4 / 50
*卒園式にて(前編)
しおりを挟む長女の碧を授かったことで結婚することになった私こと松岡歩、改め西園寺歩と西園寺秀一。
大きな揉め事やましてや略奪愛だのとコトが発展する様な出来事も無く結婚して7年。
碧は今年の3月に卒園式を迎え、4月から小学生になるのだ。
そして今日は、碧の卒園式である。
「秀一さん、お仕事は本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。それに遼哉を連れて行くんだろう?尚更2人で行った方がいい。」
そうなのだ。
本当ならば碧の卒園式は私のみの参加だったのだが、長男として誕生した今年5歳になる遼哉が最近喘息を引き起こしてしまい。
たまにお願いするシッターさんに遼哉の世話をして頂く予定だったが、何かあってはお互いに嫌な思いをするということで白紙に。
両親に頼もうと電話したところ、2人はご近所付き合いで温泉旅行に行くそうで。
姉は最近2人目を出産したばかりで頼むこともできず。
彼のご両親もヨーロッパ旅行で日本に居らず。
彼のお兄さん家族にお願いするのも忍びなく。
つまりはお願いする宛てがないので遼哉も一緒に連れて行ってしまおうと。
しかし秀一さんが仕事を前日までに片付けるので、遼哉の世話をすると言い出したのだ。
言い出してくれた所までは良かった、正直有り難いですし。
が、しかし!ここからが問題なのだ!!
どうせ休みを貰うから遼哉を連れて自分も一緒に行く、と。
碧のことを思っての発言だとわかるが、非常に困るのだ!
何故なら秀一さんの容姿は物凄くいろんな意味で目立つのだ。
かっこいい人がいるわ、イケメ~ン、誰のパパかしら?
ぐらいなら全然良いのだが、無粋なお母さまも中には居て。
ちょっと西園寺さん、一体どんな風に、あのイケメンな旦那様に抱かれているの?
旦那さんってやっぱりお上手なんでしょう?羨ましいわ~。
私、誘ってみたらお相手して下さるかしら?ふふ。
と、まぁ…今まで幼稚園行事に秀一さんが参加する度に似たようなコトしか言われず大変だったのだ。
なのであまり一緒に行きたくはないが、私のワガママよりも娘のために、と耐えるしかない。
いざ、出陣!!
「やっぱり西園寺さん素敵な方ね。」
「ほら見て、弟の遼哉くんの組にきた新任の先生。西園寺さんに釘付けよ。」
「完全に狙ってるわよね。自分が若いからって。」
ヒソヒソ話がよく聞こえてしまい、早くも帰りたい。
秀一さんは聞こえているだろうに素知らぬ顔して遼哉の相手をしている。
そうよね。私がちょっと気にし過ぎなのよね。
秀一さんの様に素知らぬ顔で過ごしていれば何も問題はない!
何も問題はない、はずだが…。
お手洗いの為、秀一さんと遼哉と一時離れることになりお手洗いから出た先で彼女に連れらてきた一室。
「私、本当は奥さまにずっと黙っていたんです。でも…良心に耐えられなくて。」
一体今から何のコントが始まるんですか?とうっかり聞いてしまいそうになるが。
目の前にいる、この先生は遼哉の組に新任として入ったばかりの安藤先生だ。
そして安藤先生が言うには、たまにお迎え来る秀一さんのことがずっと気になってはいたが、妻子持ちということから憧れているだけで満足していた。
しかし偶然、初めて入ったレストランで秀一さんと遭遇。
お酒を呑み過ぎたせいもあり、秀一さんとうっかり身体の関係を持ってしまったという訳らしい。
「私も西園寺さんもお酒での失敗だったんです。でも…やっぱり私の方がいいって、西園寺さんが仰って!」
だから、西園寺さんと…秀一さんと別れて下さい!
めんどくさいのきたーーー!
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる