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『コロコロかわる』 1
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雪 炎 闇 居間 体育館
『体育館倉庫で待ってます』
それを聞いたのはいつだっただろうか。少なくとも最近だった気がする。俺は居間で優しく降る雪を眺めながら一人くつろいでいる。
暗闇から現れる雪はなんとも美しいことだ。もうしばらく見ていたいところだが、そろそろ寝なければ明日起きられるか心配だ。
チッチッチッチッチ
時計の針が奏でるこの音は、とてつもなく不安を覚えさせてくれる。
そんなことを考えながら俺は布団に着いた。
『朝ですよ。必ず……来てくださいね』
また変な夢を見たような気がするがほとんど思い出せないので、そのまま学校に行くことにした。
俺が通っている学校は全寮制だ。そのため一年から三年まで寮は違うものの、同じ部屋で過ごしている。
「おい、起きろ。朝だぞ」
実はこの学校に通う全生徒は2人、もしくは3人の相部屋になっている。ちなみに俺は2人の相部屋だ。毎会俺の方が早く起きるので相方の一人を起こしている。それから朝食を食べに2人で食堂へ行く。というのが俺の日課だ。
「……あと十秒」
「……」
毎度のことだ。こいつは本当にあと10秒と言ったら、10秒後起きる。半年同じ部屋で共にしているが未だによく分からん。
「! 朝飯食いに行くぞー!」
あ、起きた。
俺たちは、というか相方も制服に着替えて食堂へ向かった。
「そういえばさ! この寮の新しい噂知ってるか?」
「またか」
そう、まただ。どこからともなく新しい噂をこいつは仕入れてくる。どれもこれも学校の七不思議レベルの怖さの物ばかりだ。正直俺はオカルトとかは興味ないんだよな、俺。
「なんかな、深夜零時丁度に食堂に行くと全身放火してるおっさん? がナイフ持って襲ってくるらしいぜ」
「またぶっ飛んだ物を」
「いやな~、今回のはガチらしいぜ」
食堂に着き、俺たちはいったんこの会話は辞めた。その代わりに昨日あった笑い話を始めた。
食堂には既に数十人ほどの生徒が来て朝食をとっていた。配膳しているところに並び、朝食を手に入れた。俺たちはクラスメイトの隣へ行き、朝食を共にした。
「おまえらも耳にしたことぐらいはあるんじゃないか?」
こそこそと話ながら食の手を進める。
━━キーンコーン、カーンコーン
五限目の授業が終わった。俺たちの学校は五時間授業で一日が終わるので放課後になる。俺の席は窓側の席なので、そこから外を見るとまだ雪が少し降っていた。
傘、差した方がよさそうだな。
昨日降っていた雪は、未だに降っていた。仕方なく俺は傘を差して、寮まで帰った。
「それにしても全身放火してるおっさんはやばいだろ」
俺は小声でぽつりと呟いた。幸い、周囲に俺以外居なかったので何事もなく寮に帰れた。部屋に入ろうと、ドアに手を掛け引こうとしたら開かなかった。
そうか、カイはまだ帰ってないのか。
今更で悪いが、相部屋で一緒になっているあいつの名前はカイ・クロムウェル。あと、ついでに言うが俺の名前はユキ・トリルドだ。
俺は部屋の鍵を探すべく、カバンの中を調べた。そして重大なことに気づいた。
「やばい……。鍵、部屋ん中だ」
つまり俺は、カイが帰ってくるまで部屋に入れない。そして、俺より先に帰っているはずのカイが部屋にいないと言うことは、友達と遊びに行っている可能性が高い。つまり俺はカイが帰ってくるまで部屋に入れないとい、そしてもっと言えば……寒い。冬の季節はとにかく廊下が寒い、隙間風が直に、ダイレクトに伝わるので冬は部屋に籠もるのがベストなのだ。
『体育館倉庫で待ってます』
それを聞いたのはいつだっただろうか。少なくとも最近だった気がする。俺は居間で優しく降る雪を眺めながら一人くつろいでいる。
暗闇から現れる雪はなんとも美しいことだ。もうしばらく見ていたいところだが、そろそろ寝なければ明日起きられるか心配だ。
チッチッチッチッチ
時計の針が奏でるこの音は、とてつもなく不安を覚えさせてくれる。
そんなことを考えながら俺は布団に着いた。
『朝ですよ。必ず……来てくださいね』
また変な夢を見たような気がするがほとんど思い出せないので、そのまま学校に行くことにした。
俺が通っている学校は全寮制だ。そのため一年から三年まで寮は違うものの、同じ部屋で過ごしている。
「おい、起きろ。朝だぞ」
実はこの学校に通う全生徒は2人、もしくは3人の相部屋になっている。ちなみに俺は2人の相部屋だ。毎会俺の方が早く起きるので相方の一人を起こしている。それから朝食を食べに2人で食堂へ行く。というのが俺の日課だ。
「……あと十秒」
「……」
毎度のことだ。こいつは本当にあと10秒と言ったら、10秒後起きる。半年同じ部屋で共にしているが未だによく分からん。
「! 朝飯食いに行くぞー!」
あ、起きた。
俺たちは、というか相方も制服に着替えて食堂へ向かった。
「そういえばさ! この寮の新しい噂知ってるか?」
「またか」
そう、まただ。どこからともなく新しい噂をこいつは仕入れてくる。どれもこれも学校の七不思議レベルの怖さの物ばかりだ。正直俺はオカルトとかは興味ないんだよな、俺。
「なんかな、深夜零時丁度に食堂に行くと全身放火してるおっさん? がナイフ持って襲ってくるらしいぜ」
「またぶっ飛んだ物を」
「いやな~、今回のはガチらしいぜ」
食堂に着き、俺たちはいったんこの会話は辞めた。その代わりに昨日あった笑い話を始めた。
食堂には既に数十人ほどの生徒が来て朝食をとっていた。配膳しているところに並び、朝食を手に入れた。俺たちはクラスメイトの隣へ行き、朝食を共にした。
「おまえらも耳にしたことぐらいはあるんじゃないか?」
こそこそと話ながら食の手を進める。
━━キーンコーン、カーンコーン
五限目の授業が終わった。俺たちの学校は五時間授業で一日が終わるので放課後になる。俺の席は窓側の席なので、そこから外を見るとまだ雪が少し降っていた。
傘、差した方がよさそうだな。
昨日降っていた雪は、未だに降っていた。仕方なく俺は傘を差して、寮まで帰った。
「それにしても全身放火してるおっさんはやばいだろ」
俺は小声でぽつりと呟いた。幸い、周囲に俺以外居なかったので何事もなく寮に帰れた。部屋に入ろうと、ドアに手を掛け引こうとしたら開かなかった。
そうか、カイはまだ帰ってないのか。
今更で悪いが、相部屋で一緒になっているあいつの名前はカイ・クロムウェル。あと、ついでに言うが俺の名前はユキ・トリルドだ。
俺は部屋の鍵を探すべく、カバンの中を調べた。そして重大なことに気づいた。
「やばい……。鍵、部屋ん中だ」
つまり俺は、カイが帰ってくるまで部屋に入れない。そして、俺より先に帰っているはずのカイが部屋にいないと言うことは、友達と遊びに行っている可能性が高い。つまり俺はカイが帰ってくるまで部屋に入れないとい、そしてもっと言えば……寒い。冬の季節はとにかく廊下が寒い、隙間風が直に、ダイレクトに伝わるので冬は部屋に籠もるのがベストなのだ。
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