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恋人同士になる試練

19番目の祠 1

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ミシェルの実家での騒動もひとまず落ち着き、みんなの祈る力のままに光を撒いてみたら街の壁まですっかり綺麗に。
次の日の塔から浄化も含め、やたらと力が溢れて仕方ない。

俺は現状の感じをトモアキに報告する。

「自分の器がこれ以上広がんない感じなんだよね…」
「あー、上限迎えた感じ?」
「そう、もうMAX、多分」
「って事は、そろそろ国一個いけんじゃね」
「そんな馬鹿な…でも、王都までの道が少しでも長く浄化できたらなぁ」

ミシェルのお母さんが、まだ王都から戻れないままになってるって言ってた。
少しでも足しになれば良いな…。

「ちょっとやってみたら?
 王都方面は東門だよな」
「そうだな、ちょっとやってみよう」

というわけで、溢れる力を東門から真っ直ぐ王都方面へ走らせ、ついでに北もちょっとだけ。
西はミシェルの実家を浄化した時、光の力が壁を登ってその向こうまで広がってくれたので、まあいいかって事で…。

あんまり連発して、後々足りませんってなったら困るもんね。

「明日は朝から祠だし、早いとこ休もう」
「そうだな。
 光の力はともかく、体力が無いとな」

毎度毎度ミシェルに抱っこされて移動するのも恥ずかしいんだよな…。

明日は宿から自分の足で歩かなきゃね。

***

そんなこんなで、今日は朝から祠に出発。
昨日浄化したので魔物にも会わず祠まで到達。

今回のも今までの大祠と外観は変わらない。
中に入れば、やっぱり長い一本道…
そして有難い事にポ・ポ・ポ…と灯りが点く。
良かった。

「大きな4つの祠って、造りが似てるよな」
「出てくる魔物は違うけどな…多分」

もう空を飛ぶ奴も地下から出てくる奴も勘弁して欲しい。
あとムカデ…やっぱムカデは駄目だ。怖い。

「街があれだけ汚染されてるんだから、それ相応の魔物が出てくると見ていい。
 全員警戒しつつ進もう…シゲ、光、頼む」
「おう」

ここまで無事にやって来れた。
最後、北の街へ全員で帰れるように…。

「……えーーーい!!」

願いを込めながら光を撒く。
この先、少しでも安全なように…。

「…それでは、進みます」
「うん、よろしくリラさん」

先頭に立つリラさんの背中は、最初の頃より頼もしく見える。
俺の隣ではセトさんが、それを誇らしげに見守る。
リラさんの後に続くハイドさん・セレスさんも、自信に溢れている…
最後尾を務めてくれるマルコさんの目は優し気で、俺の後ろに立つトモアキの目は冷静さを増し、そして俺の前を歩くミシェルは…
最初に出会った時よりも男前になった。

「…みんな、成長したんだな」
「どうしたんだシゲル、急に」
「うん、俺も気合入れ直して頑張ろうって」
「そうか」

俺も少しは成長したのかな。
光の力以外は何も実感ないけど…
相変わらずチビだしな。

そんな事を思いながら歩いていると、トモアキから声を掛けられる。

「…でかいのはこれで最後だけど、祠は他にもあるんだからな?」
「分かってる、だから気合いを入れ直」
「何か来ます!!」

突然、曲がり角まで進んだリラさんが叫んだ。
全員が即座に戦闘態勢に入り…

「まずい、あれは…!」
「どうした!?」
「骸骨です!」
「何っ!?」

え、何?
どういう事!?

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