類を購入できる俺とハルにとっては、未開拓地域一択だな。
これはいい情報だった。ガイエンに礼を言って、ハルを見る。
「なにか収穫はありました?」
「おう。明日にでも西へ行くぞ。俺たちが行くのは未開拓地域だ」
「はい。了解でっす!」
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