嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第四章 また一緒に。

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「廉ちゃん?シャーベット、食べるでしょ?」
そういう母親の声と冷たいものが唇に触れる感覚がしてびくっと起きた。
「っ・・・・」
ペロッとなめるとグレープの味がした。
「廉くん、ほら起きた体制になろうね。」
腕の下に直人さんが手を差し込んできて起こされたが、シャーベット寝て食べれないなら寝ときたいなぁ。
「あはは!廉ちゃん睡眠の方がいいって顔してる!」
百々が笑ってる声がするが目は何としても開けたくないのでしかめっ面で対抗する。
「眉間にしわ寄せたらだめだよ。」
離れた場所から翔さんの声。
せっかくいい気持で眠れてたのを起こしてきたくせにみんなして!!
「廉ちゃん、小さい子みたいに食べさせてもらいたいの?」
あ・・・母親の自分で食べろが含まれた声かけだ。
「百合さん僕が食べさせるからいいよ。」
「そう?ありがとう、直人さん」
直人さんが側に座り唇にシャーベットを当ててくると同時にパクリと口を開けて食べる。
「廉くんシャーベットは進むね。毎食小さいものでよければだそうか?」
シャーベット毎食・・・?うーんそれは飽きるからいらないかな。
首を振ると「そっか。でも、食べたいものあったら言うんだよ?正直カロリーが足りてないから何でもいいから食べてほしいんだ。」といわれた。
割と食べる様になったんだけどな。まだムラはあるんだけど。
体重は退院時で45キロ。ガリガリというかカリカリ。
直人さんには退院するときに目標体重は52キロって言われた。それでも軽いらしいけど。
「そうだ、廉ちゃんママたちと寝るとき真ん中でいい?」
あ・・・。そういえば二階には上がれないんだっけ。
おぶって連れていってもらえたらな・・・。
「まだ二階はダメだよ?いきなりパニックになったら対応誰もできないからね。」
直人さんに心を読まれてしまってシュンとする。
「廉ちゃん真ん中けってーい!!」
百々は楽しそうに勝手に俺の代わりに決定をした。
あと1か月ちょいで20歳なのに・・・。


寝る時間になり、洗面所まで百々に少し支えてもらって歩く。
「廉ちゃん、リハビリ頑張ろうね!」
「・・・・。」
いや頑張るも何もスパルタなんだよ・・・。
「廉ちゃん若いから1週間もあればきっと歩けるね。」
若いとか年の問題なの?俺が歩けるまでが早かったらそれは直人さんと母親のスパルタリハビリのおかげだと思うよ。
歯磨きをして親が待つベッドへ送ってもらう。
「汗かいたね。」
そう言って百々が濡れたタオルを持ってきて拭いてくれた。雑に。痛いよ、百々ちゃん。
直人さんと母親の間に横になる。
「廉くんお休み。」
「廉ちゃん、何かあったら起こすのよ?」
そう言って二人とも眠ったようだ。
俺はそれから1時間くらいは眠れなかった。
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