私の日常

林原なぎさ

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*卒園式にて(前編)

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長女の碧を授かったことで結婚することになった私こと松岡歩、改め西園寺歩と西園寺秀一。


大きな揉め事やましてや略奪愛だのとコトが発展する様な出来事も無く結婚して7年。


碧は今年の3月に卒園式を迎え、4月から小学生になるのだ。



そして今日は、碧の卒園式である。



「秀一さん、お仕事は本当に大丈夫なんですか?」


「大丈夫だ。それに遼哉りょうやを連れて行くんだろう?尚更2人で行った方がいい。」



そうなのだ。

本当ならば碧の卒園式は私のみの参加だったのだが、長男として誕生した今年5歳になる遼哉が最近喘息を引き起こしてしまい。

たまにお願いするシッターさんに遼哉の世話をして頂く予定だったが、何かあってはお互いに嫌な思いをするということで白紙に。

両親に頼もうと電話したところ、2人はご近所付き合いで温泉旅行に行くそうで。

姉は最近2人目を出産したばかりで頼むこともできず。

彼のご両親もヨーロッパ旅行で日本に居らず。

彼のお兄さん家族にお願いするのも忍びなく。


つまりはお願いする宛てがないので遼哉も一緒に連れて行ってしまおうと。



しかし秀一さんが仕事を前日までに片付けるので、遼哉の世話をすると言い出したのだ。

言い出してくれた所までは良かった、正直有り難いですし。

が、しかし!ここからが問題なのだ!!


どうせ休みを貰うから遼哉を連れて自分も一緒に行く、と。



碧のことを思っての発言だとわかるが、非常に困るのだ!

何故なら秀一さんの容姿はいろんな意味で目立つのだ。



かっこいい人がいるわ、イケメ~ン、誰のパパかしら?

ぐらいなら全然良いのだが、無粋なお母さまも中には居て。



ちょっと西園寺さん、一体どんな風に、あのイケメンな旦那様に抱かれているの?

旦那さんってやっぱりなんでしょう?羨ましいわ~。

私、誘ってみたらお相手して下さるかしら?ふふ。


と、まぁ…今まで幼稚園行事に秀一さんが参加する度に似たようなコトしか言われず大変だったのだ。


なのであまり一緒に行きたくはないが、私のワガママよりも娘のために、と耐えるしかない。

いざ、出陣!!






「やっぱり西園寺さん素敵な方ね。」


「ほら見て、弟の遼哉くんの組にきた新任の先生。西園寺さんに釘付けよ。」


「完全に狙ってるわよね。自分が若いからって。」




ヒソヒソ話がよく聞こえてしまい、早くも帰りたい。

秀一さんは聞こえているだろうに素知らぬ顔して遼哉の相手をしている。

そうよね。私がちょっと気にし過ぎなのよね。

秀一さんの様に素知らぬ顔で過ごしていれば何も問題はない!







何も問題はない、はずだが…。


お手洗いの為、秀一さんと遼哉と一時離れることになりお手洗いから出た先でに連れらてきた一室。


「私、本当は奥さまにずっと黙っていたんです。でも…良心に耐えられなくて。」


一体今から何のコントが始まるんですか?とうっかり聞いてしまいそうになるが。



目の前にいる、この先生は遼哉の組に新任として入ったばかりの安藤あんどう先生だ。


そして安藤先生が言うには、たまにお迎え来る秀一さんのことがずっと気になってはいたが、妻子持ちということから憧れているだけで満足していた。

しかし偶然、初めて入ったレストランで秀一さんと遭遇。

お酒を呑み過ぎたせいもあり、秀一さんとうっかり身体の関係を持ってしまったという訳らしい。


「私も西園寺さんもお酒での失敗だったんです。でも…やっぱり私の方がいいって、西園寺さんが仰って!」


だから、西園寺さんと…秀一さんと別れて下さい!







めんどくさいのきたーーー!




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