嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第8章 彼女と空

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「ところで、女性ってものは好きな男性の家を探ったりするものなのかな?」
「するわけないじゃないですか!そんなの犯罪ですし、女性は好きな人のためにきれいになろうと努力はするけどストーカーじみたことはしないですよ!まぁ・・・元カノのことは探るかもしれませんけど・・・。」
「え?元カノ?」
「はい、どういうタイプの女性が好きなのかとかメイクとかの参考がてらと、どんな人を好きになる傾向があるのか分析するため?に。」
「へー・・・。翔の好きな人に一貫性はなかったように思うけど・・・。」
「親父。なーにあぶら売ってんだよ。」
「調査をしていたんだよ。普通の女性の恋愛観。」
「一歩間違えばセクハラだからな?」
「大丈夫ですよ。そういう内容じゃなかったので。」
そう言ってナースは笑っている。
「あとナースの求人についてのお話しでしたし。院長はうちに勤めるメリットを売り出すのが下手です。」
「はっきり言うね」
翔が笑うと「そりゃ人数増やしてもらわないと困りますもん!あとドクターも足りてないんじゃないですか?」
「ドクターはまああと2人いたら助かるかなって感じだけど、常駐じゃなくてもいいかな。」
「年末年始以外は回ってるしね。」
「そうそう。」
「イケメンの若いドクター希望です!!」
「あはは!君結婚してるのにいいのかい?そんな事言って。」
「目の保養ですよ!」
談笑しているとピュンと何かが飛んできた。
「わぁ!!」
「あー・・・。たまにあるんですよ。いつもこの人形なんですけどね。」
「え?」
そう言ってナースが手にしたのは飛んできたのであろうクマのぬいぐるみ。
「えっと・・・その心霊現象?」
「いいえ。りさちゃん?」
そういうとひょこッとナースステーションの受付横の入り口の扉を開けて5歳くらいの女の子が顔を出した。
「また寂しくなった?」
「うん・・・。」
「ぬいぐるみ投げたらダメでしょ~?」
「ごめんなさい・・・。」
「りさちゃん2か月前に入院して、もうすぐ退院なんですけどね。」
「寂しかったのか~。」
直人が頭を撫でる。
ナースが抱き上げて、「寒いでしょ?お布団から出たら寝れなくなっちゃうよ。」と言って部屋に送りに行った。
「小さいのに一人で入院なんてそりゃ心細いよね。」
「小さいのに偉いよね。」
翔がナースステーションに残り、直人は予定通り巡回を始めた。
最後の巡回で廉の部屋の前に行くとすすり泣く声が聞こえた。
「廉くん?」
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