160 / 203
恋人同士になる試練
19番目の祠 1
しおりを挟む
ミシェルの実家での騒動もひとまず落ち着き、みんなの祈る力のままに光を撒いてみたら街の壁まですっかり綺麗に。
次の日の塔から浄化も含め、やたらと力が溢れて仕方ない。
俺は現状の感じをトモアキに報告する。
「自分の器がこれ以上広がんない感じなんだよね…」
「あー、上限迎えた感じ?」
「そう、もうMAX、多分」
「って事は、そろそろ国一個いけんじゃね」
「そんな馬鹿な…でも、王都までの道が少しでも長く浄化できたらなぁ」
ミシェルのお母さんが、まだ王都から戻れないままになってるって言ってた。
少しでも足しになれば良いな…。
「ちょっとやってみたら?
王都方面は東門だよな」
「そうだな、ちょっとやってみよう」
というわけで、溢れる力を東門から真っ直ぐ王都方面へ走らせ、ついでに北もちょっとだけ。
西はミシェルの実家を浄化した時、光の力が壁を登ってその向こうまで広がってくれたので、まあいいかって事で…。
あんまり連発して、後々足りませんってなったら困るもんね。
「明日は朝から祠だし、早いとこ休もう」
「そうだな。
光の力はともかく、体力が無いとな」
毎度毎度ミシェルに抱っこされて移動するのも恥ずかしいんだよな…。
明日は宿から自分の足で歩かなきゃね。
***
そんなこんなで、今日は朝から祠に出発。
昨日浄化したので魔物にも会わず祠まで到達。
今回のも今までの大祠と外観は変わらない。
中に入れば、やっぱり長い一本道…
そして有難い事にポ・ポ・ポ…と灯りが点く。
良かった。
「大きな4つの祠って、造りが似てるよな」
「出てくる魔物は違うけどな…多分」
もう空を飛ぶ奴も地下から出てくる奴も勘弁して欲しい。
あとムカデ…やっぱムカデは駄目だ。怖い。
「街があれだけ汚染されてるんだから、それ相応の魔物が出てくると見ていい。
全員警戒しつつ進もう…シゲ、光、頼む」
「おう」
ここまで無事にやって来れた。
最後、北の街へ全員で帰れるように…。
「……えーーーい!!」
願いを込めながら光を撒く。
この先、少しでも安全なように…。
「…それでは、進みます」
「うん、よろしくリラさん」
先頭に立つリラさんの背中は、最初の頃より頼もしく見える。
俺の隣ではセトさんが、それを誇らしげに見守る。
リラさんの後に続くハイドさん・セレスさんも、自信に溢れている…
最後尾を務めてくれるマルコさんの目は優し気で、俺の後ろに立つトモアキの目は冷静さを増し、そして俺の前を歩くミシェルは…
最初に出会った時よりも男前になった。
「…みんな、成長したんだな」
「どうしたんだシゲル、急に」
「うん、俺も気合入れ直して頑張ろうって」
「そうか」
俺も少しは成長したのかな。
光の力以外は何も実感ないけど…
相変わらずチビだしな。
そんな事を思いながら歩いていると、トモアキから声を掛けられる。
「…でかいのはこれで最後だけど、祠は他にもあるんだからな?」
「分かってる、だから気合いを入れ直」
「何か来ます!!」
突然、曲がり角まで進んだリラさんが叫んだ。
全員が即座に戦闘態勢に入り…
「まずい、あれは…!」
「どうした!?」
「骸骨です!」
「何っ!?」
え、何?
どういう事!?
次の日の塔から浄化も含め、やたらと力が溢れて仕方ない。
俺は現状の感じをトモアキに報告する。
「自分の器がこれ以上広がんない感じなんだよね…」
「あー、上限迎えた感じ?」
「そう、もうMAX、多分」
「って事は、そろそろ国一個いけんじゃね」
「そんな馬鹿な…でも、王都までの道が少しでも長く浄化できたらなぁ」
ミシェルのお母さんが、まだ王都から戻れないままになってるって言ってた。
少しでも足しになれば良いな…。
「ちょっとやってみたら?
王都方面は東門だよな」
「そうだな、ちょっとやってみよう」
というわけで、溢れる力を東門から真っ直ぐ王都方面へ走らせ、ついでに北もちょっとだけ。
西はミシェルの実家を浄化した時、光の力が壁を登ってその向こうまで広がってくれたので、まあいいかって事で…。
あんまり連発して、後々足りませんってなったら困るもんね。
「明日は朝から祠だし、早いとこ休もう」
「そうだな。
光の力はともかく、体力が無いとな」
毎度毎度ミシェルに抱っこされて移動するのも恥ずかしいんだよな…。
明日は宿から自分の足で歩かなきゃね。
***
そんなこんなで、今日は朝から祠に出発。
昨日浄化したので魔物にも会わず祠まで到達。
今回のも今までの大祠と外観は変わらない。
中に入れば、やっぱり長い一本道…
そして有難い事にポ・ポ・ポ…と灯りが点く。
良かった。
「大きな4つの祠って、造りが似てるよな」
「出てくる魔物は違うけどな…多分」
もう空を飛ぶ奴も地下から出てくる奴も勘弁して欲しい。
あとムカデ…やっぱムカデは駄目だ。怖い。
「街があれだけ汚染されてるんだから、それ相応の魔物が出てくると見ていい。
全員警戒しつつ進もう…シゲ、光、頼む」
「おう」
ここまで無事にやって来れた。
最後、北の街へ全員で帰れるように…。
「……えーーーい!!」
願いを込めながら光を撒く。
この先、少しでも安全なように…。
「…それでは、進みます」
「うん、よろしくリラさん」
先頭に立つリラさんの背中は、最初の頃より頼もしく見える。
俺の隣ではセトさんが、それを誇らしげに見守る。
リラさんの後に続くハイドさん・セレスさんも、自信に溢れている…
最後尾を務めてくれるマルコさんの目は優し気で、俺の後ろに立つトモアキの目は冷静さを増し、そして俺の前を歩くミシェルは…
最初に出会った時よりも男前になった。
「…みんな、成長したんだな」
「どうしたんだシゲル、急に」
「うん、俺も気合入れ直して頑張ろうって」
「そうか」
俺も少しは成長したのかな。
光の力以外は何も実感ないけど…
相変わらずチビだしな。
そんな事を思いながら歩いていると、トモアキから声を掛けられる。
「…でかいのはこれで最後だけど、祠は他にもあるんだからな?」
「分かってる、だから気合いを入れ直」
「何か来ます!!」
突然、曲がり角まで進んだリラさんが叫んだ。
全員が即座に戦闘態勢に入り…
「まずい、あれは…!」
「どうした!?」
「骸骨です!」
「何っ!?」
え、何?
どういう事!?
0
お気に入りに追加
391
あなたにおすすめの小説
【完結】追放された嫌われ魔法使いは、拾った毛玉を盲愛する
飛鳥えん
BL
聖女のもたらす恵みの雨によって豊かな実りを約束されたパレステア。この国では獣人が奴隷として売り買いされている。
名前のない獣人の少年は貧相な体つきと汚い毛並みから「小汚い毛玉」と呼ばれて、売り物にならない代わりに奴隷小屋で商品の世話をさせられていた。淡々と生きる毛玉の前に、見たことないほど美しく、目を布で覆い隠した異様な風体の魔法使いが現れ「冬用の毛皮にする」と言って獣人たちを買おうとする。仲間の獣人を見逃す代わりに「ひざ掛け一枚分」として自分を買ってもらえるようお願いする少年を、魔法使いは沼地の森に連れ帰った。いつ毛皮を剥がされるかとビクビクしていると、魔法使いは彼を風呂に放り込み、鋏を手に取った……
事情があって人目を避けて暮らす、齢100歳以上の素直じゃない&家事が出来ない&独占欲が強い天然?魔法使い【受】と、純粋だけど本能的な執着心が強い獣人の少年(→青年)【攻】が、魔法使いの過去の因縁に巻き込まれていくお話です。
女性の登場人物が出てきます。
(完結済。感想いただけたらとても嬉しいです!)
