嘘つき女とクズ男

「は?」

「ですから婚約を解消してください」

カトリーヌは自分を蔑ろにして浮気を繰り返すグレアムとの破談を望んでいるが相手は一向に応じない。

執着しているのはカトリーヌ本人にではなく彼女の実家の莫大な資産にである。

成り上がり子爵と馬鹿にするくせに一家で集る図々しい侯爵家。

国有数の豪商であるカトリーヌの父親もグレアムの父に弱味を握られていて頭が上がらない。

そこでカトリーヌは次の手に出ることにした。

親友キャサリンと考えた冗談にすぎない馬鹿馬鹿しい計画に。


「私、死んだんですの」

「は?」


「一回死んで戻ってきたんですの」


「馬鹿馬鹿しい嘘を吐くな」

そう思うよね、だって嘘だし。

「どうやって死んだと思います?」

構わず話を続けるカトリーヌ。

「アナタに殺されたんですよ」

うっそりと笑うカトリーヌに顔を引き攣らせるグレアム。

「私はアナタと結婚したんですけど、・・・邪魔になったんでしょうね。

殺されちゃったんですよ。

悶え苦しみながら呪いの言葉を叫んだわ。

最後の力を振り絞って。

そしたら今朝起きたら時間が巻き戻っていましたの。

どうします?

このまま行けばアナタは犯罪者ですけど」

24h.ポイント 7pt
157
小説 37,962 位 / 190,764件 恋愛 16,779 位 / 57,559件

あなたにおすすめの小説

(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)

青空一夏
恋愛
 従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。  だったら、婚約破棄はやめましょう。  ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!  悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!

【完結】妹にあげるわ。

たろ
恋愛
なんでも欲しがる妹。だったら要らないからあげるわ。 婚約者だったケリーと妹のキャサリンが我が家で逢瀬をしていた時、妹の紅茶の味がおかしかった。 それだけでわたしが殺そうとしたと両親に責められた。 いやいやわたし出かけていたから!知らないわ。 それに婚約は半年前に解消しているのよ!書類すら見ていないのね?お父様。 なんでも欲しがる妹。可愛い妹が大切な両親。 浮気症のケリーなんて喜んで妹にあげるわ。ついでにわたしのドレスも宝石もどうぞ。 家を追い出されて意気揚々と一人で暮らし始めたアリスティア。 もともと家を出る計画を立てていたので、ここから幸せに………と思ったらまた妹がやってきて、今度はアリスティアの今の生活を欲しがった。 だったら、この生活もあげるわ。 だけどね、キャサリン……わたしの本当に愛する人たちだけはあげられないの。 キャサリン達に痛い目に遭わせて……アリスティアは幸せになります!

【本編完結】独りよがりの初恋でした

須木 水夏
恋愛
好きだった人。ずっと好きだった人。その人のそばに居たくて、そばに居るために頑張ってた。  それが全く意味の無いことだなんて、知らなかったから。 アンティーヌは図書館の本棚の影で聞いてしまう。大好きな人が他の人に囁く愛の言葉を。 #ほろ苦い初恋 #それぞれにハッピーエンド 特にざまぁなどはありません。 小さく淡い恋の、始まりと終わりを描きました。完結いたします。

花嫁は忘れたい

基本二度寝
恋愛
術師のもとに訪れたレイアは愛する人を忘れたいと願った。 結婚を控えた身。 だから、結婚式までに愛した相手を忘れたいのだ。 政略結婚なので夫となる人に愛情はない。 結婚後に愛人を家に入れるといった男に愛情が湧こうはずがない。 絶望しか見えない結婚生活だ。 愛した男を思えば逃げ出したくなる。 だから、家のために嫁ぐレイアに希望はいらない。 愛した彼を忘れさせてほしい。 レイアはそう願った。 完結済。 番外アップ済。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

(完結)貴女は私の親友だったのに・・・・・・

青空一夏
恋愛
私、リネータ・エヴァーツはエヴァーツ伯爵家の長女だ。私には幼い頃から一緒に遊んできた親友マージ・ドゥルイット伯爵令嬢がいる。 彼女と私が親友になったのは領地が隣同志で、お母様達が仲良しだったこともあるけれど、本とバターたっぷりの甘いお菓子が大好きという共通点があったからよ。 大好きな親友とはずっと仲良くしていけると思っていた。けれど私に好きな男の子ができると・・・・・・ ゆるふわ設定、ご都合主義です。異世界で、現代的表現があります。タグの追加・変更の可能性あります。ショートショートの予定。

虐げられた庶子の私が現状の不満をぶつけたら父は○○、王太子は求婚者になった

あとさん♪
恋愛
踊り子の娘を蔑んだ翌朝、ジベティヌス公爵一家は一人を残して皆殺しになった。 生き残ったのは件の踊り子の娘。庶子である三女フローラ。 彼女はことの元凶となった父親という名のクズに一目会いたかった。会って文句を言いたかった。 なぜ自分が半分とはいえ血の繋がった異母姉たちに蔑まれなければならないのか、溜まった不満をぶつけた。 「わたくしを下賤の血をひくと蔑みますが、そもそも殿方がもよおさねばこんな事態にならないのではなくて?」 愛する女の産んだ愛娘の本心を知った公爵は激昂し、愛刀を振るう。 事件後、生き残ったフローラと会った王太子は彼女の美しさに心奪われ、空いた婚約者の座に据えようと思いつく。 だが彼女を「王太子」の妃に出来ない理由が発覚した。おぞましい公爵家内での虐待を…… それでも王太子は彼女を手に入れたかったが、フローラ自身は…… 「考えて、ヤン! 撤収するわよっ」 ※冒頭、殺人の模様があります。サスペンスです。残酷描写があります。苦手な人はブラバ推奨。 ※途中にもムナクソ事件が発覚します。この時点でブラバするとムナクソなままですが終盤まで読むと納得するかと。 ※設定はゆるんゆるん ※現実世界に似たような状況がありますが、拙作の中では忠実な再現はしていません。なんちゃって異世界だとご了承ください。 ※全話、執筆済。完結確約。 ※このお話は小説家になろうにも掲載してます。

【完結】今夜さよならをします

たろ
恋愛
愛していた。でも愛されることはなかった。 あなたが好きなのは、守るのはリーリエ様。 だったら婚約解消いたしましょう。 シエルに頬を叩かれた時、わたしの恋心は消えた。 よくある婚約解消の話です。 そして新しい恋を見つける話。 なんだけど……あなたには最後しっかりとざまあくらわせてやります!! ★すみません。 長編へと変更させていただきます。 書いているとつい面白くて……長くなってしまいました。 いつも読んでいただきありがとうございます!