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8話 竹刀
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バンッ!
右方で大きな音、銃声が響き渡り、香織が出現させた木先が砕け散った。
「何、邪魔してくれてるのよ」
香織は低い声でそう言って、銃を撃った警察官を睨みつける。
「お前は何だ! これ以上危害を加えるなら射殺も辞さないぞ!」
「うるさいわね。静かにしてなさい」
香織が目を瞑って警察官の方に手を向けると、木先を伸ばし、
銃撃した警察官の体を貫く。
「うぐぅ……」
貫かれた警察官は手で木先を離そうとするが、
びくともせずそのまま桜と化していった。
「さて、邪魔ものはこれで消えたわ。次はあなたの番よ、梓」
香織が再度こちらに視線を向け、覚悟を決めて目を瞑ると、
突然私の横を素早い風が吹き抜けた。
バシッ!
何かが強く叩かれる音がしたため、目を開けると委員長の姿があった。
委員長は手に竹刀を持っている。
「遠野さんが心配で来てみたら、凄い事になってるね」
「委員長!?」
「委員長、邪魔! そんな竹刀なんか私を止める事はできないわよ!」
香織の攻撃を委員長は何とか受け止めるが、委員長が手にしているのはただの竹刀。
これでは確かに香織を止める事はできない。
「と言うか私を止めるには元凶を止めないと不可能なんだけどね」
「元凶?」
「そう。ここから見える榊総合病院にいるわ。
竹刀でどうにかできるならやってみるかしら?」
「遠野さん! 高垣さんは僕に任せて、君は榊総合病院に向かうんだ!」
「でも私が行っても、その元凶と戦う事なんてできないよ!?」
「大丈夫! 君の樹君への想い。いや、高垣さんや先生などへの強い想いが、
あればなんとかなるはず!」
みんなへの強い想い…。
それで何とかなるとは思えないけど、今私にできる事はまず向かう事!
「分かった! 委員長、無理しないでね!
と言うか香織! 私達をこんな目に合わせて後で覚えてなさいよ!」
「ふふふ、私の可愛い梓さんはそうでなくちゃね。
倒せるものなら倒して来なさい、枯れ桜をね」
香織はこちらから視線を外し、委員長に攻撃を移したのを確認すると、
私はすぐに警察署を出た。
右方で大きな音、銃声が響き渡り、香織が出現させた木先が砕け散った。
「何、邪魔してくれてるのよ」
香織は低い声でそう言って、銃を撃った警察官を睨みつける。
「お前は何だ! これ以上危害を加えるなら射殺も辞さないぞ!」
「うるさいわね。静かにしてなさい」
香織が目を瞑って警察官の方に手を向けると、木先を伸ばし、
銃撃した警察官の体を貫く。
「うぐぅ……」
貫かれた警察官は手で木先を離そうとするが、
びくともせずそのまま桜と化していった。
「さて、邪魔ものはこれで消えたわ。次はあなたの番よ、梓」
香織が再度こちらに視線を向け、覚悟を決めて目を瞑ると、
突然私の横を素早い風が吹き抜けた。
バシッ!
何かが強く叩かれる音がしたため、目を開けると委員長の姿があった。
委員長は手に竹刀を持っている。
「遠野さんが心配で来てみたら、凄い事になってるね」
「委員長!?」
「委員長、邪魔! そんな竹刀なんか私を止める事はできないわよ!」
香織の攻撃を委員長は何とか受け止めるが、委員長が手にしているのはただの竹刀。
これでは確かに香織を止める事はできない。
「と言うか私を止めるには元凶を止めないと不可能なんだけどね」
「元凶?」
「そう。ここから見える榊総合病院にいるわ。
竹刀でどうにかできるならやってみるかしら?」
「遠野さん! 高垣さんは僕に任せて、君は榊総合病院に向かうんだ!」
「でも私が行っても、その元凶と戦う事なんてできないよ!?」
「大丈夫! 君の樹君への想い。いや、高垣さんや先生などへの強い想いが、
あればなんとかなるはず!」
みんなへの強い想い…。
それで何とかなるとは思えないけど、今私にできる事はまず向かう事!
「分かった! 委員長、無理しないでね!
と言うか香織! 私達をこんな目に合わせて後で覚えてなさいよ!」
「ふふふ、私の可愛い梓さんはそうでなくちゃね。
倒せるものなら倒して来なさい、枯れ桜をね」
香織はこちらから視線を外し、委員長に攻撃を移したのを確認すると、
私はすぐに警察署を出た。
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