2年死ィ組 カイモン先生

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2章 ボクの家

14話 絶望のシグナル

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 ボクは腹がたったが、父は話を進める。

「犯人は最後に"マズ最初ニ、近イ将来、息子サンニ不幸ガ訪レルダロウ"といって電話を切りやがったんだ……」

 言うと、父は暗い表情をして顔をうつ向けた。
 ボクもショックで全身のチカラがぬけ、意識がボーぜんとして、何も考える事ができなくなった。イヤ何も考えたくなくなった。

 ボクに不幸がおとずれる?
 ボクも鈴岡さんみたいに殺されるのか!
 えーーーボクが殺される?
 どこの誰かも分からない相手に?
 ソイツはボクにも父にも母にも怨みはない。会社がすすめている開発事業を中止させたいだけだ、そのためにボクが殺される……なぜだ……

 これほどの、絶望があるだろうか、教えてほしい。誰かに命を狙われることにたいする対処法を。この非常事態にたいする心がまえがあるのだとしたら、今すぐそれを教授してほしい……
 このありえない状況を改めて理解したら、ボクの頭のなかで何かが壊れた……

「うわああああああああ~~~ッッ!!!!」

 それからボクは自分の頭をかかえて狂ったように吠えた。
 ボクの脳内から絶望の危険シグナルが鳴り響き、腹の内蔵の内側から地獄から押し寄せてくるかのようなの恐怖の悲鳴が響きわたった。
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