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夕里の股の間で主張するものに気付いたとき、やっと柊は自分の身に起きていることを把握した。――彼は自分に欲情しているのだ、と。
耳元で謝られて、その低い声と耳にかかる息にも腰が震えた。言葉とは裏腹に、夕里の手は止まらない。
柊は戸惑いながら自分の身体を見下ろす。なんとなく自覚していたが、グレーの下着にはもう先走りが滲んでそこだけ色が変わっていた。
今されていることが気持ち悪かったら、決してこんな風にはならない。下着越しに触れてくる手は、どう見ても男の手だ。大きくて、血管が浮いていて、熱い。
言われるがまま目を閉じても、脳裏に浮かぶのはいま後ろにいる男だ。さっきまで向かい合って酒を飲んでいた男が、欲情して柊に好き勝手触れている。
現実を理解してもやっぱり夕里を気持ち悪いとは思えなかったし、正直なところ性的に触られるのだって気持ちよくて仕方がない。
「んぁ!ゆりくぅん……どうしよっ。ね、きもちいい……」
「あ~~~くそっ」
柊は後ろを振り返って夕里の顔を見上げ、助けを求めるように窮状を訴えた。
間近で見た男前な顔は酒を飲んでいたときよりも真っ赤になり、黒い瞳は興奮に潤んでいる。
「んんぅ!?︎」
ガブリと口元に噛みつかれ、驚く唇に舌が這わされた。歯と舌で唇を痛いくらい激しく愛撫される。
粘膜接触から伝わってくる情熱に、柊は再び混乱の中に突き落とされた。
(え……これってキス?初めてなんですけどぉ~!?)
自分の想像していたキスとは違いすぎるが、唇同士が合わさっている時点でキスなのだろう。
学生時代に夢見ていたファーストキスのシチュエーションが、ガラガラと崩れ去っていく幻影が見えた。誰もいない教室、夜の公園。付き合って一ヶ月の女の子。あの……初心者には優しくお願いします。
「は……ッ。ゆり、く、んぅ……」
ハイレベルなキスに内心大混乱だったものの、身体の興奮は収まっていなかった。数秒遅れて、鼻から抜けた甘い声が自分のものだと気づく。
柊の手は無意識に、夕里の肩を掴んでいた。
そのとき――下着から取り出されたペニスが直接握られ、その強い刺激に頭の中が真っ白になった。全てが初めてのこととはいえ、そこはまた違う。
自分とは異なる手に、いつもと違う強さ、知らない触り方。予測できない動きで扱かれれば、感じたことのない快感に否応もなく高まっていく。
絶頂を迎えるまではあっという間だった。涙を流す先端を抉るように親指で刺激された瞬間、柊は腰を浮かせて達する。
「あっ。だめ!もう……っあ~~~~~!!!」
「ひいらぎさん……、きです」
自慰とは段違いの快感が全身を駆け抜け、目の前がチカチカと白む。あまりもの開放感に、出ては駄目なものまで出てしまったんじゃないかと、思わず自分の下肢を目視で確認する。
前だけ寛げられたデニムから覗くのは、くたっと力尽きた自分のペニス。そして白濁まみれになった夕里の手だった。とりあえず漏らしてはないみたいだけども……。うわぁっ……。
腹を抱いていたもう片方の腕が服の中から出てきて、近くにあったティッシュを取る。茫然とそれを見つめていると、手をあらかた拭いた夕里は新しいティッシュを取り、柊のペニスを優しく持ち上げて拭いた。
「ひゃうっ。ゆゆゆゆりくん!そんなところ……あっ」
「気持ちよかったですか?」
「ひぁ……」
ぢゅう、と吸われるようなキスを項に受けながら、ペニスは先端までティッシュで柔らかく拭き取られる。その刺激にピュッと残滓が飛び出して、また夕里の手を汚した。
「あはは。最後までちゃんと出せて、偉いですね」
「う、うぅ~~」
「可愛い。ね、俺のも、手伝ってくださ……うわぁっ!」
「か、帰る!」
完全にキャパオーバーだった。
性的に触れられた時点で、いや、ソファで抱きしめられた時点で柊の許容範囲はとっくに超えていた。こちとらピカピカの童貞だし、しょ……処女なのだ。
前触れもなくバッと立ち上がり、夕里が驚いているのにも構わず玄関へと走る。玄関の下駄箱の上に自分の財布とスマホがきちんと置かれていて、喉の奥がキュッと痛くなった。こういうところが……なぁ。
「柊さんっ……」
数秒置いて夕里が追いかけて来たけど、もう顔を見る勇気もない。今日は恥ずかしいことばかりだ。
マッサージで変な声をだしちゃうし、家ではあられもない姿を見られちゃうし……自分の、あんな場所に触られるなんて。しかもそれを喜んでしまうなんて……
直前の出来事を思い返すだけで、情けなくて涙が浮かんでくる。ポタッと涙が床に落ちる。慌てて手で目元を擦った。
「ゆりくん、…………ごめん」
「ちがっ……待ってください!」
靴を履いて、振り返らないまま家を出る。背後で夕里がまだ何か言っていたけど、聞く余裕もないまま階段を駆け下りた。
余裕がなくなるといつもそうだ。相手の言葉を聞けなくて、自分の思うままに行動してしまう。
仕事ならまだ正しい方向を向けていることがわかるのに、恋愛となると何が正しいのかもわからないから手に負えない。
涙で住宅街の景色が歪んで、自分だけ知らない世界に飛び込んでしまったみたいだ。右も左もわからなくて怖い。
夕里には申し訳ないけど、一旦家で冷静になってこの失態をどう処理すべきか考えたい。
恋愛なんて、隣の席の女の子に仄かな恋心を抱いたことしかないのだ。
ん?というか、恋愛って誰が言った……?
耳元で謝られて、その低い声と耳にかかる息にも腰が震えた。言葉とは裏腹に、夕里の手は止まらない。
柊は戸惑いながら自分の身体を見下ろす。なんとなく自覚していたが、グレーの下着にはもう先走りが滲んでそこだけ色が変わっていた。
今されていることが気持ち悪かったら、決してこんな風にはならない。下着越しに触れてくる手は、どう見ても男の手だ。大きくて、血管が浮いていて、熱い。
言われるがまま目を閉じても、脳裏に浮かぶのはいま後ろにいる男だ。さっきまで向かい合って酒を飲んでいた男が、欲情して柊に好き勝手触れている。
現実を理解してもやっぱり夕里を気持ち悪いとは思えなかったし、正直なところ性的に触られるのだって気持ちよくて仕方がない。
「んぁ!ゆりくぅん……どうしよっ。ね、きもちいい……」
「あ~~~くそっ」
柊は後ろを振り返って夕里の顔を見上げ、助けを求めるように窮状を訴えた。
間近で見た男前な顔は酒を飲んでいたときよりも真っ赤になり、黒い瞳は興奮に潤んでいる。
「んんぅ!?︎」
ガブリと口元に噛みつかれ、驚く唇に舌が這わされた。歯と舌で唇を痛いくらい激しく愛撫される。
粘膜接触から伝わってくる情熱に、柊は再び混乱の中に突き落とされた。
(え……これってキス?初めてなんですけどぉ~!?)
自分の想像していたキスとは違いすぎるが、唇同士が合わさっている時点でキスなのだろう。
学生時代に夢見ていたファーストキスのシチュエーションが、ガラガラと崩れ去っていく幻影が見えた。誰もいない教室、夜の公園。付き合って一ヶ月の女の子。あの……初心者には優しくお願いします。
「は……ッ。ゆり、く、んぅ……」
ハイレベルなキスに内心大混乱だったものの、身体の興奮は収まっていなかった。数秒遅れて、鼻から抜けた甘い声が自分のものだと気づく。
柊の手は無意識に、夕里の肩を掴んでいた。
そのとき――下着から取り出されたペニスが直接握られ、その強い刺激に頭の中が真っ白になった。全てが初めてのこととはいえ、そこはまた違う。
自分とは異なる手に、いつもと違う強さ、知らない触り方。予測できない動きで扱かれれば、感じたことのない快感に否応もなく高まっていく。
絶頂を迎えるまではあっという間だった。涙を流す先端を抉るように親指で刺激された瞬間、柊は腰を浮かせて達する。
「あっ。だめ!もう……っあ~~~~~!!!」
「ひいらぎさん……、きです」
自慰とは段違いの快感が全身を駆け抜け、目の前がチカチカと白む。あまりもの開放感に、出ては駄目なものまで出てしまったんじゃないかと、思わず自分の下肢を目視で確認する。
前だけ寛げられたデニムから覗くのは、くたっと力尽きた自分のペニス。そして白濁まみれになった夕里の手だった。とりあえず漏らしてはないみたいだけども……。うわぁっ……。
腹を抱いていたもう片方の腕が服の中から出てきて、近くにあったティッシュを取る。茫然とそれを見つめていると、手をあらかた拭いた夕里は新しいティッシュを取り、柊のペニスを優しく持ち上げて拭いた。
「ひゃうっ。ゆゆゆゆりくん!そんなところ……あっ」
「気持ちよかったですか?」
「ひぁ……」
ぢゅう、と吸われるようなキスを項に受けながら、ペニスは先端までティッシュで柔らかく拭き取られる。その刺激にピュッと残滓が飛び出して、また夕里の手を汚した。
「あはは。最後までちゃんと出せて、偉いですね」
「う、うぅ~~」
「可愛い。ね、俺のも、手伝ってくださ……うわぁっ!」
「か、帰る!」
完全にキャパオーバーだった。
性的に触れられた時点で、いや、ソファで抱きしめられた時点で柊の許容範囲はとっくに超えていた。こちとらピカピカの童貞だし、しょ……処女なのだ。
前触れもなくバッと立ち上がり、夕里が驚いているのにも構わず玄関へと走る。玄関の下駄箱の上に自分の財布とスマホがきちんと置かれていて、喉の奥がキュッと痛くなった。こういうところが……なぁ。
「柊さんっ……」
数秒置いて夕里が追いかけて来たけど、もう顔を見る勇気もない。今日は恥ずかしいことばかりだ。
マッサージで変な声をだしちゃうし、家ではあられもない姿を見られちゃうし……自分の、あんな場所に触られるなんて。しかもそれを喜んでしまうなんて……
直前の出来事を思い返すだけで、情けなくて涙が浮かんでくる。ポタッと涙が床に落ちる。慌てて手で目元を擦った。
「ゆりくん、…………ごめん」
「ちがっ……待ってください!」
靴を履いて、振り返らないまま家を出る。背後で夕里がまだ何か言っていたけど、聞く余裕もないまま階段を駆け下りた。
余裕がなくなるといつもそうだ。相手の言葉を聞けなくて、自分の思うままに行動してしまう。
仕事ならまだ正しい方向を向けていることがわかるのに、恋愛となると何が正しいのかもわからないから手に負えない。
涙で住宅街の景色が歪んで、自分だけ知らない世界に飛び込んでしまったみたいだ。右も左もわからなくて怖い。
夕里には申し訳ないけど、一旦家で冷静になってこの失態をどう処理すべきか考えたい。
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ん?というか、恋愛って誰が言った……?
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