嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第六章 ぼくは君を許さない。

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「ただいま。廉くんと百々ちゃんは?」
「寝ちゃったよ。廉くんはもう3時間前には一度起きた後歯磨きして夢の中。百々ちゃんは1時間前に上がって寝ちゃった。」
「で、ボスと二人でしっぽり?文くんは?」
「そう。文は廉くんと百々ちゃんにプレゼント持ってきたけど、廉くんの刺激に今はなりかねないからって一杯飲んで割と早めに帰っちゃった。」
「そう・・・。ケーキとかご飯食べた?」
「いや。みんなで食べるって結局食べなかったし、廉くんはお疲れでほぼ寝てたからね。」
「そう。明日の朝ごはんおにぎりたくさん作ってあげなくちゃ。廉ちゃんは食べなかった翌日はご飯好むから。」
「ボスは懐いたかい?」
「こいつ・・・。廉くんにべったりなんだよ。俺と百々ちゃんがのかそうとしたら唸るし。廉くんの首元で寝るから、廉くん汗かいちゃって。俺の部屋で寝かせてたんだけど、さっき起きた時に自分の部屋で寝るって帰って行ったよ。」
「廉ちゃんに懐いてるの」
そう言って百合がボスの頭を撫でると目を細めてまるで笑顔のような表情をした。
「俺と百々ちゃんの敵だよ。」
「にしては下に連れて降りて一緒に飲んでたじゃないか。」
直人が笑いながら言う。
「二階に上がらせたらコイツ、廉くんの睡眠妨害になりかねないから。親父、責任もって寝室で一緒に寝てね。あと二階禁止!!」
『わん!!!』
「お前、絶対日本語わかってるよな?」
そう言ってボスの顎を掬うと口を閉じて真顔になるボス。
「確かに、子犬にしては人間の言葉をよく理解しているかもしれないわね。」
「廉くんは自分から触ろうとしないけど、こいつが廉くんに引っ付くんだよ。」
「本格的に天敵になっちゃったわね、ボス。」
結局この夜は2人が寝てしまったので、パーティーは今日の夜からに持ち越しになった。
直人は廉の部屋に百合と上がる。
「百々ちゃんはすっかり廉ちゃんの部屋で寝るのが当たり前になったわね。」
「そうだね。まあ今日は僕たちもここで寝るけど。」
「ボスはどうするのかしら。」
「翔が1階に置いてきそうだな。」
直人が廉のおでこの髪の毛を横に分けると、廉が眉間にしわを寄せた。
「ごめんごめん、寝てていいんだよ。」
子供を寝かし付ける様に胸元をトントンするとまた穏やかな顔で眠りについていた。
直人たちが寝ようとしたころ、翔がボスを連れて上がってきた。
なぜかハーネスがついている。
そしてハーネスの紐をドアノブに引っ掛けると、ボスのためにクッションを持ってきて自分は直人の横の布団に入った。
「徹底的に廉くんからは遠ざけるね。」
「睡眠妨害するからね。でも今日は家族になった日だから特別にここで寝ることを許可する。」
「翔君ったらやきもちやきね。」
百合に笑われ、ボスにジッと見つめられたが無視して目を瞑る翔だった。

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