嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第六章 ぼくは君を許さない。

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直人は廉を一度院長室に送り届けて百合のいるナースステーションへ行った。
「百合さん、廉くんに話しかけてた男性がいるんだけど。」
「え?廉ちゃんに?それより廉ちゃんどっか行ってたの?」
「少し中庭に出てたんだよ。ちゃんと書き置きがあったからすぐに見つけれたんだけどね。」
「そう、廉ちゃん自分の意思でお外出れるようになってきたのね!」
「それはうれしいんだけど、さっきの男性なんか怪しいんだよ。廉くんも初対面だったらしいけど・・・。」
「不審者ってこと?」
「うん。50代くらいの男性。普通お見舞いに来た人や患者なら僕みたいに白衣着てたらお辞儀したりして去っていくのにまるで逃げるようにして行ったんだよ。」
「確かに白衣着てたなら医者ってわかるわね・・・。カメラで調べてもらう?」
「その方がいいかもしれない。廉くんはとりあえずカフェテリア以外は禁止にしよう。何かあったら怖いからね。」
「じゃぁ警備員の人にカメラの確認お願いしておくわ。」
「ありがとう。僕はなるべく廉くんの近くにいるよ。」
「うん、廉ちゃんをお願いね。」

んーーーー!!!暇っ!!
直人さんに中庭は寒いから禁止といわれたので、行き場がカフェテリアしかない。
勝手な行動はしたら怒られると色々な前科で学習したので屋上に行けるなと思ったけど行かない。
「廉くん、カフェテリアでお茶にしようか。」
「うん・・・・」
「ごめんね。中庭禁止にして。」
何か事情があるんだろうし・・仕方ない。
「さて、今日は何のドリンクにしようか。これ?」
「うん」
カフェラテにホイップ追加にしてもらい、直人さんと二人でそれを飲む。
直人さんはカフェモカにしていた。
「廉くん、もう1度聞くけど、さっきのおじさん顔みしりじゃないんだよね?」
「知らない・・・。急に話しかけてきた・・・。」
「そっかありがとう。」
さっきのおじさんについてやけに警戒している直人さん。
そのあとは今日の勉強の内容を二人で話してカフェの時間は終わった。
「あと3時間暇かもしれないけど、院長室でお留守番しててね。僕もなるべくいるようにするから。」
直人さんはお仕事してほしいんだけどな・・・。
それに俺もう20歳だよ。
院長室にしばらく直人さんもいて、勉強したりうたた寝したりしたらあっという間に3時間たっていた。
「廉ちゃん?帰るわよ?」
「ん・・・。」
「はい、勉強道具片付けて。」
「廉くん今日はおでんだからね~」
ほぉ今日はおでんか・・・。
「廉ちゃんポヤポヤしてないで、シャキッとしなさい」
寝起きにシャキッとできる人いるの?と反抗しながら片づけをしてみんなで家路についた。
その後ろ姿を見ていた人がいると気づけなかった、この時は・・・。
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