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第六章 ぼくは君を許さない。
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「廉くん?朝だよ。」
直人さんの声がしてるけど、なんだか今日は体が重だるくて・・・。
「昨日は買い物もしたし疲れちゃったね。」
「・・・・ん・。」
「ここで寝とく?」
「・・・・んー?」
「僕と百合さんは半日だけ出勤してくるよ。翔は今日は家にいるって言ってるから何かあったら翔が助けるからね。」
「ん。」
「わかってるのかなぁ~」
そう言って笑って頭を一撫ですると部屋を出て行った直人さん。
もう出勤するのか。朝まであっという間だったな・・・。
結局そのまま二度寝して次に起きたら、横には百々がいて筋トレしていてベッドが浮き沈みしていた。
「ここでするな・・・・」
「えー。だって床でしたらお尻痛いもん。」
「百々のせいで目が覚めた・・・。」
「百々のせいじゃないよ、廉ちゃん今何時か時計見てみて。」
「・・・・目開けたくない」
「11時。」
「・・・・。」
「寝すぎだよ。もう熱もさっき計ったら下がってたよ。だから起きなさい!」
「おに。」
「おにって言われてもね。不規則な生活はよくないんだぞ。」
「わかってるけど・・・。眠気には勝てん。」
「まぁね~。廉ちゃん昨日ビックリした?」
「なんでいたの・・・?」
「ん?百々たちも廉ちゃんと寝たかったから!」
「なら俺の部屋に来たらよかったじゃん。」
「それは直人さんとママに見つかったら変な勘違いするかもじゃん。」
「しないよ。普段こんなにベタベタしてるし、なんなら映画見る日は俺の部屋で寝てるくせに。」
「よくしゃべるようになったね~」
「話そらすな!」
その時パリーンとガラスの割れる音。リビングの方だと思う。
「廉ちゃん?ベッドの下、隠れられる?」
「え?」
「絶対に出たらダメ。」
「・・・・。」
「ヘッドホンして。」
百々も一緒にベッドの下に潜り込んだ。
二人とも痩せ体型だからスルスルとギリギリの高さだけどなんとか入った。
百々は家族LINEに「ガラスの割れた音がしたからママたちの部屋のベッドの下にもぐって廉ちゃんと隠れてるよ。」と送っていた。
もちろん白山家の防犯はすでに作動している。
そして、外の警察にも侵入者について連絡が行ったであろう。
俺はヘッドホンをしているため足音など一切聞こえない。
「・・・・。」
百々はこっちを向いてにっこり微笑んでいる。
ドアが開いたのか昼間の光が暗い寝室に入り込んで来てギュッと目を瞑った。
直人さんの声がしてるけど、なんだか今日は体が重だるくて・・・。
「昨日は買い物もしたし疲れちゃったね。」
「・・・・ん・。」
「ここで寝とく?」
「・・・・んー?」
「僕と百合さんは半日だけ出勤してくるよ。翔は今日は家にいるって言ってるから何かあったら翔が助けるからね。」
「ん。」
「わかってるのかなぁ~」
そう言って笑って頭を一撫ですると部屋を出て行った直人さん。
もう出勤するのか。朝まであっという間だったな・・・。
結局そのまま二度寝して次に起きたら、横には百々がいて筋トレしていてベッドが浮き沈みしていた。
「ここでするな・・・・」
「えー。だって床でしたらお尻痛いもん。」
「百々のせいで目が覚めた・・・。」
「百々のせいじゃないよ、廉ちゃん今何時か時計見てみて。」
「・・・・目開けたくない」
「11時。」
「・・・・。」
「寝すぎだよ。もう熱もさっき計ったら下がってたよ。だから起きなさい!」
「おに。」
「おにって言われてもね。不規則な生活はよくないんだぞ。」
「わかってるけど・・・。眠気には勝てん。」
「まぁね~。廉ちゃん昨日ビックリした?」
「なんでいたの・・・?」
「ん?百々たちも廉ちゃんと寝たかったから!」
「なら俺の部屋に来たらよかったじゃん。」
「それは直人さんとママに見つかったら変な勘違いするかもじゃん。」
「しないよ。普段こんなにベタベタしてるし、なんなら映画見る日は俺の部屋で寝てるくせに。」
「よくしゃべるようになったね~」
「話そらすな!」
その時パリーンとガラスの割れる音。リビングの方だと思う。
「廉ちゃん?ベッドの下、隠れられる?」
「え?」
「絶対に出たらダメ。」
「・・・・。」
「ヘッドホンして。」
百々も一緒にベッドの下に潜り込んだ。
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百々は家族LINEに「ガラスの割れた音がしたからママたちの部屋のベッドの下にもぐって廉ちゃんと隠れてるよ。」と送っていた。
もちろん白山家の防犯はすでに作動している。
そして、外の警察にも侵入者について連絡が行ったであろう。
俺はヘッドホンをしているため足音など一切聞こえない。
「・・・・。」
百々はこっちを向いてにっこり微笑んでいる。
ドアが開いたのか昼間の光が暗い寝室に入り込んで来てギュッと目を瞑った。
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