堅物王子と砂漠の秘めごと(旧題:強面王子と麗しき花の姫)

アブタキアの第三王女レイハーネは、一人だけ歳の離れた末っ子姫。
彼女を溺愛する父王は「レイハーネをただ一人の妻として迎え、大切にすると誓った者に彼女を嫁がせる」という触れを出す。
軍事大国アブタキアとの同盟。さらに稀代の美姫と呼ばれる姫が手に入るとあって、周辺国の王子たちはこぞって名乗りを上げた。
父王の意向により相手はガジェティフの第一王子に決まる。だがガジェティフは砂漠の国。
植物を愛するレイハーネは砂漠での乾いた生活を憂い、せめて最後にとオアシスにある幸運の花を見に出かけた。
その帰り道、一行は盗賊に襲われる。身代わりに攫われてしまった侍女のカリマを追いかけ、レイハーネは奴隷商人の元にたどり着く。
だがカリマはすでにどこかへ売られてしまった後だった。レイハーネは商人に「自分も同じところに売ってくれ」と頼み込む。
着いた先は、隣国ユスラーシェの第一王子ラティーフのハレム。実はこのラティーフも、レイハーネの夫に名乗りを上げた一人だった。
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