ブクマや評価、誤字報告、大変ありがとうございます!
【R18】翡翠の鎖
環名
ファンタジー
ここは異階。六皇家の一角――翠一族、その本流であるウィリデコルヌ家のリーファは、【翠の疫病神】という異名を持つようになった。嫁した相手が不幸に見舞われ続け、ついには命を落としたからだ。だが、その葬儀の夜、喧嘩別れしたと思っていた翠一族当主・ヴェルドライトがリーファを迎えに来た。「貴女は【幸運の運び手】だよ」と言って――…。
※R18描写あり→*
義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。
アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。
捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!!
承諾してしまった真名に
「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
イケメンスパダリ社長は僕の料理が気に入ったようです
波木真帆
BL
友達の彼女・七海ちゃんに忙しいお兄さんの家で家事代行のバイトを頼まれた僕・佐倉佳都。大学生。
豪華な高級タワマンで一人暮らしをしているお兄さんの直己さんのところにとりあえずお試しで食事を作りに行くと、ものすごく喜んでくれてそのままバイトに採用されたはいいけれど、朝早く起こしてほしいからと頼まれてなぜかお泊まりすることに。しかもベッドがひとつしかなくて……。
イケメンスパダリ社長に溺愛される甘々ハッピーエンド小説です。
短いですが、楽しんでもらえると嬉しいです♡
R18には※つけます。
【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453
の続きです。
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜
葉月
BL
《あらすじ》
カトラレル家の長男であるレオナルドは双子の弟のミカエルがいる。天真爛漫な弟のミカエルはレオナルドとは真逆の性格だ。
カトラレル家は懇意にしているオリバー家のサイモンとミカエルが結婚する予定だったが、ミカエルが流行病で亡くなってしまい、親の言いつけによりレオナルドはミカエルの身代わりとして、サイモンに嫁ぐ。
愛している人を騙し続ける罪悪感と、弟への想いを抱き続ける主人公が幸せを掴み取る、オメガバースストーリー。
《番外編 無垢な身体が貴方色に染まるとき 〜運命の番は濃厚な愛と蜜で僕の身体を溺れさせる〜》
番になったレオとサイモン。
エマの里帰り出産に合わせて、他の使用人達全員にまとまった休暇を与えた。
数日、邸宅にはレオとサイモンとの2人っきり。
ずっとくっついていたい2人は……。
エチで甘々な数日間。
ー登場人物紹介ー
ーレオナルド・カトラレル(受け オメガ)18歳ー
長男で一卵性双生児の弟、ミカエルがいる。
カトラレル家の次期城主。
性格:内気で周りを気にしすぎるあまり、自分の気持ちを言えないないだが、頑張り屋で努力家。人の気持ちを考え行動できる。行動や言葉遣いは穏やか。ミカエルのことが好きだが、ミカエルがみんなに可愛がられていることが羨ましい。
外見:白肌に腰まである茶色の髪、エメラルドグリーンの瞳。中世的な外見に少し幼さを残しつつも。行為の時、幼さの中にも妖艶さがある。
体質:健康体
ーサイモン・オリバー(攻め アルファ)25歳ー
オリバー家の長男で次期城主。レオナルドとミカエルの7歳年上。
レオナルドとミカエルとサイモンの父親が仲がよく、レオナルドとミカエルが幼い頃からの付き合い。
性格:優しく穏やか。ほとんど怒らないが、怒ると怖い。好きな人には尽くし甘やかし甘える。時々不器用。
外見:黒髪に黒い瞳。健康的な肌に鍛えられた肉体。高身長。
乗馬、剣術が得意。貴族令嬢からの人気がすごい。
BL大賞参加作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる