12 / 14
12
しおりを挟む
「は、はぁ、は、あ……、あー……」
放たれたそれは、尿の臭いを漂わせていない。これはなんなのだろう、と意識を手放しかけている脳内で考える。
彼は気絶しかけている僕を起こすように、結腸に包まれた性器を動かし始めた。
再び、痛みと快楽が僕を支配する。
「ぎゃ、う゛! とまッでえ゛えぇ…ッ、お、おぐ、おぐ、こわい゛ぃ……っ!」
みっちりと体内におさまったそれは、しかし更に奥へと侵食を試みる。腹を突き破られてしまうのではないかという恐怖が支配する。だが────。
「あ、っひ、あ゛、あぁっ、あ、っ、そこ、だめっ、ごりって、しない、でぇ゛っ!」
恐怖で泣き出して、狂ってしまいたいのに、快楽を無理やり押し付けられ、強制的に感受させられ、喘いでいる僕がいる。善い部分を何度も硬い亀頭で愛撫され、無意識に腰を動かしてしまっている。その箇所を触って欲しくて、仕方がないと、体が反応している。
僕は、頭がおかしくなったのかもしれない。こんなことをされて、喜んで、喘いで、身を委ねて。僕は、僕は、僕は────僕は、もう元には戻れないのかもしれない。
「お、ほっ!? ン、あぁ゛! あー……っ! い、ぐ、っ、また、い゛、ぐ、っ────!」
視界が霞むと同時に、眩暈がするほどの快楽が全身を支配する。強制的に射精させたいのか、モンスターがしこりを嬲り続けている。目の前がチカチカと点滅を繰り返し、呼吸ができなくなった。
「~────……ッ!」
背中を撓ませ、声も出せないまま射精する。折れていない方の手で、地面を引っ掻いた。
「は、はっ、は、ッ、は……」
呼吸が上手くできず、必死に酸素を肺に送り込む。性器はすでに勃起しておらず、先端からちょろちょろと体液をこぼしているだけだった。射精したのかどうかさえ分からぬまま、しかし達した後のふわふわとした快楽に包まれる。
「ん、ああ゛あぁ、ッ!? い゛イった、イッたから、も、やめでぇ゛!」
射精したばかりにも関わらず、モンスターは胎内にあるしこりを撫で続ける。まるで僕を嘲笑っているようだった。
────だめだ、これ以上は、本当に、頭がおかしく、な……。
霞む視界の中、モンスターが愉快そうな表情を浮かべている。蠢く下腹部を見ながら、涙がポロリとこぼれ落ちた。
「お、どう、さ……だすげで……」
父の背中が途切れゆく意識の中で浮かぶ。早く見つけ出してほしい、助けてほしい。この地獄から、早く、早く。
◇
僕はいつの間にか気絶していたらしい。目覚めると朝日が泉に差し込んでいた。反射した光が目を刺す。思わず顔を背けた。
上半身を起こす。周りを見渡したが、モンスターはいない。まだ微睡を残す脳内で、あれは夢だったのかもしれないという淡い期待が滲んだ。しかし、全身の痛みが、その期待は幻だと現実を突きつける。
足首を確認すると、手遅れなほど腫れ上がっている。動かそうとするが、全く反応しない。ズキズキと鈍い痛みが駆け、唾液を嚥下する。
ふと、下腹部に違和感を覚えた。視線を投げ、そこを撫でてみる。
「う、そ……」
勘違いではない。少し張っている。そう理解した途端、体に汗が滲んだ。呼吸が乱れ、目の前が歪む。途端に吐き気を覚え、それをなんとか堪える。
────どうして、こんなに早く……?
僕の体は、確実に変化していた。震える指先で、腫れ物に触れるようにそこを撫でる。薄い皮膚越しに、そこに何かが居座っている。僕は自分の体が恐ろしくなり、ガクガクと震えた。
────きっと人間の常識では考えられない速度で成長するんだ。
想像し、ゾッとした。脳裏を両親や友人たちが過ぎる。穏やかに微笑む彼らを思い出し、息を呑んだ。
放たれたそれは、尿の臭いを漂わせていない。これはなんなのだろう、と意識を手放しかけている脳内で考える。
彼は気絶しかけている僕を起こすように、結腸に包まれた性器を動かし始めた。
再び、痛みと快楽が僕を支配する。
「ぎゃ、う゛! とまッでえ゛えぇ…ッ、お、おぐ、おぐ、こわい゛ぃ……っ!」
みっちりと体内におさまったそれは、しかし更に奥へと侵食を試みる。腹を突き破られてしまうのではないかという恐怖が支配する。だが────。
「あ、っひ、あ゛、あぁっ、あ、っ、そこ、だめっ、ごりって、しない、でぇ゛っ!」
恐怖で泣き出して、狂ってしまいたいのに、快楽を無理やり押し付けられ、強制的に感受させられ、喘いでいる僕がいる。善い部分を何度も硬い亀頭で愛撫され、無意識に腰を動かしてしまっている。その箇所を触って欲しくて、仕方がないと、体が反応している。
僕は、頭がおかしくなったのかもしれない。こんなことをされて、喜んで、喘いで、身を委ねて。僕は、僕は、僕は────僕は、もう元には戻れないのかもしれない。
「お、ほっ!? ン、あぁ゛! あー……っ! い、ぐ、っ、また、い゛、ぐ、っ────!」
視界が霞むと同時に、眩暈がするほどの快楽が全身を支配する。強制的に射精させたいのか、モンスターがしこりを嬲り続けている。目の前がチカチカと点滅を繰り返し、呼吸ができなくなった。
「~────……ッ!」
背中を撓ませ、声も出せないまま射精する。折れていない方の手で、地面を引っ掻いた。
「は、はっ、は、ッ、は……」
呼吸が上手くできず、必死に酸素を肺に送り込む。性器はすでに勃起しておらず、先端からちょろちょろと体液をこぼしているだけだった。射精したのかどうかさえ分からぬまま、しかし達した後のふわふわとした快楽に包まれる。
「ん、ああ゛あぁ、ッ!? い゛イった、イッたから、も、やめでぇ゛!」
射精したばかりにも関わらず、モンスターは胎内にあるしこりを撫で続ける。まるで僕を嘲笑っているようだった。
────だめだ、これ以上は、本当に、頭がおかしく、な……。
霞む視界の中、モンスターが愉快そうな表情を浮かべている。蠢く下腹部を見ながら、涙がポロリとこぼれ落ちた。
「お、どう、さ……だすげで……」
父の背中が途切れゆく意識の中で浮かぶ。早く見つけ出してほしい、助けてほしい。この地獄から、早く、早く。
◇
僕はいつの間にか気絶していたらしい。目覚めると朝日が泉に差し込んでいた。反射した光が目を刺す。思わず顔を背けた。
上半身を起こす。周りを見渡したが、モンスターはいない。まだ微睡を残す脳内で、あれは夢だったのかもしれないという淡い期待が滲んだ。しかし、全身の痛みが、その期待は幻だと現実を突きつける。
足首を確認すると、手遅れなほど腫れ上がっている。動かそうとするが、全く反応しない。ズキズキと鈍い痛みが駆け、唾液を嚥下する。
ふと、下腹部に違和感を覚えた。視線を投げ、そこを撫でてみる。
「う、そ……」
勘違いではない。少し張っている。そう理解した途端、体に汗が滲んだ。呼吸が乱れ、目の前が歪む。途端に吐き気を覚え、それをなんとか堪える。
────どうして、こんなに早く……?
僕の体は、確実に変化していた。震える指先で、腫れ物に触れるようにそこを撫でる。薄い皮膚越しに、そこに何かが居座っている。僕は自分の体が恐ろしくなり、ガクガクと震えた。
────きっと人間の常識では考えられない速度で成長するんだ。
想像し、ゾッとした。脳裏を両親や友人たちが過ぎる。穏やかに微笑む彼らを思い出し、息を呑んだ。
20
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ガテンの処理事情
雄
BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。
ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる